だれかのにっき
「──の、にっき」
幻想哲学装置……。
それは、とても美しくとても恐ろしいものである。
私は奇妙なものに理想郷があると案内された。
話を聞いているようだと、リアルの世界に絶望して逃げたいと強く願ったものだけが理想郷に招待されるという夢のような存在のようであった。
そして、彼らは人間の想像する理想という空想の塊から作られた存在……箱庭ともいうようであった。
彼等、箱庭は合計で8人いるようだった。
まずあの奇妙な箱〘のちに知るあれは幻想哲学装置というもの〙を持っている頭に青い輪っかを浮かばせた三つ編みの彼?彼女?(性別はよくわかっていない)はアトランティスと名乗った。そして箱庭と呼べと笑っていた。螺旋の目がとても印象的である。
2人目は、小さな少女だ。くるくるの金髪を2つに括った緑色の目のエルドラドと名乗った幼女。エリーと呼べと言っていて、理想郷の中にうろつくもあまり接点のない子だ。
3人目はまるでインディアン系の青年。美しいくらい小麦色の肌に露出の多い服を着た青年はアガルタと名乗った。そして静かな声でイグニトと呼べと言っていて、この人も接点のない子だ。
4人目は日本系の着物を着た大人の男性。黒髪の物腰の柔らかく、両目に包帯を巻いている、桃源郷と名乗った男。桃と呼べと言っていてよく話し相手になってくれた。
5人目は硬い鎧を着た青髪の青年、騎士道を貫いたアヴァロンと名乗る冷静な青年。そしてランスロットと呼べと言っていて、あまり接点のない個だったがよく見かけた。
6人目はなんと美しい髪を持つにもかかわらず変態といえるくらいの単眼少女、アアルと名乗った1つ目の子。角が生えていて、よく話しかけられていた。元気な子な印象が強い。アテンと呼べと言われた。
7人目は赤髪をながい蛇でぐるぐるに巻いている青年、エデンと名乗った色気強い青年である。エリンと呼べと言っていて、アテンと気が合わないのかよく喧嘩しているのをみかけた。
八人目、頭に猫耳か?と勘違いさせるくらいの大きな赤のリボンをつけたショートカットの紫髪の猫のような少女、常世の国と名乗った。そして穂希と呼べと関西弁で話した。
ここまでで箱庭たちの存在だ。
しかし、ここで確認不明のもう1人の箱庭がいるのではないか??と私は思った。
あまりにもフセンというものが多すぎる、絶対にいるはずだ。
そう、その名は─────
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ここからは、日記の字は歪んで読めなくなっている。