科学者
とりあえず地下を探そう!
近くを通る少し年配のおじさんに声をかけた。
「あのーすいません。この都に地下へ行く道ってありますか?」
「どなたですか?あまりこの辺じゃ見ない顔だけどえらいべっぴんさんだね!この都の地下なんてないよ、と言うかそんなの存在してるのかい?」
「地下とかそういうのないんですか?私この辺の事よくわからないので」
「俺は聞いた事ないな、力になれなくてすまんね」
どういう事だろうないのかな?
でも死神が言ってたけど、まさかあいつ私に適当な事言ったんじゃ!
「あなたね、私に嘘ついてるの?地下なんて無いってみんな言ってるわよ」
怒涛の勢いで周りには見えない猫に迫る。
「皆んなって1人にしか聞いてないだろ、行き方はわからないが絶対にあるぞ!なぜ分かるかは今は言えないけど」
「本当なの?確かに1人にしか聞いてないけど」
確かに嘘って感じには見えないのよね、腕組みしながら考えていたけど私にはこれしかないし聞いてみよ。
元気よくとびきりの笑顔で声をかけよ。
「すいませーん、都の地下へ行きたいのですがわかりますか?」
ど直球で聞いてると!
「地下?それなら外れにあるボロい建物あるだろ?そこのヘンテコ科学者がよく行き来してるらしいから聞いてみな」
いきなり有力情報ゲット!!
やっぱ日頃の行いかな。
隣いる猫もどき死神がお前は顔だけはいいしな、それに現世であんな事があったしいいことあってもいいだろ、みたいな事をぶつぶつ呟いていた気がしたけど、気にせず大きなでかい建物向けて歩き始めた。
大きい建物でよく見えるからすぐ着くかなと思ったらここの都がなかなかに迷路で何度も行き止まりやらでやっとの思いで到着出来た。
古い工場って感じの建物で人通りがなく、ゴーストタウンみたいな建物お化けとかでるかな!そんな事でビビってら場合じゃないし気合いいれて入口に入り大きな声で。
「すいません、ここに住んでるヘンテコで有名な科学者さんいますかー?」
お前ストレートすぎるだろと隣の死神が大爆笑していた。確かにヘンテコは良くなかったかなと反省。
そんな反省をしていると中から人が出てきて怒声が聞こえてきた。
「誰じゃ、人を馬鹿にしてるやつはぶっ飛ばすぞ」
そりゃヘンテコなんて堂々と言われたらぶっ飛ばされて当然なんだけど、出てきた人がなんとスレンダーな女性だった!胸もめっちゃあるしメガネをしていて知的だし全然イメージと違う!
「君か私を侮辱する奴は、ってなかなかの美人さんじゃないかい、私のタイプだわ。お姉さんと仲良くならない?」
そう言うなり私の体にめっちゃくちゃ近付けてセクシーな声で言われて私もちょっと変な気分になりそうになったけどそんな趣味は私にはない!!
「い、いえ結構です。所で貴方が科学者さんですか?」
かなり後ずさりながら。
「あら〜つれないのね、女性は好きじゃいかしら?まぁいいわ、そうよ私がここの科学者マキアさんとは私の事よ」
この人が変な人って意味が少し理解できた気がする。
「お聞きしたい事があるのですが地下ってあるんですか?行き方教えて下さい」
「地下の存在なんてどこで聞いたのかしら、教えてあげなくもないけどどうするの?」
「サクヤって女の子の犬が迷い込んでいるみたいでそこに探しに行きたいんです」
マキアさんがなるほどって顔で頷いた。
「条件がその代わりある、見てきた実験室をぶっ壊す事、そして帰ってきたら私と楽しい遊びをする事」
なんだか凄くいやらしい感じがする表情が見えた気がする。
「後半のはわからないですが頑張ります。行き方教えて下さい」
「向うに城が見えるだろ?そこから地下への階段がある、それで行けるはず」
そう指をさした先に城が見えた!今まで目的の事しか見てなかったから全然気付かなかったよ。
「城って確かサクヤちゃんのいる場所じゃ…わかりました…ありがとうございます」
私は深々とお辞儀をし工場を後にした。
その後に濃厚な投げキッスがあったが無視して城へと急いだ。