表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The broken brains is  作者: masaya
序章 断片
55/74

fließen

静かに流れて行く古川に一人の少女が真っ赤な空気の入ったまん丸ななにかを持っている。たたジッと流れる水を見つめているだけよく見てみるとまん丸いなにかを持っていない手にもなにかを握り締めているようだった。強く握りしめているせいかぽたぽたと紅い雫が河原に転がる石へと滴り落ちている。もの悲しそうな少女に私は声をかけてみた。しかし、返答は帰ってくる事はなかった。ただ、一度だけ声をかけた時にこちらへと視線を向けてくるだけ。せっかく親切に心配をして声をかけたのにもかかわらず無反応とはいい度胸だ。しかし、何故か私はその場を立ち去ることなく少女の隣に立ち共に川の流れを見つめていた。


どれだけ時間が経ったのだろう?私は座ったりと体勢を何度も変え時間を過ごしているのだけど少女はずっと同じ体勢のまま動くことはなかった。動くと言えば瞬きをする程度。あとはずっと左手からは血を落とし右手ではずっとまるいなにかを持っている。それが一体何だったのかは分からない。何度か声をかけてみるものの一度顔を見るだけであとは無視。しかし、声をかけるごとに顔は何度も一度向けてくる。何十回ほど声をかけ少女の顔を見たことだろう。からかい気味に声をかけていたと言うならそうかもしれない。しかし、しばらく声をかけ終わった後にある異変に気が付く。それは少女の服には紅い模様が体の全身だけに広がっていたのだ。それは模様かと思っていたがそうではないのかもしれない。よく目を凝らしてみてみると返り血のようなものである。見た感じ少女からの出血により染まったものではない。もう一度それを確かめるために私は声をかけようとした瞬間、目の前の少女は顔だけでは無く体ごとこちらへと向いてくる。たかだか私の腰ぐらいしか身長が無い少女に脅えてしまう。目の色が普通の人間とは違ったのだ。しかし、この瞳の色を私は見たことがある。この瞳の色は殺人者の目だと言うことを直感で感じる。しかし、こちらも好都合。脅える気持ちをグッと飲み込み少女に笑みを向ける。

「?」

始めて言葉のような声を聞いた気がする。女性はこれ幸いとポケットからあるものを取り出す。透明な袋に三錠の白く歪な薬が入っていた。

「これはね?あなたみたいな症状になった人が飲む薬なの。これを飲むと少しはリラックスできるから飲んでみなさいよ。大丈夫。お姉さんを信じて」

そう言うと症状は不思議そうな表情を向けながらも差し出された薬を迷うことなく口を開き飲み込んでしまう。

「どう?気持ちよくなってきたでしょう?」

「・・・ぐっ・・・がががが」

今まで無表情だった少女が急に両手に持っていた物を離し両手で喉を押さえ苦しみ始める。女性はその姿を確認するとポケットから小さな映像ツールを出し少女を撮影し始める。

「丁度、末期症状の人間が居たため薬STTPを投与したところ数秒で薬の効果が出たのかこの様に苦しみ始める。居たって薬の効果は絶大で、あと数名の検体を探し投与し薬の確実性を立証しようと思う」

目の前では吐血をし狂い苦しみながらも少女は女性を睨みつける。この苦しみを自分に与えたのは目の前でぶつぶつと言葉を発している人間。憎悪が溜まり少女の目の色が赤色へと変化していく。その変化を見るなり女性は急ぎ逃げて行く。

「ごほっごほっ・・・」

咳き込むと喉から血が逆流してくる。口の中は鉄臭くけれど何故か少女は笑顔へと変わって行く。

「ごほっ・・・わだじ・・・いぎでるんだ・・・ががっがっががあああ」

喉が薬で焼け何を喋っているのか分からないほどの声で少女は空を見上げながら笑い続ける。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ