その籠はわたし
わたしは死んだらしい。
なぜ死んだのか、いつ死んだのか、記憶が混濁していて何もわからないが目が覚めたらここにいて、三角の帽子を頭まですっぽりと被った小さい人(ノーム?)
「おかえり。」
とだけ言われた。処理ってなんだよと思ったがどうやら生き物が死んだら籠のようなものとともにここに帰ってくきてまた籠を整理して現世に送り帰すらしい。
大きな谷のような細長い穴に白い膜のような物が貼っていてがそこから光をさしている。
壁面には小さな部屋のようなものや足場、その隙間にランタンのようなものがびっしりと並んでいて中には煌々と強く光が灯っているもの、弱々しくゆらゆらと揺らめいた光が灯っているもの、暗く沈黙しているもの、色も赤や青、緑や黄色、原色に近いものから淡い色まで様々なランタンが散り下げられていて幻想的な光景を作り出している。
穴の中には大きな人型の籠のようなものが鎮座していて、周りに足場のようなものが組まれノームたちが籠の蓋を開いて整理をしている。あの籠はわたしの魂が入っていたようで小さな部屋に分かれて様々な物が入っている。中を見せてもらった際開いた部屋は溢れ出しそうなほどの花がつまっていた。ネモフィラ、紫陽花、カスミソウ、すずらんなど寒色系の花が多く籠を開けて作業をしていたノームが
「お花が好きだったんですね。」
と嬉しそうに言っていた。
ノームはそれぞれに担当があるようで三角の帽子の額に当たる場所にそれぞれマークがありそれがなんの担当かを示す目印のようだった。彼(彼女?)らの多くはとても親切で作業をしているところを見に行くとなんの作業をしているのか、中には何が入っているのかなど丁寧に詳しく教えてくれる。そしてノームたちはその役割をとても大切に思っているのがよく伝わってきた。
そのノームは花の担当らしく三角の帽子のマークのところにお花のマークが付いている。ノーム(花)は籠の中の花を宝物のように撫で、萎れたり枯れたりしているものを取り除き中に淡く青い光を放つ液体を注いでいた。
「せっかく好きになってくれたんです。一番いい状態でいれるようにしましょう。」
「この水はきれいな状態に保ってくれるんですよ。」
表情は見えないけれど周りに花が飛んで見えるほど嬉しそうに話す姿はとても微笑ましい。本当に花が好きなことがよく伝わってくる。
「花たちを見つけてくれてありがとう」
「出会ってくれてありがとう」
「好きになってくれて、愛してくれて、ありがとう」
彼女はそう祈るように、囁いて籠を閉じていた。
まだ設定もゆるっゆるの見切り発車です
ゆるして




