最終回
「と、言うわけでお付き合いすることになりました・・・」
頬が赤くなっているのはお酒のせいじゃないだろう。
この前の出来事をかいつまんで説明すると目の前に座ってる人は優しい微笑みをくれる。
「よかったわね」
「・・・はい」
今日もくまくま亭は混んでいる。
商売繁盛でうらやましい限りだ。
その店の片隅で回りの声に紛れるような小さな声で私たちは会話している。
あまりおおっぴらに触れて回れる事じゃないから。
あれから少しして仁さんは本当に家に挨拶にきた。
初めて見たスーツ姿に思わずくらりと来たのは内緒だ。
両親、特に父親は驚いていたけど母親の「もう子どもじゃないでしょ?」の言葉と
仁さんの態度に感じる物があったのか、しぶしぶながらもOKしてくれた。
玄関先まで見送ったときの仁さんの笑顔は今も忘れられない。
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おっといけない現実逃避はよくないです はい。
お付き合いを始めて変わったことは毎日必ずメールが来るようになった。
移動中に書いているのか今からどこの現場に向かいますとか
日常のふとした出来事と一緒に何らかの写メが届く。
最初は返事するタイミングがわからなくてかなり焦ったけれど
仕事中は携帯を切ってると聞いてからは気がついたら返事を書くようにしている。
お互いのタイミングが合えば電話なんかもしたりする。
まぁたぶん普通のカップル・・・なのかな?
仁さんの仕事が仕事だけにデートとか苦労するのかと思ったけれど
まったく気にしていないのか某有名テーマパークにも行ったりした。
聞こえてくるナレーションが下村さんだの立野さんだの教えてくれ
二人で顔をあわせてくすくす笑って他の人と違う楽しみ方をしてみたり。
二人で仁さんの家でDVDを見たりもする。
純粋に映画を楽しむんじゃなくて、
仁さんのお仕事がらみで見なきゃいけないのとかあったときは
申し訳なさそうな顔をされるけれど、こういうのも楽しい。
二人っきりのときはキスなんかもしたり・・・する。
まだ一線は越えてはいないけれど、それも遠くないのかなと最近感じたり。
とにかく仁さんは優しい、優しすぎて困っちゃうくらいに。
「ねえ真澄ちゃん、幸せ?」
真琴さんに笑いながら問われた言葉。
私は自分にできる最高の笑顔で答える。
「はい、とっても幸せです」
拙いお話でしたが今まで読んで頂きありがとうございました。
1~2日ほど日をあけてから「謎の人 仁part」
アップしていきたいと、思っております。




