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落ちこぼれの少女、世界最強を宿して無双する〜元素魔法が強すぎて世界の奴らがまるで相手にならないんだが〜  作者: エーカン
二章 ブレイザード王国編

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三柱参戦

 エヴァンとリクラスは詰所から西の方角にある教会にいた。


 周りでは反乱軍の兵士たちが魔物をリクラスたちに近づけないように抑えている。


「教会に来たはいいが、まさか神頼みするなんて言わないよな」


 エヴァンが水元素魔法を発動しながらリクラスに尋ねる。


 リクラスは片膝をつき、両手を地面におく。


「半分正解なのです。神の聖なる力をお借りして魔物を弱らせる結界を首都全域に張るので、エヴァン君にはその援護をしてほしいのです!」


 教会の鐘がひとりでになったかと思うと、リクラスの足元に金色の魔法陣が出現し、あっという間に広がっていく。


「そ、そんなことができるのか?」


「できるのです!でも魔力を結界に集中させておかないと結界が消えちゃうのです、だからエヴァン君は私に近づく魔物を片っ端から倒してくださいなのです!」


「わ、分かった!」


 エヴァンが魔物に対して水の刃を飛ばす。命中した魔物があっさりと倒れる。結界の効果はてきめんらしい。


『ここはいいとして、いずれ出てくる三柱はどうする?無論エリスが相手をするだろうが、三対一ではさすがのエリスでも分が悪いだろう。元素魔法を使える俺とユリィで一対一に持ち込むのが最善だな』


 エヴァンが水の刃を飛ばしながら思案していると、何かが猛スピードで飛来する音が聞こえた。


「何だ」


 音の方を振り返るエヴァン。冒険者ギルドで見かけた三柱の一人がこちらに飛んできている。


「三柱が来た!全員警戒しろ!」


 エヴァンが近くの反乱兵に注意を促す。


「魔物の動きが鈍くなっている.......リクラスの張った結界、なかなか強力だな」


 マイニーが拳を突き出して、リクラスに向けて拳圧を放つ。


 それを察知したエヴァンが咄嗟に水の壁を作り、リクラスを守る。


 拳圧を受けた水の壁がドパンと破裂する。エヴァンが険しい表情を見せる。


 マイニーも眉をひそめる。


「唐突に出てきた水の壁.......?奴は何者だ」


マイニーがエヴァンの前に着地する。彼の両腕のガントレットから破壊的なエネルギーが迸っている。


「まさか三柱直々に出向いてくれるとは」


 エヴァンが言うと、マイニーがフッと笑みを浮かべる。


「まさか、俺を倒すつもりか?」


「倒さなきゃ死ぬのはこっちなんでね」


 エヴァンの手のひらに高速で回転する水の刃が浮かぶ。


「せいぜい楽しませてくれ」


 マイニーも戦闘態勢を取る。


 エヴァンが水の刃を投げる。マイニーは水の刃を殴り飛ばし、拳圧をエヴァンに向かって放つ。


 飛び上がってそれを回避したエヴァンが水の塊をマイニーに投げつける。迫りくる水の塊に対して、マイニーは表情一つ変えずに腕の一振りで弾き飛ばす。


「次はこっちの番だ」


 マイニーが飛び上がったエヴァンの真上に高速で移動し、拳を振り下ろす。


「ぐっ」


 エヴァンが振り返りながら水の壁を作り出し、腕をクロスさせて防御の姿勢をとる。


『この反応速度、ただ者では.......』


 マイニーが拳を振り下ろすと、水の壁が破裂し、エヴァンが地面に叩きつけられ、土煙が立ち昇る。






「レイモンドさーん!」


 エリスはヴィストを抱えた状態で詰所に到着した。


「エリス、よくやってくれたな」


「いや、それはユリィたちに言ってくれ。それより戦況は?」


 エリスの問いにレイモンドが答える。


「今のところは大丈夫じゃ。魔物も数は多いが、リクラスの張った結界のおかげで大幅に弱体化している。民間人の避難も順調に進んでおるし、三柱とカゾエだけが懸念材料.......」


 レイモンドがそこまで言った時、兵士がすごい剣幕で走ってきた。


「伝令!三柱の参戦を確認!イー二はユリィと、ミーニはサイ、レイナ、オウボ、エンスウェード王国の騎士団と交戦中のようです!」


「やはり出てきたか、マイニーはどうなっている」


「マイニーの姿は確認できておりません!」


「エヴァン達のところに行ったんだろう」


 遠くの方で上がる水飛沫の方を見てエリスが言う。


「カゾエはまだ城内か」


 レイモンドが呟く。


「行ってくるよ」


 エリスが飛び上がって城の方へ向かう。


「あ、待つんじゃ!」


 レイモンドが慌てて呼び止めるが、時すでに遅し、エリスの姿は見えなくなっていた。





 イー二とユリィは一定の距離を保ちながら、にらみ合っていた。


「君、もしかして冒険者ギルドであった?。あのパッとしない女の子」


「そうだけど、なに?」


 イー二が肩をすくめる。


「いや、あの時とは比べ物ならないぐらい魔力が増えてるからさ、驚いちゃった」


 イー二が先手を打って、衝撃波でユリィを弾き飛ばす。ユリィが民家に突っ込む。民家が崩れ、煙がもうもうと立ち込める。


「こんなのでやられるほど弱くないよね?」


 イー二が煽るようにユリィに問いかける。そのユリィは崩れた民家の上空にいた。民家に突っ込んだ瞬間、追撃が来るのを予想して高く飛び上がったのだ。


『痛いけど、全然耐えられる!』


 何もかもびっくりだ。あの攻撃を受けて身体が爆散していないことも、自分があんなスピードで動けることも。


 ユリィがバルジュゼールをイー二に向けて放つ。イー二が咄嗟にバルジュゼールを弾き飛ばす。弾き飛ばしたそれが別の民家を消し飛ばした。


「想像以上に強い.......いや、この結界であたしが弱くなってるのか」


「.......思ったよりイケそう.......?」


 ユリィがイー二の懐に飛び込んでいく。突き出された拳がイー二の右頬にクリーンヒットする。


「.......なよ」


 イー二が拳を握りしめる。


「な」


 ユリィが自分の愚かさを思い知る。


「なめんなよ!」


 イー二が振り上げた拳がユリィを吹っ飛ばす。


「お前ら人間とは出来が違うんだ」


 イー二が青筋を浮かべながら首をパきパキ鳴らす。





 「ふむ、多対一、流石に不公平ですわね」


 そういうなりミーニが分身を始めた。


「四体に分身しやがった、オウボ、仮面の方、レイナは単体で奴の相手をしろ!」


 サイが指令を出すがレイナが反論する。


「ミーニとタイマン張るのか?命がいくらあっても足りないぞ!」


「リクラスの張った結界で奴らは弱体化している。的確に技を叩きこめば勝てる!」


 サイがそう言って皆を励ます。他の面々には気休めにすらなっていなかったが。


「皆さんの技、楽しみにしておきます」


 ミーニがレイピアを構えると、刃から蒼いオーラが漏れ出す。


「いざ、尋常に」


 三地点で三柱と人間の戦いが幕を開ける。

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