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落ちこぼれの少女、世界最強を宿して無双する〜元素魔法が強すぎて世界の奴らがまるで相手にならないんだが〜  作者: エーカン
二章 ブレイザード王国編

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混戦

 下水道を抜け、水道橋に上がったユリィたちも空で起きている異変に気が付いた。


「おい、空からなんか降ってくるぞ」


 オウボが三節混を手に身構える。レイナも剣を抜いて空を睨む。


 魔物が奇声を上げながら降り注ぐ。


「き、気持ちわりぃ」


 ヴィストが思わず言葉を漏らす。






「カゾエが動き出した.......!」


 サイが剣の柄に手をかける。


「カゾエっていやぁ、この国の女王だろ?まさかこの黒いのが女王の仕業だっていうのか?」


 モハンが空から降ってくる魔物を見上げながら尋ねる。


「ヤバいっすよ、こいつら。そんじょそこらの魔物とはワケが違うっすよ」


 ジンが震える声で言う。鉄面皮の身体が灼熱の紅いオーラに包まれる。


「お前たち、絶対に油断するなよ。ったく、こんなところが死に場所になるかもしれんとは」


 モハンが剣を抜いて、刃に魔力を込める。


「クーエルスラッシュ!」


 白い斬撃が空高く舞い上がり、魔物たちと接触したとたんに大爆発を起こした。


 魔物の残骸が降り注ぐ。


「そこまで硬くなさそうだ一人が引き付け、もう一人がとどめを刺す。これを着実に続けて、ここの軍が民間人を避難させる時間を稼げ。いいな!」


「了解!」


 騎士団のメンバーたちが地面に降り立った魔物と対峙する。





 反乱軍の拠点は大騒ぎになっていた。武器を装備して外へ出る者でごった返していた。


「エリス!」


 エヴァンがもみくちゃにされながらこちらにやってくる。


「何が起きてるんだ?決行日は明後日じゃないのか?」


「今、地上はとんでもないことになってる、感じただろ、さっきの気配」


「気配?何も感じなかったぞ」


 二人がそんなことを話していると、レイモンドが戻ってきた。隣に茶髪で紺色のローブに身を包んだ大魔導士が連れ立っている。


「エヴァン、君はリクラスの援護に入ってくれるか」


「どうなってるんだ、レイモンドさん。説明を.......」


「時間が無いんですぅ~!つべこべ言わないでついてきてくださいなのです~!」


 リクラスがエヴァンの腕を強引に引っ張って走っていく。


「.......私はどうすれば?」


「君は地上に出たら、レイナたちと合流してヴィストを保護してほしい。詰所を緊急の拠点に設定したので、そこまで連れてきてほしい。それと.......」


 レイモンドが言いよどむ。


「それと、何だ?」


「万一、カゾエが自ら戦場に降りてきた時は、君に任せたい」


 エリスがレイモンドの瞳を真っ直ぐに見つめる。


「最初からそのつもりだ」


 エリスが駆け出す。


 ユーゴがオシグとリシアに何かを伝えているのが横目に見えたが、足を止めることはなかった。






「キリがねぇな」


 魔物を三節混で弾き飛ばしながらオウボが悪態をつく。


「昆節・大風流!」


 オウボが三節混を大きく振り回し、巨大な竜巻を巻き起こす。巻き上げられた魔物たちがバラバラにちぎれていく。


「こいつ、メチャクチャ強いじゃないか!」


 ヴィストが驚嘆のあまり叫ぶ。ヴィストがこうも言いたくなる気持ちをユリィとレイナも理解できた。たった一人で既に百体は魔物を倒している。


「周りに配慮せずに戦えることなんて滅多にないからな!気合い入ってんだよ!」


 オウボが高く飛び上がって三節混に魔力を込める。


「昆節・大投弾!」


 オウボが振り回す三節混から魔力の弾が大量に撒き散らされる。魔力の弾は魔物に着弾し、その身をえぐりとって爆発する。


 翼の生えた魔物がオウボに狙いを定めて急降下する。


「レイナ、頼めるか!」


 落下するオウボがそう言った瞬間、レイナが飛行魔法で飛び上がり、オウボのそばをすり抜ける。


「炎道開!」


 レイナが燃え上がる剣を思いっきり振り上げる。炎の斬撃は翼の生えた魔物を真っ二つに切り裂き、さらに上空にいる魔物の群れを切り裂き、燃やし尽くした。


「まだ数が多いな」


 レイナが驚愕していると、別の魔物が群れを成して襲い掛かってきた。


『この数、捌けるか』


 レイナが剣を構えなおす。


 その様子はモハンの位置でも視認することができた。


「ちっ、お前ら、死ぬんじゃねえぞ!」


 モハンはそう言うと、懐から小さな玉を三つ取り出し地面に叩きつけた。小さな爆発と共にたくさんの煙が発生する。


 モハンはその煙を下半身に纏わせたかと思うと、そのまま飛び上がり、レイナのところに向かう。


 レイナの周りを煙が取り囲む。


「な、何だ」


 魔物は意にも介さずに突っ込んでくる。


「少しはモノを考えろ、くそ魔物が!」


 モハンが指を鳴らす。


「スイッチ!」


 その瞬間、煙から無数の棘が伸び、魔物たちをめった刺しにした。


「.......助かったよ、エンスウェードの人。あんた、エリスって子と知り合いか?」


「あぁ?そんな奴知らねえよ。ていうか、この数どうするんだ。幸い奴らの防御が脆いから何とかなっているが、このままじゃ数で押し切られるぞ」


「魔物を抑えつつ、民間人の避難も支援しなければならない。レイモンドたちは気づいているのか?」


 レイナが詰所の方を見る。魔物にかなり荒らされているのが見える。


 その建物から誰かがものすごい勢いで飛び出してきた。


「何だ?」


 飛び出してきた誰かがこちらに向かって飛んでくる。


「レイナさん!」


「エリスか」


 レイナがほっとした表情を見せる。


「ユリィとヴィストはどこですか」


 側まで来たエリスが下を確認する。


 ユリィが魔物を勢い良く粉砕するのが見えた。


「ユリィ!」


 エリスがユリィの所に降り立つ。ユリィがエリスに気付く。


「あ、エリスちゃん。来てくれたんだ」


 ユリィの顔がパッと輝く。


「ユリィがここまで強いとは思いもしなかったよ」


「まあ、バルジュゼール撃ってるだけだしね。近接戦はからっきしだから」


「ユリィなら大丈夫さ。それよりヴィストは?」


「あれ、さっきまで近くにいたけど.......」


 二人が慌てて辺りを見渡す。少し離れた所にヴィストが転がっている。


「やべっ」


 慌てて駆け寄るが、ヴィストはすぐに跳ね起きてユリィをにらみつける。


「僕のすぐ横であんな魔法撃つなよ、僕を殺す気かい⁉助けてくれたのは感謝するけど!」


 一方的にまくし立てるヴィストを無視してエリスは彼を肩に担ぐ。


「こいつをレイモンドさんの所に届けたらまた戻ってくるから」


「分かった」


 エリスが詰所の方へ飛んでいく。


「ぼさっとするな、ガキ!」


 怒声とともに飛んできた煙の斬撃がユリィの背後に迫っていた魔物を両断する。


「あ、ありがとうございます」


 ユリィがモハンに頭を下げる。


「頭下げてる場合か!次来るぞ!」


「は、はい!」


 ユリィが雷元素魔法を発動して魔物たちに立ち向かっていく。


 サイと鉄面皮たち騎士団も集まって来る。


「モハン団長、反乱軍が反撃に出ったみたいっすよ!さっき住人の避難誘導が開始されたっす!」


「分かった、引き続き俺たちは魔物を掃討、避難の援護だ!」


 モハンが剣を振りながら指示を出す。


「君たちなら楽しめそうだ!」


 突如声が響く。イー二、ミーニ、マイニーが上空に浮かんでいる。


「誰だ!」


 モハンが剣を向ける。


「われらは三柱、カゾエ様の忠実なるしもべ」


 ミーニがドレスの袖から青白く輝く刃のレイピアを取り出す。


「カゾエ様は城で待っている。カゾエ様の首を取りたいなら、我々を倒してからにするんだな」


 マイニーが荘厳な装飾のガントレットを両腕に装着する。


「あたしはあの電気ビリビリなってる子とやるよ」


 イー二がユリィのもとに飛び込んでいく。


「では私は騎士団のみなさんを相手します」


 ミーニがレイピアを軽く振ると地面に降下していった。


「俺は.......」


 マイニーが遠くの方で迸る魔力を探知する。


「大きい魔力だ、俺が相手しよう」


 マイニーも己の相手のもとへ向かった。


 三柱との激戦が幕を開ける。


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