第95話 看破
金曜日の1時間目はコノハ先生によるキメラ学。
いつもの如く座学座学座学……。
「他種族の生物同士を錬成させた場合、遺伝子が拒絶反応を起こし自壊する。ならばどうやって混成の獣、キメラを作るか。方法は3つある。ではイロハ=シロガネ。この3つの方法について述べてみろ」
「え!?」
いや、知るかよ。
教科書にも載ってないし……。
「えーっと……」
「まさかわからないのか? 教科書にも載っていない程の常識だぞ」
「す、すみません」
「もういい。座れポンコツ」
コイツほんと、俺に何か恨みでもあるのかよ……。
「では、ヴィヴィ。答えてみろ」
「はい。まず1つ目の方法は素材となる生物に自己再生能力を与えるやり方です。拒絶反応による自壊が起きても、再生できるだけの生命力を与えることで錬成を成立させます。この方法で使われる主な素材としてリボーンジェルとゾンビパウダーが挙げられます。ただし、この方法でキメラを錬成した場合、強烈な苦痛による精神汚染により、キメラが暴走する恐れがあります」
「……その通りだ」
「2つ目の方法は拒絶反応が起きないよう遺伝子を操作することです。手間は掛かりますが、1つ目の方法よりキメラ体の精神が安定し、制御しやすくなります」
「…………ああ」
「3つ目の方法はロストマナによるデメリットの解除です。例えば錬成物の壊死を防ぐロストマナがあれば、前途2つの方法を使わずともキメラの錬成が可能です」
「……………そうだな」
言いたいこと全部言われたな。ざまぁみろ。
完璧な解答をしたヴィヴィに、小さな拍手が巻き起こる。
「補足は特にない。次に進む」
不満気なコノハ先生であった。
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2時間目はジョシュア先生による鉱物錬金学。
俺達は学校近くの洞窟に集められ、4人チームを組まされた。チームで洞窟の中を探索し、鉱物の採取をする。
俺はアラン・フォックス・ベルモンドと同じ班になった。
「見ろよこれ! この鉱石、なんか尻みたいじゃないか?」
「ふむ。美尻だな」
「いや、曲線が甘いな。線に乱れがある」
「イロハ君。そんな美術家視点のガチな審査しなくていいから」
3時間目、植物錬金学。
いよいよ本日最後の授業。
ガタ。と扉が開かれ、植物錬金学の先生――ウツロギ先生が入ってくる。
「皆さん、静粛に。授業を始めますよ」
「――っ!!?」
俺はウツロギ先生の姿を見て、声を出さずに驚いた。
嘘だろ……どういうことだ?
動揺を悟られないようポーカーフェイスを維持しながら、俺はアランの足を軽く蹴る。
「どうしたの? イロハ君」
教科書で口を隠し、
「……アラン。小さい声で話してくれ。緊急事態だ」
俺の態度からただならぬ雰囲気を察して、アランは声色を落とす。
「……なにかあった?」
「……信じられないと思うが、よく聞いてくれ」
視線をウツロギ先生――否、謎の侵入者に固定したまま、俺は告げる。
「アレはウツロギ先生じゃない」




