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色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第3章 千面道化襲来

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95/176

第95話 看破

 金曜日の1時間目はコノハ先生によるキメラ学。

 いつもの如く座学座学座学……。


「他種族の生物同士を錬成させた場合、遺伝子が拒絶反応を起こし自壊する。ならばどうやって混成の獣、キメラを作るか。方法は3つある。ではイロハ=シロガネ。この3つの方法について述べてみろ」

「え!?」


 いや、知るかよ。

 教科書にも載ってないし……。


「えーっと……」

「まさかわからないのか? 教科書にも載っていない程の常識だぞ」

「す、すみません」

「もういい。座れポンコツ」


 コイツほんと、俺に何か恨みでもあるのかよ……。


「では、ヴィヴィ。答えてみろ」

「はい。まず1つ目の方法は素材となる生物に自己再生能力を与えるやり方です。拒絶反応による自壊が起きても、再生できるだけの生命力を与えることで錬成を成立させます。この方法で使われる主な素材としてリボーンジェルとゾンビパウダーが挙げられます。ただし、この方法でキメラを錬成した場合、強烈な苦痛による精神汚染により、キメラが暴走する恐れがあります」

「……その通りだ」

「2つ目の方法は拒絶反応が起きないよう遺伝子を操作することです。手間は掛かりますが、1つ目の方法よりキメラ体の精神が安定し、制御しやすくなります」

「…………ああ」

「3つ目の方法はロストマナによるデメリットの解除です。例えば錬成物の壊死を防ぐロストマナがあれば、前途2つの方法を使わずともキメラの錬成が可能です」

「……………そうだな」


 言いたいこと全部言われたな。ざまぁみろ。

 完璧な解答をしたヴィヴィに、小さな拍手が巻き起こる。


「補足は特にない。次に進む」


 不満気なコノハ先生であった。



 --- 


 2時間目はジョシュア先生による鉱物錬金学。

 俺達は学校近くの洞窟に集められ、4人チームを組まされた。チームで洞窟の中を探索し、鉱物の採取をする。


 俺はアラン・フォックス・ベルモンドと同じ班になった。


「見ろよこれ! この鉱石、なんか尻みたいじゃないか?」

「ふむ。美尻だな」

「いや、曲線が甘いな。線に乱れがある」

「イロハ君。そんな美術家視点のガチな審査しなくていいから」


 3時間目、植物錬金学。

 いよいよ本日最後の授業。

 ガタ。と扉が開かれ、植物錬金学の先生――ウツロギ先生が入ってくる。


「皆さん、静粛に。授業を始めますよ」

「――っ!!?」


 俺はウツロギ先生の姿を見て、声を出さずに驚いた。

 嘘だろ……どういうことだ?

 動揺を悟られないようポーカーフェイスを維持しながら、俺はアランの足を軽く蹴る。


「どうしたの? イロハ君」


 教科書で口を隠し、


「……アラン。小さい声で話してくれ。緊急事態だ」


 俺の態度からただならぬ雰囲気を察して、アランは声色を落とす。


「……なにかあった?」

「……信じられないと思うが、よく聞いてくれ」


 視線をウツロギ先生――否、謎の侵入者に固定したまま、俺は告げる。


「アレはウツロギ先生じゃない」

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