鉄の人形と散弾銃
ここはナゴヤと呼ばれた都市から少し離れた高速道路の上。ここで僕達は自分達の苗字を捨てたところだ。
「ヨロシイ」「新しくするならカッコいいのにしろよぉ。後お前ら名前決まるまでガキ1号2号、娘1号2号って呼ぶからなぁ」
((((えぇ……))))
……何はともあれ、真田さんと桐崎隊長の雰囲気が和らぎ、空気が軽くなったと思った瞬間。
「ん⁈」
リンさんが何かを察知して山の方角を見る。
「リンさん……どうかされましたか?」
「何か……来る……」
「え?」
僕も耳を澄まし、その方角を凝視するが木々のざわめきと青々とした山しか見えない。
「一体何が……」
杞憂か何かだろう……。
そう思った刹那、遥か遠くで何かが光る。そして謎の光弾が一直線に進んできたのだ!
「なっ⁈」
僕はそれを撃ち落とそうと鉛玉を放つが弾が当たっても減速すらしない。
「チッ!」
光弾が僕に届くその寸前。天兵が手裏剣を投げてそれを相殺した! 光弾が爆発し、エネルギーが霧散する。
「何なんだよあれ!」
俺は刀を抜いて光弾の飛んできた方向を凝視する。
すると遠くから何かが飛んでくる。
「やはり報告通り。大丸嶽久の部下……10名」
現れたのはロボットのような鋼のボディを輝かせる男。背中や踵のあたりからアフターバーナーのような炎が見える。
(顔のところ以外ほとんど金属か?)
すると奴の腕が変形する。
「……!」
その瞬間、奴の顔がマスクのようなもので覆われて超速で突進してくる!
「ぐぅぅぅぅう!!」
狙いは天兵。間に手裏剣を挟むもそのまま押し負ける!
「天兵!」
「俺に構うな! 絶対まだ来るぞ!」
そして高速道路の奥へと吹き飛ばされていった。
「シオン! リンさん! 天兵をお願いします!」
「分かった」「ヨウタ君も気をつけて!」
そう言って2人が強化を使い、連絡用の舎弟1人を抱えて天兵を追った。
(目に、エーテルを集める……)
天兵の特訓を思い出し、集中する。すると確かに遠くから高速で何かが走ってくる!
「見つけたぜぇぇえ!!」
俺は速射で奴を狙うが全く意に介さず突っ込んでくる!
「チッ!」
俺が刀を抜き、迎撃しようとした瞬間!
「どけぇガキ1号、邪魔だぁ!」
なんと俺の頭を押さえつけて真田さんが前に出た! そして謎の棒から炸裂弾が飛び出す!
「くっ……」
その爆発は予想外。謎の影が安全圏に飛び退いた。
「早くしろぉガキ1号。狩りの時間だぁ」
俺が後ろを振り返ると真田さんが得物を構えていた。分厚く、両側に刃がついた剣。だがその先端には謎の穴が空いている。
(何だこの武器……銃の外側に剣があるみたいだな)
そう思っていると煙の中からただならぬ気配が近づいてくる。
「全くさぁ、挨拶がわりの爆弾って可笑しいんじゃないの?」
赤い髪に「我最強也」と書かれた上着を羽織る男が現れた。
「へっ、殺気マシマシで突進してくる奴に言われたかないな」
俺は自然に腰に手が伸び、仮面をつけようとする。
しかし、俺はその手を止めた。
(妖狐衆にいたのは「亀山」ヨウタだ……もう性を捨てたなら……)
俺は仮面をしまって代わりにリンさんからもらっていたマスクをつける。
「来いよ。完膚なきまでに叩き潰してやる!!」
そして、空気が張り詰めた瞬間……俺達が同時に飛び出した!
「オラァァァァァア!!」
「シャァァァァァア!!」
奴の得物はなんと拳。それが俺の刀を受け止めた!
(この音、拳に鋼でも仕込んでんな……)
奴の能力がわからない以上あらゆる可能性を考えるべきだ。
(まずは単純な力勝負から、行ってみようか!)
そして凄まじい斬り合いが始まる! 奴の打突は喰らおうとも命には届かない。
(なら! もっと踏み込んで良いよなぁ!)
そして奴が下がってもそのまま攻め続ける!
「ぐぅぅぅぅう!!」
俺の刀が通るたびに奴の体から鮮血が吹き出す。
だがその時、俺の第六感が警鐘を鳴らした!
(まずい!)
決死の覚悟で身を引いた瞬間!
「チェストォォォォォオ!!」
奴の正拳突きが俺の胸を捉える! ダメージはあった、だが無問題だ。
「甘ぇなぁぁあ!!」
そして返礼の横薙ぎを繰り出そうとした……その刹那!
「ショット!」
奴がそう言った。すると俺の胸部を未知の衝撃が襲う!
「がはっ!」
あまりの衝撃に俺は耐えられない。
(なんだこれ……衝撃が、もう一つ?)
俺はなんとか間合いを取る。
「驚いたか? これが俺の能力。「衝撃拳」テメェを蜂の巣にしてやんよ!」
「チッ……」
(こりゃあ厄介だぞ……)
◆◇◆◇
それと同じ頃、高速道路の奥でも死闘が繰り広げられていた。
「チィィィィイ!!」
天兵が巨大な手裏剣を奴に投げる!
「当たるわけないだろう」
だが奴はそれすらも躱して光弾を放ち続ける。そして天兵も避けるが全ては躱せず、1発がその肩に激突する! 光弾の熱で肩が焼ける。
「クソッ!」
(アイツの思考さえ読めれば……勝機はある!)
その時、奴の後ろから弾丸と刃が迫る!
「ぐぅぅぅう!!」
奴は直前でそれに気付くがもはや避けられない。
鉛玉は奴の肩を撃ち抜き、小太刀が背中を切り裂いた!
「大丈夫ですか?」「応援に来た……」
その正体は追いついたシオンとリンさんだ。
「それで、どうすれば良いの?」
シオンは奴が普通でないことを一瞬で見抜いた。
「アイツがの動きを止めてくれ。そうすりゃ能力で糸口が見つかるかもしれない」
「了解」「頼みます!」
そうして3人が飛び出した!
(三人で突っ込んでくる。愚策だが、警戒は怠らない)
その時、奴の腕が変形して大量の光弾が撃ち出される!
「見えます!」
だがリンさんはその弾幕に飛び込んでライフルを乱射する!
「チッ!」
奴は再び飛び上がり、リンさん達を仕留めようとするが真下からシオンが追いかける! そして奴の頭上に来た。
「落ちて……」
その言葉を放つと同時、シオンの踵が落ちる!
「ハァァァア!!」
だが奴は腕をキャノンに変形! それを真横に撃つと反動で奴の体がズレた!
シオンの踵が空を切る。
「チッ!」
「くたばれ」
そして無慈悲に光弾がシオンの腹を捉える!
「がはっ!」
衝撃と熱でシオンの肋骨が損傷し、そのまま地面に叩きつけられた。
「終わりだ!」
そして奴が大量のミサイルを放つ! 着弾と同時に道路の上は黒い煙で覆われた。
「これで終わりか……」
奴がそう呟いた瞬間、煙の中から何かが飛び出す!
「油断したなぁ!!」
そう、天兵だ! あのミサイルを手裏剣で迎撃することでダメージを最小限にとどめ、もう一つの手裏剣を投げることで空中の奴との距離を潰した!
「さぁ! 終幕だ!」
そして天兵が手裏剣を振りかぶった瞬間、その動きが止まる。
「なっ⁈」
(なんだこれ!)
その刹那、天兵の脳には……夥しい程の数字が流れ込んでいた。
「ぐっ……」
天兵のその隙を奴は見逃さなかった。
「致命的な隙……」
そしてゼロ距離でキャノンを叩き込んだ!
「ぐぅぅぅぅぅう!!」
地面に叩きつけられた天兵の胸は焼け、口からは血が流れていた。
「天兵くん!」「平気?」
2人が駆け寄る。
「ゲホッ、アイツ……厄介ですが……」
天兵がゆっくりと起き上がる。
「ちゃんと隙、見つけました……」
そしてそう言い切る。
「我が能力、「半機械人」に……弱点などない!」
そして激昂した奴が大量の武器を出す!
そしてこの戦闘は凄惨な結末を迎える。
さて、いかがでしたでしょうか?
今回は「衝撃拳」と「半機械人」とのダブル戦闘です。
真田も天兵も含めた初めての戦闘ですので楽しんでいただけると嬉しいです。
それでは、感想や評価、ブックマーク登録などしていただけると嬉しいです。




