01-01 転生
まずは読んでくれてありがとう。
淡い水色の空に白い雲の絨毯。いったいここはどこなんだろうか。あたりを見回すが誰一人いない。空の上なら人がいる訳が無い、というか私がここにいるのもおかしい。
「気が付いたか? おぬしは死んだんだ。ここは来世の方針を決める場所じゃ」
声がする方を振り向くと神様っぽい老人が居た。先ほどまでは誰もいなかったはずだが。
「えーとまた人生を一から始めるんですか? 結構辛かったからもう人間とか嫌なんで天国とか行けたら天国に行きたいんですけど」
「天国はまだ無理じゃ。現世で功徳を積む必要がある、あと百回は積まないとな」
「百!? いやいやいや無理無理。またこんな人生を百回もするのは無理だよ。死んじゃうよ」
「もう死んどる。それに百回生死を繰り返すんだからどっちにしても死ぬ。まあ大きな事を成し遂げれば一気に数回の輪廻で済むのじゃ。例えばリスクのない癌治療を安価に実現して世界中に広げるとか。統一世界政府を平和的に設立させて軍隊や核兵器を無くしたりとか」
「無理でしょ。絶対できる気がしない。それくらいやっても天国には一回で行けないのか…。何とかなりませんか現世は地獄のようなものです」
「あることはあるが地球ではなく別の世界で良ければ、一発で天国に行ける可能性がある」
「本当ですか!? それはどんなところですか?」
神様は目に見えない何かを見て、それをスワイプしたり、フリックしたりしている。
「お勧は魔王討伐じゃな。魔法がある世界じゃ」
「魔法! 魔法が使えるんですか!? テンション上がるな~。でも魔王を討伐出来なかったら百回繰り返すんですよね人生を?」
「詳細は別の世界の神に尋ねるのじゃ。多分魔物も倒すから多少は早まるじゃろ」
「死んでもまた生き返られるんならありかも? 魔物を倒せば早く天国に行けるというなら今の世界を百回繰り返すより良いか」
「そうじゃな。今の世界は人間の人生を百回生き返るほどの未来を持っておらん。別の世界に行くのもお勧めじゃ」
「なにそれ、怖いんですけど」
急に空が宇宙に切り替わり、物凄い速度で周囲の景色が流れていった。まるでワームホールのようなものをくぐったと思ったら、また最初の雲の上に座っており淡い空が広がっている。
「いらっしゃい。魔王討伐にチャレンジしてくれるって聞いたけどそれでいいかな?」
声をする方向に目を向けると綺麗な女神様がいる。ギリシャ神話っぽい服を着ている。そして出るところが出ている、いいね。
「はい。ちなみに魔王を討伐するのはどれくらい大変なんですかね?」
「うーん。既に一万年戦っているけど倒せてないね。魔王も代替わりしているけど倒せてない」
「可能なんですか? 私一人が加わったところで変わります? それ」
「チートスキルを一つ持てるから、それ次第で行けるかも」
「チートスキル! 助かります。何をいただけるんですか?」
「魔王討伐チャレンジ特典として前世の記憶を維持ししたまま生まれ変われるし、他にも言語理解、アイテムボックス、ステータス確認が標準で付きます。それ以外に一個ユニークスキルが貰えるんだけど決まり事があって、ユニークだから今他の人が持っているスキルは付与できません。だから新しいスキルを考えてね」
「標準特典は非常にありがたいです。でも他の人が持っているスキルはダメなんですか? 例えば不死とかは?」
「だめね」
「死に戻り、残機回復、セーブ&ロード、ネットスーパー、アマソン、コンビニ、スーパー、八百屋、肉屋、武器屋、防具屋、鍛冶、錬金術、魔力増大、魔力無限、全属性魔法、全属性習得、剣聖、大剣聖、剣神、大魔導士、賢者、聖者、聖女、魔法想像、想像魔法…」
「だめよ」
「健康な体、丈夫な体、病気にならない、筋力増大、筋力増強、戦闘センス、戦術センス、戦略センス、魔石食い、魔物食い、種食い、草食い、雑食、ゲテモノ食い、魔法食い、魔法無効、物理攻撃無効、射撃武器無効、物理攻撃反射、魔法攻撃反射、魔法攻撃吸収…」
「だめ」
既に五千以上候補を上げているがどれも却下される。多分一日以上は考えていたと思う。
「いったい今いくつのユニークスキルが存在するんですか?」
「一億以上ね」
「多すぎ! なんでそんなにあるんだよ」
「並行世界含めてだから仕方ないわね。その中でユニークなんだから。悪いけど時間制限、ゴールデンゴール制度があるの。ゴールデンゴールの時間が終わるとユニークスキルが選べないまま転生するわ。ゴールデンゴール時間中はユニークスキルが見つかっても詳しい説明や合意が出来ないまま転生するわ。
ゴールデンゴール時間まではあと一日ね。ゴールデンゴールの終了時間も一日、だからあと二日あるわ。それまでに選んでね」
結構長い時間が与えられているが全然ユニークスキルが貰えない。時間だけが過ぎていきゴールデンゴール時間に入る。
「グーグレ、ネットサーフィン、スマホ、PC、Wiki、地球と行き来、他の星と行き来、ワープ、テレポート、ログインボーナス、クエスト、クエスト発行、クエスト受注、ゲーム知識、第三者視点、鷹の目、ログイン、ゲームにログイン」
「はい。受理されました、おめでとう」
お礼を言うよりも早く世界が暗転し、真っ暗な闇に包まれた。そして目を開けるとあたりがぼんやりと見える。そして自分が赤子として泣いていることが分かった。そして意識が再び途切れた。
何話か読んでくれるとありがたい。
異世界の女神が、ゴールデンゴール方式を知っている理由は、
その人に分かりやすい説明を自動で変換してくれるんだと思う。




