13
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さあ、これで私のおはなしはおしまい。
ふふふ、少し怖かったかしら。
あら、平気?
そうね、古城は不気味だったけど、きちんと捧げ物をすれば一晩無事に過ごせたもの。
そう、赤ワインに白ヤギの毛、それから一対の緑のヒスイ石。
友人たちと皆んなで一晩祈りを唱えて過ごしたのは、とてもいい思い出よ。
そうそう、夜が明けてからこっそり皆んなで赤ワインも飲んだのよ。
朝にワインだなんて、ちょっとお行儀が悪いでしょう。
ふふふ、とても楽しかったわ。
”祝福の古城”という噂が本当だったのか、それはわからないわねえ。
でも、私は幸せだった。
とても優しい旦那様に、かわいい子供たち。今はすっかり大きくなって立派な領主になったでしょう。
私はとっても幸せよ。
私にとって“祝福の古城”は、本当に幸せをもたらしてくれたわ。
あら、あなたも試してみたい?
そうねえ、でもね、“祝福の古城”はまた閉鎖されてしまったの。
何度か行方知れずの人が出て、ハーヴェイ家が手放したのよ。
あらまあ、ご友人の家がその古城を手に入れたですって?
そうなの。ああ、それで避暑で遊びに行くというのねえ。
そう。
行くのね。
じゃあ、これは忠告よ。
あなたが正しい花嫁でないのなら、決していくべきではないわ。
大丈夫?
そう。
それなら、北の領地へ着いたらメアリーというメイドを訊ねなさいね。
あなたと同じくらいの歳の子よ。
きっと力を貸してくれるわ。
どうしてこんなに親身になってくれるのかって?
そうね、なんだか話したくなっただけ。
老身の気まぐれだと思ってちょうだい。
さ、もうお行きなさい。
ご家族も心配するでしょう。
それじゃあ、元気でね、かわいいお嬢様。
あなたにも祝福が訪れることを祈っているわ。
おやすみなさい。よい夢を。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
おやすみなさい。




