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翌朝、僕はサモンドさんに起こされた。
「おはよう、朝だぞ」
朝というにはまだちょっと薄暗いが、貴族様に使えるものはこれくらい早く起きるのだろう。この屋敷の使用人たちが働いてる気配が部屋の外からする。僕は急いで起きると身支度を整えた。
外で物音がすると思い窓からのぞいてみるとレヴィン様親子とこの家に仕える従士らしき人達が庭で剣を振っていた。こんな朝早くから剣の稽古なんて貴族様というものは大変なんだなと思う。
「殿下を起こしに行くぞ」
サモンドさんはそう言って部屋を出ていく。僕もその後ろに遅れないように続いた。
「殿下、朝です。起きてください」
サモンドさんがそう言って殿下を起こすと、殿下はすぐに目を覚ました。
「おはよう」
殿下はそう言って起き上がる。そして、僕とサモンドさんで殿下の身支度を整えた。
「レヴィン様達は朝の剣の稽古をしております。朝食はもうしばし時間がかかると思います」
「そうですか。私も剣の稽古に参加しましょう」
「わかりました。そういたしましょう」
そういうわけで殿下たちも剣の稽古に参加することになった。ちなみに僕は、一度も剣を握ったことさえない。僕も殿下に使える身となった今、剣の稽古をしなくてはならないのだろうか?そう考えながら、殿下とともにレヴィン様たちが稽古をしている庭へと向かった。
「おはようございます、レヴィンさん。私も剣の稽古に参加させてください」
「これはおはようございます、殿下。どうぞ一緒に剣を振りましょう」
レヴィン様は剣を振りながらそう答えた。そして、殿下も参加しての剣の稽古が始まった。僕は剣を持っていないから見学である。
「バルディウス殿下の家臣として、アルベルトも最低限剣を扱えないといけないな。シルバスタッドへ着いたらアルベルト用の剣も用意しよう」
サモンドさんがそう言った。すると殿下もそれに同意した。やはり貴族様に使えるものとして最低限の護身はできなければならないらしい。
しばらくの間殿下たちが剣の稽古をしていると、この屋敷の使用人の一人が朝食の用意ができたことを知らせにやってきた。殿下たちは汗をぬぐい、食堂へと向かった。
昨日と同じようにレヴィン様一家と殿下が食卓につくと朝食が始まった。
「朝食をいただいたらシルバスタッドへ向かいます。レヴィンさんにはお世話になりました」
「またいつでもいらっしゃってください。歓迎いたします」
昨日の夕食と同じく和やかに朝食は終了し、僕たちはこの村を出発することになった。
「殿下、お気をつけて旅立ちください」
「本当にお世話になりました、レヴィンさんもお達者で」
見送りに来たレヴィン様に殿下が別れを告げて、僕たちはシルバスタッドへと向かい旅立った。
昨日の旅程と同じように休息をとりながら街道を進む。予定通り昼を過ぎて少ししたところでシルバスタッドへとたどり着いた。遠目で見てもはっきりわかるくらいの高さの石壁ずっと続いている。いつだったかオーゲンロレン商会のホアンさんに聞いた話は大げさなものではなかったのかと思っていると、サモンドさんが言った。
「大きな町だろう」
「ええ、うちの村とは比べ物にもなりませんね」
「それじゃあ、門に向かうぞ」
町の入り口である門はそれはもう立派なものであった。
「バルディウス殿下一行だ。ただいま帰ってきたところだ。入門の許可を願いたい」
サモンドさんがそう言って、門番がバルディウス殿下の顔を確認すると、すぐに入門の許可が出た。こうして僕は初めてシルバスタッドへと足を踏み入れたのだった。




