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パルクール・オブ・シティフィールド  作者: 桜崎あかり
ステージ5

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本当の意味での黒船(その2)

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 3月29日午後2時頃、秋葉原内にあるビルの一角が慌ただしくなっていた。

「見てください! 既に一部の暴徒化した記者がビルへの強行突入を行っている模様です。そして――」

 男性アナウンサーがカメラに写すように指示ていたのは、他局のアナウンサーがビルへの強行突入を行おうとしていた様子だった。

 その様子をモラルの崩壊したフーリガンや超有名アイドルファンの様に報道している。まるで、自分達は悪くない。悪いのは他局である――と。

 まるで、事件現場をスクープしようと危険エリアや撮影禁止エリアに侵入し、露骨な視聴率稼ぎをしようというマスコミその物が――テレビで放送された事により、マスコミの信用はガタ落ちとなった。


 この光景を様子見していたのはアキバガーディアンの一人である。その服装は柏原隼鷹かしはら・じゅんようと類似した着物に巻物型のARガジェット――。

「これが、マスコミの超有名アイドルを唯一神にする為の手段――無差別テロの様な手段ではないにしても、やり方が悪質すぎる」

 彼女は歯ぎしりをしているような表情で、この光景を見つめていた。手出しは禁止と言う事を柏原からも支持されているからだ。


 これから5分後、強行突入した記者は警察に強制的に逮捕、恨み節をつぶやきながら退場となった。

【これで、テレビ局の信用も崩れた】

【24時間とか長時間の番組で視聴者を拘束する時代も終わりを告げている】

【超有名アイドルの唯一神化、ゴリ押し戦術、更には――】

【超有名アイドルの芸能事務所こそ、コンテンツ流通にとって邪魔者であり、吐き気を催す邪悪その物だろう】

【何としても超有名アイドルコンテンツの海外輸出を阻止しなければ、海外のコンテンツ規制に関する法案も出されていると言うのに――】

【超有名アイドルが主導して、まとめサイトに超有名アイドル以外のコンテンツを炎上させ、排除しようと言う動きさえ存在する】

【何としても、国会には超有名アイドルファンを締め出す法案を成立してもらわないと――】

【今、日本に必要なのは質より量の超有名アイドルやまとめサイトの様なコンテンツではない。本当に必要なのは――】

 つぶやきサイトで拡散されたつぶやきが、まとめサイトで取り上げられ、逆に超有名アイドルの宣伝に利用される――。


 この光景が繰り返される状況は、アキバガーディアンも止めようと考えているのだが、決定打が存在しない。


 だからこそ、炎上勢力等の様な存在が現れ、彼らが超有名アイドルをゴリ押しし、日本経済は超有名アイドルが支えているというマッチポンプを生み出し、遂には――。

 

 後にスポーツ紙で、このような報道がされた事で芸能事務所側は謝罪に追い込まれ、超有名アイドルのプロデューサーも逮捕された。

さすがに、彼らを武力で制圧しようと言うような人物が現れなかったのが、不幸中の幸いだろうか?

「これほどの事が無限に繰り返されようとしている現実を見ても、まだ超有名アイドルを支援し、唯一神にしようと言う勢力がいる」

 このスポーツ新聞を見て超有名アイドルのやり方をグレーゾーンと吐き捨てる――それは誰にでもできるだろう。

しかし、単純に批判だけをするのであれば炎上勢力と同じであり、逆に超有名アイドルファンによって宣伝材料としてまとめサイト等に掲載されるのは目に見えている。

これらのファンに共通しているのは、CDの購入資金としてアフィリエイトサイトを管理しており、まとめ記事で得た利益で超有名アイドルのCD等を購入しているのだ。

このようなコンテンツの買い支えは行うべきではなく――逆にマッチポンプと疑われてもおかしくはない。


 だからこそ、アキバガーディアンは海外が超有名アイドルの行っている炎上マーケティング等を即時に中止しなければ、日本のコンテンツが終わりを迎える――それを知っていた。


 ある意味でも――第4の壁の先の世界でも通じることであり、事件等を炎上マーケティングに利用すべきではないという警告でもある。 


 スポーツ紙の報道で超有名アイドルに対する風当たりが悪化したのは言うまでもないが、それがやつ当たり的なコンテンツ炎上に繋がるという被害妄想を感じる人物も少なくなかった。

だからこそ、ARゲームが狙われたと言っても過言ではない。しかし、遊戯都市奏歌ゆうぎとし・そうかや一部エリアでは超有名アイドルと提携する事でさえも禁止しているエリアもある。

今そこにある現実、虚構世界から現実世界への警告、この危機を乗り越えなければコンテンツ産業に明日はない――よく言った物だ。

絶望的な状況下であるからこそ、人は可能性を探ろうとする。かつて、超有名アイドルコンテンツによる世界統一を掲げたプロデューサーがいた。

しかし、その結果はアカシックレコードに書かれていた強化人間を生み出す事で――。


 4月1日午前8時30分、アカシックレコードをタブレット端末で見ていたのは、花江はなえ提督である。

「結局、アカシックレコードの書き方は走り書きと言うべきか」

 花江提督は記述の書かれ方が、別のまとめサイト等の転載に近いのではないか、と考えていた。

しかし、そうしたソースは存在しない事が後に確認され、結局は杞憂に終わる。

「第4の壁を打ち破り、この世界に介入して何かを訴えようとしている人物がいるのか――」

 それこそメタ発言だと。作者の介入、ある事件に影響を受けて記述を改変しようとする勢力、あるいは超有名アイドルファンの怨念――考えられるケースは多数ある。

「どちらにしても、やる事は一つと言う事か――それとも」

 そして、花江提督はある計画を始動する。

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