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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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父への報告と状況確認

3/21 誤記修正

 狩りから戻ってきたグウェンは大型のイノシシ?(日本でも見たことない)なのか、を取ってきたようで久しぶりに肉がテーブルに並んだ。グウェンは狩りをする際に弓と魔法を行使(こうし)するらしく、ヴェルが以前に教えてくれた。次にヴェルに会った時にどんな魔法を使うのか聞いてみよう。


 「ねぇ、グウェン。リヒトの魔法はちょっと驚くものだったわよ」とシュエルがご機嫌に口にする。

 「どれくらいのレベルだった?狩りに使えるほどのものか?」とグウェンはシチューを食べながら話す。

 「そうね、すでに私の中級魔法程度の威力はあると思う。問題は、コントロールとそれが()()()()なこと」

 話半分でイノシシシチューをすすっていたグウェンが咳き込んでいる。あれ、シュエルの中級って今言ったか?


 「冗談ではないのだよな」グウェンの圧力が少し部屋に充満する。

 「私が魔法のことで冗談いうようだと思う?」シュエルが笑顔のまま圧力があがり、部屋の小物がカタカタと揺れる。


 一般的なダークエルフ家族はこうも家庭内で緊張感があるのかは不明だ。ただ、逃げたくなるのは事実で、この圧力に慣れることはない。それに俺の家だし逃げ場所なんてない。夜の獣は、大人のダークエルフでも連れ去ることが多々ある。


 「ねぇ、父さん、母さん。僕が悪いことをしてたらごめんなさい」と仲裁に入ると、部屋が明るくなった。最初に解放したのはシュエルだ。


 「ごめんなさいね、リヒト。ママったら魔法のことになるとすぐ熱くなって」

 「そうか・・・。逆にそれほどのレベルだと能力を隠し立てして村で生活するのは大変かもしれない」

 「今日の魔法練習は大丈夫よ、誰もみていない。私が保証するわ」きっぱりとシュエルが言い切る。

 「そうか、シュエルがそう言うなら誰も見て居ないのだろう。ただ、近隣の村のレベルであれば言い切れるが、これからはもっと気をつけないと隠しきれないぞ」

 「それは・・・分かったわ」シュエルはとたんに大きな瞳を伏し目にする。


 どうも俺の魔法威力が異常に大きいこと、あと、シュエルが練習中に感知系の魔法を使い周囲を警戒していたことがわかる。シュエルの魔法は近くにいたのにまったく気がつかなかった。魔法使いとして有能なのがよく分かった。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


 夕食後、就寝前に自室に戻りやっと一人になる。覚醒後に、やっと落ち着いた時間を取れた。昨夜は急に話せるようになった俺に寝る時間まで質問ぜめ(主にシュエルの)だった。


 まずは自分の状況を整理する。ダークエルフの子で6歳、言い伝えによる金髪はレアキャラのようだ。周りと比べると幾分余裕がある家庭で育っているのは間違いない。グウェンとシュエルからは一定以上の知性がうかがえるし、住居は石造りが基本で、(つた)が補強のために所々に巡っている。与えられている衣類も村の住民より幾分良いものに見える。個人的にはカーキ色のTシャツと半パンみたいな衣類は妙だが、他の住民も同じような色合いの衣類を着ている。


 今日の魔法練習で『ファイア』を使ったが、初級なのに威力は他の魔法使いの中級レベル(シュエルの判断だが)となると人前では魔法を使うことはできない。当然、狩りも一緒にいけなくなるだろう。実践経験を積めなくなる、のかな?


 と、そこまで考えふと息をつく。俺はどうしたいのだろう・・・?クラスで仲が良かった岩本と武井には会いたい気がする。他には上野くらいか、アイツならどこでもやっていけそうだ。


 そもそも、岩本奏(いわもとかなで)武井乙葉(たけいおとは)上野総一郎(うえのそういちろう)って名前で名乗っているのか謎だな。いや、スタート一緒ならまだ判断できるか。俺なんて鏑木健人(かぶらぎけんと)って誰もわからないだろう、しかもダークエルフだ。もう、ダークエルフ(笑)くらい付けないと現実に頭が追いつかん。


 木製の硬いベットに横になる。とりあえず火魔法は一般レベルより使えるのは確定だ。いろいろと選択肢があった方が良いし、最初に俺だけソロと聞いた時は「詰むの?ねぇ、詰むの??」と(なか)ばすがるように光魔法も取得した。ただ、今の生活を続けるだけならいらないような気もしないでもない・・・って判断が早いか。


 なんとなく強打した背中をさすると擦り傷があった。魔法を使って反動トルクで腰砕けとはなぁ。まだ背中がひりひりする。回復魔法ってゲームでよくあるヤツでいけるのかな。きっとこのままじゃ誰も教えてくれないだろう・・・。火魔法も『ファイア』だったな。


 背中に孫の手が・・・と思いつつ、『ヒール』と念じる。


 カッ!!!と少し光が出た後、背中の傷がなくなっているのが分かった。すげぇよ、魔法!!!


 「リヒトどうした!!?」と扉がいきおいよく開けられた。声でグウェンだと判断できたとの、ベットの横に認識できたのが同時だった。扉から3mはあるぞ。


 「ごめん、父さん。ちょっと火魔法の練習をしようと思ったんだけど」ともじもじしながら6歳っぽく話す。

 「そうか、急に魔力の揺らぎがあったし、光ったように見えたから」グウェンは本気で心配そうな顔をしている。

 「心配ばかりかけてごめんね、父さん」ベットに腰掛けているせいか、グウェンがいつもより大きく見える。

 「いや、父さんばかり緊張してすまない。そうだ、明日は剣をみせてくれ」とドヤ顔で言われて出ていった。


 魔法の練習もまだやりたいのに、次の日に剣の訓練って結構イケイケなんだよな、この夫婦。剣に関係するのって、体育の剣道で段持ちの上野にボコボコにされた以外に思い出はない。なのに選んだ技術が『片手剣技術』と『鍛冶技術』なのはロマン派だからだ。他にも毒技術とか暗器とか物騒なのあったけれど、俺は王道派だ。ワン○ースならゾロが好きだ。そこは片手剣だから鷹の爪じゃないのかって?馬鹿野郎!!ロマン派はゾロだ。あっ・・・三刀流の選択探す余裕すらなかったのか。


 上野が三刀流とってたらボコる。ボッコボコのボロ雑巾にしてやる!!やっぱりアイツらに会いに行こう。


 あぁ、最後まで読みたかったな、ワン○ース。


 魔法を使ったせいか、いろいろと緊張が解けたせいか、布団を頭まで被るとすぐ意識がなくなった。

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