大きなお外遊び
「はい、お疲れ様でした。では次は休憩もかねておやつの時間です」
アリアと勉強部屋に行ってから一時間弱。
延々と足し算ドリルをやらされた。
だがこんなのはただの足し算で簡単すぎて欠伸が出るほどだった。
足し算ドリルと言っても俺がそう呼んでいるだけで手書きの本みたいなものなのだけれど暇すぎて自分でも100マス計算を作ってしまっていた。
妹も何故か俺と同じような様できっともともとの頭が良いんだろうに簡単な足し算をやらされて暇なんだろなと思った。
勉強を教えてくれているのはメリカさんという人で落ち着いた印象の厳しそうな女の人だ。
この人が何者かはわからないがとにかくわんこそばのように解いては出て解いては出ての繰り返しのタイミングが上手かった。
おやつタイムと聞いてパァァと妹の顔が明るくなった。
俺が何故アリアのことを好きなのかはわからないがきっと記憶を取り戻す前から好きだったのと前世でもシスコンだったことに関係があるのであろう。
勉強部屋は中々広く、青と白のボーダーラインの入った壁紙が貼ってあった。
家具はあまり無く、机が2つと謎の小さい黒い箱以外は見当たらない。
天井に赤黒い染みがあるのが少し恐いがそれ以外に気をつけるところは無いだろう。
メリカさんが持って来たのは白玉のような丸いのにメープルシロップかけたみたいな食べ物。
小さくカットされた林檎もあって美味しそう。
すぐに食べ終えてメリカさんのほうを見つめた。
次は何をするの?という合図。
「…次は、運動です。外に行って遊びましょう」
アリアがえーっと言う顔をした。
どうやら運動は好きではないようだ。
だが俺は運動をしないといけないのでるんるん気分で行くことが出来る。
やはり現実逃避は必要だな。
俺の記憶では家の庭はかなり広かったと思うがそこに遊び場なんてあったか?
犬の散歩コースしかなかったはずだけど。
鼻歌交じりでアリアの手を掴みながら外へ向かう。
勉強部屋の横に階段がついていてそこから真っ直ぐに外の運動場らしき場所につくことが出来た。
でもやっぱり犬の散歩コースだな。
回りは塀で囲われてるし普通家の人はここに来ないから不気味で静かで少し恐い。
「メリカさん、ここですかー?」
「ここよ。貴方達二人にはここで少しだけ待っていてね」
メリカさんが悔しそうな顔をしていた。
下唇をかんで俯き加減で申し訳なさそうな顔をしていた。
どうしたのだろうか、後ろを振り返りながら前に進んでいた。
「メリカさんどうしたのかなぁ」
「きっとお腹が痛いんじゃあないかな?朝にいつも薬を飲んでいたよ」
「でもなんで待ってなくちゃいけないの?何かもってくるものがあるならさっき取る時間あったのに」
「忘れちゃったんじゃない?」
「あのメリカさんが?鬼みたいなあの人が忘れるわけ無いよ」
アリアが言うにはお腹が痛いらしい。
だが何か納得がいかない、何かを忘れている。それはこれからに凄く大事な気もする。
何を忘れているか思い出せない。
ただの杞憂かもしれないが気になる。何があるんだろう。
ドアが開いた。
「もしかしてメリカさんじゃない?私見てくる!」
「あっ、こら!アリア!」
俺の声も聞かないで走り出してしまった。
何か悪い予感がする、とても悪い―――――――
「アリアちゃんゲット~♪かーわいいね~?」
少しくぐもった声が聞こえた。
目を凝らしてよく見てみると黒尽くめのマスクをかぶった男3人組がアリアをまるで兎を持つみたいに捕まえていた。
アリアの長い綺麗な髪を掴んで。
「アッ、アリアに何を!」
つい、叫んでしまった。
「えー教えてほしい?…ほしいよね!別にしっても知らなくても同じだしせっかくだから教えてやるよ!俺達はね、君達姉妹を捕まえて他のお金持ちなおじさんとかにあげようとしてるの。さっきの女の人、えっとメリカだっけ?あそこの家は貧乏で病気がなんだかってお金が必要だった見たいで。俺達その協力してあげてるわけ!な、俺悪くないだろ?わかったらさっさと捕まりやがってね」
思い出した。
エリアは小さい頃に誘拐事件、というか誘拐されてそのときにお腹に大きな傷が出来たんだ。
それがトラウマでヒロインが誘拐されそうになったときとっさに庇って死ぬんだけどね。
でも、アリアは死んじゃうんじゃなかったけ?
短くてすいません




