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03 ファーリ協定




「カミーユ様。私のファーリに何をしているのですか」

「いちゃいちゃしていました」


 カミさまが言った途端、リグから恐ろしいほどの殺気が飛びます。

 これは……試験で模擬戦をした時並みの殺気です。


「……殺しますわよ」

「えっ、わりとマジな目してない?」

「マジですもの」

「……そんな嫉妬しないでほしいな?」


 カミさまは苦笑いを浮かべます。


「考えても見なさいな、リグレットお嬢さん。私はこれでもユッキーが生まれたときからずっとユッキーを見守ってきたわけだよ?」

「ええ、その話は把握しておりますわ」

「そして、こないだついに魔法適性の覚醒をして、ようやくユッキーと話をすることができるようになったわけですよ」

「それが何か?」

「10年だよ!? 10年間おあずけだよ!? 目の前にいるのに触れない話せない気付いてもらえない! お嬢さん、そんなの耐えられます? 今から10年間ユッキーに無視されるとか耐えられます!?」

「それは……自殺しますわね」


 そんなになのですか。

 自殺されては困るので、リグのことは一生かまってあげなければいけません。


「ね、耐えられないでしょ?」

「ええ……」

「だから、私にもスキンシップのおすそ分けぐらいしてくれてもいいんじゃないかな?」

「そうですわね……条件次第では」


 その後、リグとカミさまは真剣な話し合いを開始します。



 そして、私の意見など一つも入っていない『ファーリ協定』なるものが作られました。


その1:協定のメンバーは、ファーリへの自由なスキンシップが許される。

その2:協定メンバーの同席無しでのスキンシップは禁止。

その3:ファーリがスキンシップを認めた場合はその限りでない。

その4:ファーリが嫌がるならスキンシップはやめなければならない。

その5:ファーリからのスキンシップを断ってはならない。


 とりあえず私の意思は尊重されるようなので咎める必要は無さそうです。


「さて、というわけでユッキー。覚悟しな?」

「ええ、おとなしくわたくしたちのされるがままになるのですわ」


 さっそく、2人で私に迫り寄ってきます。


「あの、私が嫌といったらやめてくれるのですよね?」

「ええ。でもファーリはわたくしのお願いなら嫌がりませんわよね?」

「うっ」


 図星でした。



 結局リグとカミさまに詰め寄られ、2人にぎゅうぎゅう抱き締められたり、頭を撫でられたり、頬ずりされたりをずっと続けることになりました。

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