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20 クエラ、浮気がバレる




 お姉さまの様子がおかしいので、詳しい話をアンネちゃんに聞いてみることにします。


「あの、アンネちゃん。お姉さまは何か、変態っぽいことしたのですか?」

「そうだにゃ。初対面のアタシの首筋に噛み付いて、いきなり血を吸って来たんだにゃ」


 想像以上に大胆な変態行為でした。


「おっ、お姉さま! 私のことを叱っておきながら、自分はそれ以上のことをケモっ娘相手にやっていたのですか!」

「い、いやこれには事情が」

「言い訳など聞かないのです! 羨ましいのです! 私もアンネちゃんに噛み付いてみたいのですぅ~!!!」

「うにゃ? なんかそれはおかしくないかにゃ?」


 アンネちゃんが割り込んで来ますが、構わず私は欲望のままにお姉さまを責め立てます。


「しかもお姉さま、吸血は私かお気に入りのメイドからしかしないと決めていたではありませんか! どうして初対面のアンネちゃんの血を吸うのです!」

「いや……しばらくご無沙汰になるかもって思ったら、つい……それに美味しそうだったから」

「美味しそうな獣人にいきなり噛み付く吸血鬼がありますか! そこに直るがよいのです!」

「はい……」


 正座する私の前に、お姉さまも正座します。

 アンネちゃんとリグが呆れたように笑いながらこちらを見ていますが、構いません。

 今はお姉さまを断罪するときです。


「お姉さまは吸血できるなら誰でもよいのですか!?」

「いや、そういうわけじゃないよ」

「なのに初対面の女の子の血を吸ったのですか?」

「それは出来心で……」

「つまり許されざる行為じゃないですか!」

「おっしゃる通りで」

「私だけダメでお姉さまが許されるなんて道理はありませんよね?」

「そのとおりだね」

「つまり、私がアンネちゃんをわしわしするのも許されるというわけです」

「うにゃ?」


 話の流れがおかしくなったことを悟り、アンネちゃんが声を上げます。

 しかしもう手遅れです。


「ということで、お姉さまはこれから私がどれだけアンネちゃんをわしわしもふもふしても文句を言わないで下さい。私も、お姉さまが影でこっそりアンネちゃんから吸血しても文句を言いません」

「なるほど……合理的だね」

「つまり契約は成りました」

「よろしく、我が妹よ」

「こちらこそ、お姉さま」


 私とお姉さまは堅い握手を交わします。

 変態同士の利害が一致し、同盟が締結された瞬間です。


 一方で、アンネちゃんは顔が青ざめていました。


「へ、変態姉妹にこれから毎日襲われるのかにゃ……?」

「そうなるね、アン。これからもよろしく」

「こんなルームメイト嫌だにゃ! 誰か代わってほしいにゃ!」


 嫌がるアンネちゃんの肩を掴み、私が説得にかかります。


「まあまあアンネちゃん。そうは言っても、お姉さまに血を吸われるのは気持ちよかったのではないですか?」

「ふにゃ、それは、確かに……初めての時とか、気絶するぐらい凄かったんだにゃ……」


 お姉さま、どんだけ吸ったんですか。


「ね? 吸血されるのは悪いことばかりではないのです。私も、お姉さまに時おり吸血してもらっているのですよ?」

「そ、そうなのかにゃ?」

「そうなのです。これは普通のことなのです」

「そ、それなら、まあ……クエラちゃんが吸血するのは許してあげてもいいにゃ」


 まず第一段階は達成です。

 このまま、私のわしわしも受け入れてもらいましょう。

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