19 ファーリ、ケモナーだとバレる
そして現在。
私はお姉さまのお部屋に招き入れられ――正座してお説教を受けていました。
「あのねファーリ。いくら獣人が大好きだからって、突然初対面の人を相手に飛びかかってわしわしするのは良くないよ」
「その通りなのです……」
お姉さまからのガチ説教。反論の余地もなく、私は素直に聞き入れます。
というか、私も悪かったとは思っているのです。
ただ興奮のあまり身体が抑えきれなかっただけで……。
「まあまあ、クエラちゃん。アタシはもう気にしてないから、それぐらいで許してあげるにゃ。ほら、ファーリちゃん、だっけ? 元気だすにゃ」
「アンネちゃん……優しい……しゅき……」
「にゃあっ!?」
「ほらまたわしわししようとする!」
お姉さまに言われて、私はハッとします。
知らずのうちに、手を伸ばしてしまっていました……。
「……ファーリさんは、なんというか、毛深いお方が好きなのですか?」
「いえ、毛深いとかではないのです」
リグに勘違いされそうになったので、私はきっぱり否定します。
「ケモいか、ケモくないか。それが重要なのです」
「ケモ……とは何なのです?」
「要するに動物っぽい愛らしさ、可愛さ、ドキドキするような触ってみたくなるようなあのヤバい感じのことを言うのです」
「はぁ……いえ、分からないですわ。動物にわたくしそこまで興奮しませんし」
「動物とケモは違うのです!」
ダアンッ、と私は床を叩きました。
「動物は動物で良いのですが、ケモは……なんというか、こう……たまらん感じで、とてもよいものなのです」
「説明になっていませんわ」
「つまり考えるよりも感じろということなのです! ほら、アンネちゃんのおててを見て下さい!」
「うにゃ?」
私はアンネちゃんの手を取って掲げ、リグの方に向けます。
掌の部分だけ毛が生えておらず、私たちと同じような皮膚が覗いています。
そして、指でつっつくとぷにっとします。
人の掌とは大違いの感触。
「う、うにゃっ!? 何するにゃっ?」
そして反対に、手の甲の方を触ります。
ふさふさの柔らかな毛の感触と、私が触るのに合わせてぴくり、と反応を返してくれるアンネちゃん。
二重の興奮に襲われ、私の脳みそは沸騰しそうになります。
「ふぁ、ファーリちゃん……くすぐったいにゃぁ……」
「どうです。この手、しゃぶりつきたいとは思いませんか?」
「思いませんわよ!!」
どうやら、リグにはまだ早いようですね。
ケモの道は長くけわしいのです。
私もまた、ケモ道の途中の身に過ぎないのですから。
私は存分にアンネちゃんのおててを堪能してから開放します。
アンネちゃんが顔を真っ赤にしていますが、それはそれで良いのです。
「……はぁ、ごめんねアン。うちの妹が変態で」
お姉さまの言うとおりだと思うので、あえて否定はしません。
でも、変態でもケモっ娘のおててを堪能する権利ぐらいあるとおもうのです。
そしてあわよくば腕、足、太もも、お腹、おっぱい……。
ようするに全身をもふもふわしわししたいのです。
「アタシはもうそんなに気にしてないんだにゃ。最初は驚いちゃったけど……まあ、慣れたらくすぐったいだけなんだにゃ」
ああ、アンネちゃん天使。かわいい。ぺろぺろしたい……。
「というか、変態は妹だけじゃないんだニャ?」
ん?
聞き捨てならない言葉です。
お姉さまも変態?
「……なんのことかな?」
お姉さまは、焦ったように視線を逸らします。
これは……何かあるに違いありません。
ファーリちゃんはケモナーです。
僕もケモは好きです。
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