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異世界転生してもステータスはそのままでって言ったのですが!?  作者: 桜霧琥珀
一章 初めてのおともだち
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22 ファーリ、本気を出す




 私はリグレットさんと入れ替わり、赤い×マークのある位置に立ちます。


 ふと、リグレットさんの方を見ます。

 どうやら、先程の試験で全力を出したのでしょう。

 かなり疲れた様子で、壁に背を預けています。

 リグレットさんが、それだけ私との勝負に真剣であることの証です。


 ならば――私も。

 この場には他に人がいませんから、全力を出すことにしましょう。


 私は自分の意思でコントロールできる封印を、全て解除しました。

 そして、自分のステータスをスーパーサーチで確認します。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


ファーリ・フォン・ダズエル(Fali Fon Dazzuel)


ライフ:20582

パワー:33891

攻撃力:1375

防御力:893

魔法力:8724

敏捷性:1297


技能:剣術(B+) 弓術(B-) 槍術(B-) ストレージ(S)

魔法適性:火(A)、水(A)、土(A)、雷(A)

     風(A)、光(A)、闇(A)、命(A)、無(A)

魔法耐性:火(S)、水(S)、土(S)、雷(S)

     風(S)、光(S)、闇(S)、命(S)、無(S)


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 自分で自分の能力を見て、呆れてしまいます。

 魔法の才能がずば抜けているのは知っていましたが……それ以外も、かなりの数値です。

 リグレットさんでは相手にならないほどのステータスです。

 パパとの訓練がかなり過酷であったことは理解しているつもりですが……それにしても、10歳の女の子とは自分でも思えません。


『魔法適性の覚醒に引きずられて、潜在能力が引き出されちゃったからねぇ~。元々のユッキーのステータスの倍ぐらいまで伸びてるよ』


 カミさまの生意気な声が脳内に割り込んできます。

 お仕置き棒を使えないのが惜しいです。


 ともかく、これで私は本気を出す準備が整いました。

 私は準備オッケーだ、と試験官の方を向いて一度頷きます。


「それでは――始めッ!」


 試験官の合図と同時に――私は、膨大な数のブリッツを発動しました。

 数は、よく分かりません。多分30は越えています。


 その全てを同時に操りながら、私はさらにもう一つの能力を発動します。

 スーパーサーチです。

 的が壊れて、また出現するまでの時間はまちまちです。

 なので、スーパーサーチで『的がまた出現する予兆』を察知し、出現と同時にブリッツを当てていきます。

 これで、出現してから的を狙い、当てるまでのタイムロスを省くことが出来ます。


 開始してから十数秒で、私のスコアは100に届きました。リグレットさんの、倍以上のペースです。

 これと同時に――的の色が変わります。どうやら、スコアが100に届いた時点で耐性を持ち始めるようです。


 私はこれに呼応して、自分のブリッツの属性をコントロールします。8属性の魔法適性をフルに活かし、的確にブリッツを当てていきます。


 恐らく私の魔法力であれば、属性関係なく破壊できるでしょう。

 ですが、あえて私は全ての的に的確な属性のブリッツを当てることを選びました。

 その方が、試験の意図に合うだろうということを考えての選択です。


 それに――ちょっとだけ、リグレットさんには私のことを知ってほしい、と思っています。

 なので、あえて8属性の適性があることを見せているのです。



 そのまま、何の障害も無く1分が経過しました。


「――そこまでッ!」


 試験官の声と同時に、私は全てのブリッツを消します。


「……スコアは438だ。こんなの、聞いたこともないぞ。学園の魔法科の職員でもここまでは不可能だろうな……」

「あはは……」


 まあ、的の仕様上、私の8属性の魔法適性は有利すぎますしね。

 しかも、スーパーサーチというズルい能力も駆使しています。


 とはいえ、流石に疲れました。

 魔法力とパワー的には問題ありませんでしたが、スーパーサーチとブリッツのコントロールという二重苦で頭がくらくらします。


 私はふらふらしながらリグレットさんの方へ歩み寄ります。


「リグレットさん~、私、頑張ったのです~」


 すると、リグレットさんの様子がおかしいことに気づきます。

 リグレットさんは笑っていました。ですが……その、優しさが微塵も感じられない笑顔でして。

 むしろ、どちらかというと闘志がにじみ出ています。


「――そうですわね。これはきっと、神がお与えくださった試練というもの。才能に自惚れていたわたくしへの戒め。超えるべき宿敵、というわけですわね」


 何やら、よく分からないことを言いだします。


「ファーリ!」

「ひゃい!?」

「決闘ですわッ!」


 そして、リグレットさんは銃剣の切っ先を私に向け、高らかに宣言するのでした。

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