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未定  作者: ちゅう
31/50

恋バナ

「茜ちゃん、なんかいいことあった?」

「へ?なんで?」

「なんか、いつも以上にニコニコしてるっていうか…まぁ可愛いに越したことはないんだけど」

「か、可愛くなんてないよぉ」


薫くんは相変わらずだなぁ

キューピット…なんていったら言い過ぎだけど…

やっぱ、嬉しいよね

少し先を歩いている、真美の後ろ姿

その横には、しっかりと昨日の塩系男子

お似合いだな、ホント…


「薫くんは…今彼女いるの?」

「っ!?…急だね…もしかして、俺と」

「それはないなぁ」


遮りきっぱりと

決して嫌いじゃないけど、ないかなぁって


「うぅ…そんなきっぱりと…どう思うよ樹ぃ」

「…薫自身が1番わかってるだろ?」

「ぐ…さらにばっさりと切ってきたぁ」


あ、泣いた


「…今はフリーだよ、正確には昨日から」

「うそぉ!?」

「ホントホント…まぁ俺が悪いからいいんだけどさぁ」

「また浮気?」

「またってなんだよ!?」

「あれ、違うの?」

「ひどいなぁ、これでも浮気したことはないんだからな…まぁ目移りしちゃって、そこから喧嘩にっていうのはそっちゅうだけど…」

「ダメじゃん、それ…」


ホント、相変わらずなんだから


「そういう茜ちゃんは?」

「いないよぉ…なんか、友達の延長な感じでよくわかんないっていうのが正直なところで…」

「ふ〜ん…いてもおかしくないけどなぁ…樹もいそうでいないしなぁ?」

「っ!?」


急に話を樹くんに振る

それに大きく反応してしまう…心拍が早まるのが感じられる…

ふ、不意打ち過ぎる…


「…いそうに見えるのか?」

「見えるだろぉ…いや、冗談抜きで、男として、俺の次にカッコいいからな」

「…」

「…いや、そこ突っ込めよ」

「…薫はモテるから…恐縮だな」

「ってちゃうだろ!」


樹くんも相変わらず…

いない…そっか…いないんだね…確かにいてもおかしくないだろうけど…


…私…ほっとしてる?



「私と学食でよかったの?」

「うん、なんか、まだ友達の関係だし、色々噂されるのも好きじゃないって」


いつもは焼きそばパン求めてダッシュの真美とランチ

話題はもちろん


「今度、映画行こうって」

「いいねぇ、いっぱい楽しんできて」


昨日の困惑顔からは想像できないくらい、キラキラした目で話してくれる

羨ましいくらい

恋愛は女性を美しくするってホントなんだなぁ

だって、今の真美、同性から見ても可愛いもん


「茜は進展ないの?」

「な、ないよぉ」

「私にできることがあったら言ってね、是非とも協力するよん♡」

「ははっ…その協力が必要になる日は来るのかなぁ…」


乾いた笑いってこのことだよねぇ

自分でも明後日の方向に視線が行く

と、その視線の先には…っているはずもなかった

何を私は期待していたんだ、まったく

自分でも、恋愛に関してはよくわからないって言ってたのに…


女の子は恋バナが好き…私にも当てはまるのかな…



「ん…上手くなったな」

「へへっ、ありがと」


今日も樹くんの横にちょこんと

あれから自分でも淹れてみた

お母さんにはブーブー文句言われたけど

でも、珈琲の香りっていいよね


店内には今日も常連さんや女子高生のグループが

隠れた人気店ってこういうお店のこというのかなぁ


「ちょ、ちょっと待ってよ」

「いいからいいから」


少し大きな声がする

カウンター越しに顔をあげると、この間樹くんに声かけてた女の子と別の女の子が2人でやって来ていた

片方の女の子は…紗希って樹くん呼んでたっけ


「りぃたん待ってって!」

「待たないよぉ…樹くん…だっけ?」

「ん…ご用ですか?」


りぃたんって呼ばれた子が樹くんに声をかける

紗希さんは…なぜか顔真っ赤


「樹くん、今週末もここでバイト?」

「ん…日曜はなにも予定ないけど」

「やった!…紗希とデートしない?」

「っ!!??」×2


びっくり…は樹くんじゃなくて紗希さんと私がだった

これだから顔真っ赤だったのか

でも…なんで私まで?…べ、別に私は…


「…紗希と?」

「そ…不満?」

「り、りぃたん、あのね!」


樹くんは…驚きもあるんだろうけど、きょとんっていう表現の方がぴったりかな


「い、樹さん、真面目に受けなくていいですからね、りぃたんがふざけて、その…」

「…構わないが?」

「ふぇ?」

「んっ!?」

「…俺なんかでいいなら」

「………」


ボンっ…て今音した?

紗希さん…煙出てないか?

わ、私は…ふ、普通だよ、いたって普通だから、別に…い、いつも通り…


「樹くんありがとねぇ、じゃ、後で連絡するねぇ」


固まった紗希さんを連れて、りぃたんは戻っていった

…嵐のようだな


「…い、樹くん、やっぱモテてるんじゃない?」

「…」


わ、私はなにを…

動揺してるせいかな…


「…モノ好きだな」



この後の珈琲は、どれも苦味が強くなってしまった

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