幕開け
ざわざわ
教室中がざわつく
あえて遅くに学校に着いた
狙ってのことだけど
教室に入り、俺は自分の席には着かず、まっすぐ教壇の前に立った
クラス中の視線が集まる
上辺だけだったけど、これからは本音で話そう
そう思いながら、一人一人顔を見る
「今まで、本当に、すいませんでした」
見事な90度
丸刈りにすると、予想以上に寒いんだな
もう2度としないけど
「謝って済むようなことじゃないのはわかってる、でも、謝らずにはいられない、だから謝まる、本当に、すいませんでした」
もう1度頭を下げる
「…急にどうしたんだよ、薫」
声の主は、小学校からの付き合いの友人
唯一と言ってもいい
「今まで、俺がみんなにかけてきた迷惑の数々、キリがないだろうけど、それら全て、詫びて、これから返していこうと思う」
みんな呆気にとられている
「殴りたい人は殴ってくれ」
…何人か目を輝かせたな、まぁいっか
「これから、お願いします」
もう1度頭を下げ、俺は席に着いた
誰も、なにも言わない
「ホームルーム始めるぞぉ…みんなどうした?」
程なくして先生が来たが、異様なクラスの空気にいち早く気づき、こちらも呆気にとられている
「先生、いつも通りお願いします」
「お、おう、そうか…西之宮、さっぱりしたな」
「はい、寒いくらいです」
変な幕開けになったけど、まぁいいとしよう
殴ってくる人は結局いなかった
俺としては、殴ってくれた方がさっぱりしたんだけどな
西之宮薫
本音がモットーです




