図書館
昼休み
学食でいつものようにご飯を食べ、久しぶりの図書館へ
これでも、中学生のときは毎日のように本読んでたからねぇ
高校に入ってからは…段々と減ってったなぁ
…なんでだろ?
「う〜ん…あ、あった」
目に止まったのは、珈琲の本
豆の種類だったり、挽き方だったり、淹れ方だったり…
今まで手に取ったことのない本だけに、全てが新鮮だった
「缶コーヒーも飲まないしなぁ…あんな甘いの飲むくらいなら…」
「…飲むくらいなら?」
「へっ!?」
本に夢中になって独り言を言っていた私のすぐ横で、突然声をかけられる
「い、樹くん!!…いつから?」
驚いて少し後ずさった私の目の前には、別の珈琲の本を持っている樹くんが
「…2、3分かな…真剣だったから声かけなかったんだけど…驚かせて悪いな」
「ううん」
そりゃ、びっくりしたけど…
そんなに見入ってたのかな…
「珈琲…やってみるのか?」
「う、うん…ちょっと、興味湧いてきて…今まであまり飲んだことなかったんだけど…美味しいんだなぁって」
「…マスターに言えばやらせてくれるからさ」
「ホント!?」
「ん…必要な器具とか揃えると大変だろ?…多分…いつでも大丈夫だから」
「…じゃあ、この本で予習してからお願いしよっかな」
「ん…伝えとく」
最近、楽しみが増えてくなぁ
「あ・か・ね♡」
放課後
急に背中をゾクゾク走るものがあった
「…真美さんですか?なんですか?」
「んもぉ、身構えなくてもいいでしょ?」
「大体考えてることがわかるからねぇ…で、今日は?」
「ぐふふぅ」
思いっきりにやぁという表現がぴったりな顔をする
うっ…聞きたくない
「天笠くんとは順調みたいねぇ?」
「はぁ?」
「だってぇ…最近一緒のとこよく見るよぉ」
まったく…真美さんはストーカーですか?
「別に、友達と一緒にいたって変じゃないでしょ?」
「それは女友達だけの話でしょ?男の子と、それも"特定の"男の子と一緒にいるのは…ねぇ♡」
「ねぇ♡…って言われてもなぁ…前にも言ったかもだけど、なんでもないよぉ?」
「またまたぁ、照れなくてもいいよぉ?」
思いっきり肘で小突いてくる
このこのぉって奴?
漫画の世界だけだと思ってた
「でも、相変わらずわかんないんだよねぇ」
「なにが?」
真美が唇を尖らせうぅ〜んという顔をする
この真美の表情結構好きなんだな♫
「天笠くんのことだよ…うちの高校に天笠くんと同中の子が少ないっていうのもあるんだけど…どういう人なのかなぁって」
「なにそれ?娘の彼氏を心配する親じゃないんだから」
「茜は私にとって可愛い子供だよん♡」
「はいはい…」
抱きついてくる親友が、煩わしくも愛しくも思える
「そうそう、天笠くんのことで気になることがあるんだよね」
「えっ!?…」
思わず、心臓が大きく反応してしまう
私だってわかったんだもん、ゴシップネタ大好きの真美なら…
「天笠くんと同中の子も、天笠くんのことはあまり知らないみたいなんだよね…やっぱ…今みたいにずっと暗い感じかなって…茜、そういう子とは合わないんじゃない?」
「ははっ…まぁ…どうなのかな…」
樹くんと同中の子の気遣いに感謝です
はぁ…ドキドキした
「真美こそ…最近どうなの?」
「私ぃ!?…私はまだまだフリーでいいんだもん」
「またまたぁ」
「私は茜みたいに可愛いくないもぉん」
あ…拗ねた
はぁ…今日は駅前のドーナッツ屋さんに寄って帰るかな




