キャリーバック
今日は自分の家に帰んなきゃ
お母さんも、もう怒ってないよね…
「あ・か・ね♡」
「っ!」
ぞくぞくとする悪寒とともに真美の声
…なんか嫌な予感
「…なに?」
「そんな怖い目で見ないでよ」
「だって、絶対いいことじゃないって、直感がそう言ってるもん」
「あら察しがいい」
やっぱりかい…
「やっぱ付き合ってるんでしょ?」
「…あのねぇ」
「じゃなかったら、お昼ごはん一緒に食べる?」
「っ!?」
み、見られてたのかぁ!
ふ、不覚…
「なんか凄い雰囲気よかったよ?」
「どこがぁ?私が一方的に話してただけだよ…」
「じゃあまだ片想いなんだ」
「まぁみぃ!」
私の怒りにそそくさと逃げる真美
まったく…
さて…かぁえろっと…
「あ…」
キャリーバックがまだ…
「はぁ、ふぅ〜」
「ん?」
よかった、まだ帰ってなかった
「えっと…いい?」
「ん」
またクラスの視線を浴びつつ後にする
やっぱ…樹くんが女子と話すのって珍しいんだな…
「えっと…今日は荷物だけ取り行きたいの」
「ん…帰るのか」
「うん…さすがに、ね」
樹くんの後を追う
昨日は喫茶店経由だったけど、今日は直接マンションへ
それにしても…おっきな建物だなぁ
「樹くんって、あんまり女の子と話さない?」
「ん…まぁ、薫くらいか…話しかけづらいのは自覚してるし…」
「直そうとは?」
「…思わない…な…」
「ふ〜ん…もしかして、私って迷惑?」
「ん?」
「最近…よく話すでしょ?」
「………」
考える樹くん
なんて言おうか迷ってる感じに見える
「やっぱり…」
「いや」
「えっ?」
「…久しいから、楽しい…かな」
私の見間違いかもしれない
ちょうど夕焼けがそうさせただけかもしれない
でも、私には…
この時の樹くんは照れてるように見えた




