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セカイカクメイ   作者: 佐々木繰磨
一章
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一章・三話

顔を上げると、場違いな服装をしたツインテールの少女が電柱の天辺に座っていた。

「まぁ名前なんて元々ないんだけどね。てか論点はそこじゃないっつーの」

「お前は何だ…?」

すると其奴は俺の前にひらりと降りてきた。本能で解る。こいつは人でも妖でもない。

未知の存在は恐怖としかなり得ない。恐怖は本能によって敵意へと変換され、目の前の奴を敵と認識する。

「そんな怖がらなくてもいいのになー。君に危害を加える気は無いし、私がこれからするのは君を救う事だよ」

「お前は何だと聞いているんだ。隠す様なら怪しさと疑いを増幅させるだけだぞ」

「あー悪い悪い。私はね、人が憧れ、縋り、祈る対象であり、君達に最も近い存在さ。…君なら知っているはずなんだけどな」

「なっ……!!?」


----------神


俺はすぐ分かった。こいつの正体を俺は知っていた。俺がまだ今より幼かった時、妖殺しの老人に教わった。妖は神の“犬”なのだと。

「俺をどう利用するつもりだ。半妖の俺に託すより有効な手があるんじゃないのか」

「へぇ…。なんだ、色々知ってんじゃん。でもハズレ。君を利用する気は全くないね」

「なら何だ」

「さっきも言ったじゃーん、“君を救う”って。君、“夢”が見られないんでしょ?」

「お前…なぜそれを…?」

「私は神様だよ?それぐらい分からなくてやってられないっつの。分かったとなれば、その願い、叶えないわけにはいかないでしょ?だって、神様だもん」

こいつが言っていることは本当らしいが、本心から言っているとは思えない。

信用なんて、できるわけが無い。

「だから、夢をみせてあげるよ。繰磨くん」

得意気に笑いかけて、俺を試す様に手を伸ばして奴は言う。

「期待はしねぇよ」

何かが起きそうで、少しわくわくしたのも本心だった。


「ええっ、あんた学校行ってんの?」

「なんか文句あるかよ」

あのあとこいつを家に連れて帰り、ひとまず眠りについた。

朝起きた途端に質問攻めにされ、めんどくさいので早々に学校へ行ってしまおうと思ったのだ。

「大丈夫なの?バレないの?」

「別の妖がいない限り大丈夫じゃねぇの。って!…お前ついてくんのか!?」

「え?当たり前じゃん。あんたに取り憑いてんだもん。夢を見せるのはそれぐらい大変なんですぅー」

「ちっ…来るならバレないように来い」

「もち!姿は妖にしか見えないようにするから!」


そんなこんなで学校へと向かう。周りに人はいないし、俺からも質問することにした。

「夢を見れたら俺は何から救われるんだよ。昨日の夜は面白半分で話に乗ってやったけど、まさか取り憑くとは思わなかったし」

「えぇー、そんなの私も分からないよ。とりあえず今よりはマシな暮らしになるんじゃない?つべこべ言わずに夢見せられとけって!」

納得も合点もクソもあったもんじゃない。こんな人間臭いやつが神様であること自体が胡散臭い。溜息をついて、そういえば生徒会に勧誘されていたのだと思い出した。

「お前、俺が生徒会に入っても問題ないと思うか?」

「へ?さぁ?別になんともないんじゃないの?」

「そうか。なら入るか」

「ええっ!?いいの?まぁ確かに面白そうだけどねー」

「お前そろそろ黙れ。此処は校門だ。生徒が近くにいるはずだぞ」

いくら早いとはいえ、誰もいない事は否めない。


だが俺は、この時の選択が〝全て〟を変えてしまうことにだけに、気付けないでいたのだ。






つづく

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