強欲な妹
※以前短編として公開していたシリーズを、そのままの形で掲載しています。
あの卒業パーティーから数週間。
学園には新学期の静けさと共に平穏が戻ってきた……はずだった。
学園の中庭。咲き誇るバラの生垣の向こうで、何やら”演劇”が始まっていた。
私は読んでいた小説のページが風にめくられるのも気にせず、その様子を眺める。
「……リリア、どうして……?また私から奪っていくつもりなの?私の居場所も、ギルの愛情も……」
今にも倒れそうなほど弱々しく体を震わせ、縋るような瞳で妹を見つめている、セレナ・ローゼンタール伯爵令嬢。その瞳には、今にもこぼれ落ちそうな涙が美しく溜まっていた。
対する妹のリリア・ローゼンタール伯爵令嬢は、感情の消えた瞳で姉を見つめ、静かに、けれどはっきりと告げた。
「お姉様。私は一度もお姉様のものを欲しいと言ったことはありません」
「あなたは『欲しい』なんて言わなくても、周りが与えてくれるもの……」
「押し付けてくるのはお姉様でしょう?お下がりばかりの私に、何を奪えとおっしゃるのですか」
セレナは消え入るような声で続ける。
「あなたはそうやって、いつも私が悪いかのように言うのね……」
その様子を見ていたセレナの婚約者のギルバート・ノーウッド子爵令息は、苦々しげに顔を歪めた。
「セレナ、いい加減にしてくれ。僕たちには何もないって何度言ったらわかるんだ。リリア、行こう。……もう、付き合いきれない」
「ギル……! 待って、置いていかないで……っ!」
崩れ落ちるセレナを置き去りに、二人は去っていく。
それを見送っていた野次馬の学園生たちの間で、同情混じりの囁きが広がった。
「ひどいわ……。ギルバート様は婿入りする身分なのに、あんなにセレナ様を蔑ろにして」
「噂だと、セレナ様を追い出してあの二人がローゼンタール家を継ぐつもりらしいわよ」
「でも、リリア様っていつも留学生のハンス様と一緒にいない? 二人を手玉に取って弄んでいるのかしら……恐ろしいわ」
「可哀想なセレナ様……」
取り残され、肩を震わせて泣きじゃくる「可哀想な姉」。守られながら去っていく「強欲な妹」と、愛を裏切った「薄情な婚約者」。
(……典型的な搾取される姉に、可愛がられる欲しがり妹。そして心変わりした冷たい婚約者。これはもしや“可哀想な姉が救われる物語”かしら?)
私は膝の上で本を閉じ、微かに口角を上げた。
もしそうなら、この先に現れるのは、傷ついた彼女を救い出すもっと高貴で素敵な王子様のはずよね。
……とっても、楽しみだわ。
それから数日間、同じような演目が学園の至る所で上演された。
だが、一向に王子様が現れない。
弱々しく縋るセレナと、それを冷たく突き放すギルバートたち。今日もセレナは二人に置き去りにされ、芝生の上で泣き崩れていた。
それを取り囲んで慰める、お節介……もとい、慈悲深い学園生たち。
(一体いつになったら話が進むのかしら。同じ内容ばかりで飽きてきたわ)
よく考えたら、この学園の高位貴族の令息にはすでに婚約者がいることが多い。王子様が颯爽と現れて助けてくれるなんて虫のいい話なのかもしれないわね。
そんなことを思い、ため息混じりにページをめくろうとした、その時だった。
「これはなんの騒ぎだ?」
落ち着いた、穏やかながらも場を支配する圧倒的な声。
そこには、凛とした佇まいのユーリ・フランソワ公爵令息が立っていた。
私は、本で隠した口元に小さな笑みを浮かべる。
そうだわ、ユーリ様がいたじゃない。
彼はあの卒業パーティーで王女殿下と婚約を解消したばかり。身分は最高だし、それにあの美貌。おまけに『ユーリ様は庇護欲を掻き立てられる令嬢が好みだ』という噂を聞いたことがあるわ……完璧じゃない!まさに王子様役にうってつけ。
期待に胸を躍らせる私の前で、色めき立った学園生たちがユーリに群がっていく。
セレナがいかに可哀想か。悪女リリアとセレナの婚約者ギルバートがどれほど無体な仕打ちをしているか。代わる代わる、熱を込めてユーリに訴え始める。
(わかる、わかるわ。みんなこの”停滞した物語”に終止符を打つハッピーエンドが見たいのよね)
私は深く頷く。さあ、舞台は整ったわ。
「ほら! セレナ様もユーリ様に何か言って差し上げて」
周りの学園生に背中を押され、セレナが顔を上げる。
「……え? でも……」
潤んだ瞳、震える肩。その可憐で痛々しい様子は、まさに物語から抜け出してきたヒロインそのものだ。あんなに儚げに遠慮されたら、周りが「放っておけない!」と熱を帯びるのも無理はない。
彼女を支える学園生たちの顔には、正義感ゆえの憤りと同情が色濃く浮かんでいる。
……なんて美しい光景なのかしら。
強欲な妹に全てを奪われ絶望に沈む伯爵令嬢と、そこに現れた最強の公爵令息。これ以上ないほど完璧なお膳立てだわ。
周囲の熱烈な励ましに背を押され、セレナはようやく意を決したようにユーリを見上げた。零れ落ちそうな涙を堪えながら、震える声でその胸中を語り出す。
「……ユーリ様。私、もう限界なのです。妹に居場所を奪われ、婚約者にも裏切られ……」
「……」
「だから、助けてほしいのです」
「その……“助けてほしい”というのは、具体的にどういう意味で?」
「ですから……私を、この地獄から救い出してほしいのです」
「……生活の支援とか?それとも、実家との交渉?」
「いいえ。私を、あなたの婚約者にして欲しいのです」
「…………?」
「公爵令息であるあなたの庇護下に入れば、私はもう、妹に怯えなくて済みます」
「君を、救う……? 結婚することで?」
「“可哀想な令嬢を救う”のは、あなた方の役目でしょう?皆がそう言っていますわ」
ユーリは困惑しきった顔で話す。
「君は今、妹への具体的な対処もしていない。今後どう生きるかの展望も示していない。ただ“つらい”と訴えているだけだ」
「……」
「それで、どうして結婚の話になる?」
「……だって、私は被害者ですもの」
「君が被害者であることと、僕が君の人生の責任を負うことに、どんな因果関係があるのかわからないな」
想定外の言葉に、セレナは言葉を失った。反論しようと開いた唇が、情けなく震える。
「失礼を承知で言わせてもらうけれど、学園の成績も芳しくなく、特筆すべき人脈も後ろ盾もない。その上、身内のトラブルすら自力で解決できず、ただ涙を流して他人の温情に縋る。そんな君と結婚して公爵家に何のメリットが……?」
ユーリは難問を目の前にしたような顔をして、本気で悩んでいる。
確かに、見ているこっちは”可哀想な令嬢を王子様が助けてくれる”っていうお決まりの感動物語を期待していた。
だが、彼からすれば”何の利益もない条件の悪い婚約話”をされているのだ。それは「公爵家に何の得が?」となるだろう。
「君の話が本当なら、気の毒だとは思う。だが、同情と婚姻は別物だ。家をまとめる覚悟もなく、涙で周囲を動かそうとする者を僕は公爵夫人にはできない」
「……っ、ひどい!」
セレナは裏切られたような顔で絶句し、周囲に助けを求めるように視線を泳がせた。
だが、先程まで「可哀想に」と囁き自分を慰めてくれていたはずの学園生たちは、ユーリのあまりに真っ当な正論を前に、困惑したように黙り込んでいる。
味方をしてくれるはずの観客が動かない。筋書き通りに進まない。完璧だったはずの舞台装置が、ガラガラと音を立てて崩れていく。
「……おかしいわ、こんなの……」
セレナは首を振って、現実を拒絶するように叫んだ。
「なんでよ……!公爵令息なら可哀想な私を愛するはずでしょ!?」
「君の中で、公爵令息の定義はどうなっているんだ……?」
ユーリは本当に具合が悪そうに、こめかみを指で押さえた。
(……流石に見ていて可哀想になってきたわ。もちろん、物語のヒロイン(仮)じゃなくて、ユーリ様の方がね)
私が同情していた、その時。
「そこまでだよ。セレナ」
人混みを割って現れたのは、彼女の婚約者、ギルバートだった。
セレナは彼を見るなり先程までの弱々しさを投げ捨て、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「あら、愛しのリリアと一緒ではないの? あんなに仲睦まじい様子だったから、てっきり今日もあの子に付きっきりなのかと思っていたけれど」
「……リリアなら、ハンスと一緒だ」
婚約者のそっけない返事に、セレナは「ふふっ」と可笑しそうに笑い声を上げた。
「あらまぁ。ということは、あの子に振られたの? 可哀想に……でも、だからって今更私に縋り付かないでね。私はもう、ユーリ様を選んだのよ」
セレナのあまりにも鮮やかな”現実逃避”を前に、中庭には奇妙な沈黙が流れた。
さっき全力で振られてたが、彼女の中では無かったことになったらしい。
その強靭なメンタルは、ある意味尊敬に値する。先ほどまで同情的だった野次馬たちも、どう反応していいか分からず静まり返っている。
「そんなことをするつもりはない。……今日は君との婚約を終わらせにきたんだ。それから、君の吐いた嘘を全て清算するためにもね」
その氷のような声に、セレナの笑みがぴたりと止まる。
ギルバートは、感情の読み取れない無機質な眼差しで彼女を見据えた。
「君は妹にすべてを奪われたと言うけれど、おかしな話だ。この間の卒業パーティー、君は最新の流行を取り入れた高価なドレスを着ていたし、身なりも綺麗だよね。対してリリアは、見目は美しく整えられているが、手は荒れ、髪は傷んでいた。……そして、いつも君の古いお下がりを着ている」
「な、何を……っ」
「果たして、本当に虐げられていたのは誰だろうね」
ギルバートの足が、彼女を追い詰めるように一歩踏み出された。
「君は幼い頃から言っていたよね。『私はヒロインで、いつか白馬の王子様が迎えに来る』と。……それが何なのかは知らないが、君はその『役』を手に入れるために、罪もないリリアを虐げ、強欲な加害者に仕立て上げた。そうだろう?」
つまり、セレナはヒロインになりたいがために妹を「悪役」にして、自分が虐げられたように見せてたということ?
”虐げられたヒロインを救う王子様が現れる物語”だと思っていたら、現れたのは”ヒロインを演じるために現実を歪めた女”だったなんて。
(……最高に面白いじゃない)
私がそのあまりに歪んだ”役作り”に感銘すら覚えていると、ギルバートは深いため息をつき、憐れみすらこもった目でセレナを見下ろした。
「……そして、君は今日、そのシナリオの仕上げにユーリ様を選んだ。絶好のターゲットだと思ったんだろう?」
「……え?」
「君のことだ。婚約を解消したばかりのユーリ様をすぐに狙いに行くと思ったよ。だから、君の耳に入るように『偽の噂』を流しておいたんだ。――『ユーリ・フランソワ公爵令息は、庇護欲を掻き立てられる令嬢が好みだ』ってね」
「な……っ!?」
セレナは、まるで呼吸をすることさえ忘れたように目を見開いた。
「……なるほど。あの不愉快極まりない噂の出どころは、君だったか」
ユーリは得心がいったように、ため息を吐いた。
「申し訳ございません。処分は何なりと。……ですが、彼女に現実を教えるには、これ以上の舞台はないと思いまして」
ギルバートは、静かな眼差しをセレナへと向けた。
「君の”悲劇”に付き合うのはもう終わりだ。これ以上、君に割く時間はない。僕も、君の家族もね」
ギルバートは淡々と、けれど残酷な事実を告げ始めた。
セレナの幼い頃からの妄言と、度を越した浪費癖。
リリアや家族を使用人のように扱い虐げ、窘めようとすれば暴力すら振るう。誰にも制御できないその気性に、両親は心身ともに疲れ果てていた。
「伯爵家は、君という『毒』を浄化できず、ついに爵位を返上することを決めたよ。君の浪費はもはや領地の資産を底突きさせ、じきに王家の調査が入る。……もう隠しきれないんだ。伯爵夫妻は、君を抱えたままではこれ以上貴族の責務を果たせない、この家は貴族であり続ける資格を失ったと判断したんだ」
だが、セレナは信じられないことに、ここで「……ふっ」と笑い声を上げたのだ。
「別にあんな親がいなくなったところで、私にはユーリ様がいるから問題ないわ。……あっ、あなたは婿入り先が無くなって大変よね? 可哀想に。リリアも平民になるなんて可哀想。でも、あの子には最高に似合っているわ!」
言葉とは裏腹に、優越感に歪んだ笑みを浮かべるセレナ。
「心配ご無用。リリアはハンスと結婚することになった」
「あんな冴えないメガネの留学生と!? あはは、お似合いだわ! せいぜい貧乏暮らしでも楽しめばいいのよ!」
狂ったように喜ぶセレナの姿に、ユーリがこれ以上ないほど冷ややかな声を被せた。
「……君は、隣国の反感を買うつもりか? そのような不敬を働く者と関われば、僕の品位まで疑われかねない。悪いが、二度と僕に声をかけないでくれ。非常に迷惑だ」
ユーリはセレナから視線を切り離すと、そのまま背を向けて去っていく。
「え……?なんで?待って、ユーリ様!」
「君は本当に愚かだね。自分のことばかりで周りのことが何も見えていない」
ギルバートは呆れたように首を振った。
「君は彼を『下位貴族の冴えないメガネ』だと馬鹿にしていたけれど、少しでも彼を見ていれば、その振る舞いから隠しきれない育ちの良さに気づけたはずだ。現にまともな感性を持つ生徒たちは『名乗れない事情のある身分の高い方』だと察して、彼に相応の敬意を払って接していたよ」
そして、救いようのないものを見つめるような目で、淡々と言葉を継いだ。
「隣国からの留学生。隠しきれない高貴な振る舞い。そして何より『ハンス』という名を聞いて、何かを連想しないか?」
突きつけられた問いに、セレナの顔からさぁっと血の気が引いていく。
「ハンス……嘘でしょ? まさか、ハインリヒ殿下のことなの……?」
それは、彼女が喉から手が出るほど欲していた”本物の王子様”の名そのものだった。
セレナの言葉に、周囲の生徒たちからも微かなざわめきが漏れた。
「……ハ、ハインリヒ殿下!? 隣国の王太子の……?」
「どこかの大貴族のご子息かと思っていたけど、まさか、あの方が……」
(……流石に驚いたわね。ただの下位貴族には見えなかったし、彼がかなりの身分であることは察していたけれど。まさか、お忍びで留学中の王太子殿下だったなんて。よくある高位貴族の隠された庶子かと思っていたわ)
「じゃあ、最初からリリアは殿下を狙っていたっていうの!? 卑怯だわ、ズルすぎる……っ!」
地団駄を踏み、セレナはなりふり構わず叫ぶ。その浅ましさに、ギルバートはついに乾いた笑いを漏らした。
「どこまでも君は、そういう風にしか物事を捉えられないんだね。リリアは、彼が王子だなんて知らなかった。彼女が恋に落ちたのは、学園の片隅で静かに本を読んでいた穏やかで優しい一人の留学生だったんだから」
「そんなの嘘よ。信じられるわけがない!……それに、お父様たちは爵位を返すんでしょう!? リリアが平民になるなら、隣国の王族と結婚なんて、できるはずがないわ!」
「殿下はリリアを隣国の公爵家の養女として迎えるよう手配済みだ。リリアの幸福はもう約束されているんだから、君が彼女の身を案じる必要はないんだよ」
セレナの顔から、今度こそ完全に生気が消え失せた。ギルバートは、そんな彼女から一歩、距離を置く。
「僕はね、君とリリアを守りたかったんだ。君が周りを虐げることで、自分自身の価値まで貶めていくのを見ていられなかった。だから僕は君の隣に居続け、君の放つ悪意をすべて引き受ける盾となって、リリアを君から遠ざけていたんだ。……そしてようやく見つけたんだよ。君の手が届かない場所でリリアを一生守り抜いてくれる、本物の騎士をね」
彼の硬く結ばれていた口元が、わずかに緩んだ。リリアを託すことができた今、その表情には静かな充足感だけが宿っていた。
「僕がハンスにリリアを託した時、初めて彼は正体を明かしてくれたんだ。『リリアを一生守る』という誓いと共に。……彼もまた、君とは違って肩書きではなくリリアという一人の女性を心から愛してくれたんだ」
震えるセレナを、ギルバートは最後に見据えた。その瞳には、燃え尽きた灰のような静かな悲しみが宿っていた。
「……君は気づいていなかっただろうけれど、君が虚言を吐き、罪のない人間を貶める歪んだ心を持っていると分かった上で、それでも……僕は君を愛していたんだ」
ギルバートは一度言葉を切り、悲しげに目を伏せた。
「君の独りよがりな夢が覚めなくても、ずっと『王子様が迎えに来る』って信じていても。僕の命が尽きるまで君を支えて守り抜くこと、それが僕の使命だと……そう心に誓っていたんだよ」
「ギル……」
「でも、もう終わりだ。僕の献身は、君にとっては『白馬の王子様』を待つ間の繋ぎでしかなかった。……君にこれ以上僕の人生を費やすことはもうできない」
ギルバートの肩から、ふっと力が抜けた。その仕草は、長年尽くし続けてきた愛という名の重荷をすべて下ろしてしまったかのようだった。
「……さようなら、セレナ」
彼は一礼もせず、今度こそ未練を断ち切った足取りで、彼女に背を向け去っていく。
後に残されたのは、自分が主役だと思っていた舞台がいつの間にか自分を処刑するための断頭台に変わっていたことに気づき、呆然と立ち尽くすセレナだけだった。
(……ああ。なんて残酷なエンディングかしら)
あんなに”ヒロイン”になりたがっていたのに。自分がずっと待ち望んでいたヒーローは、一番近くにいた婚約者だった。
しかも本物のお姫様への階段を上っていたのは、自分が虐げた妹だったなんて……これ以上の皮肉があるかしら。
結局、彼女は自分で書いた脚本に縛られて、自分を本当に愛していた唯一の王子様をその手で追い払ってしまったのね。
自ら招いた絶望の淵で、もはや誰の同情も得られず立ち尽くすセレナ。
望み通り、誰にも顧みられない「可哀想な人」になれたのだから、ある意味、彼女の願いは叶ったのかもしれない。
私は今頃どこかで手を取り合っているであろう、姿の見えない妹と王子の幸福な結婚を思い描き、独りごちた。
「やっぱり虐げられた令嬢は高貴な方に愛されるのが、物語の王道よね」
私は手に持っていた本をパタンと閉じ、舞台の幕が下りるのを静かに受け入れた。
「ハッピーエンドおめでとう。……妹さんの方はね」




