↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/11

第01章:【黒豚野郎の処刑シーン】

第01章:

【黒豚野郎の処刑シーン】



(喚き立てる声が、乱雑な罵倒が、薄ら寒い嘲笑が……、

 どうにも耳に入らない。)


 ザっ、ザっ……。


 屈強な兵士、彼らの顔は知らない。

 全く知らない顔ばかりがその地には満ちて、その誰もが男の処刑を望む。

 今でこそ暗黒の空だが、男が○んだ翌日から、青く澄み渡ると人々は

信じている。

 そんな絶望の道を、1歩1歩、力無く進む足の主は、ふと顔を上げて気付く。


(蔑んだ顔でコチラを見る王子、軽蔑の眼差しのそのお后……、

 そうか、良かった……、彼らは結ばれたのだ。)


(あるいは、王国軍団長の男、魔法宰相に抜擢されたばかりの青年、

 そして……、賢者と囃されたあの男……。

 そのどれもが、血の憎悪の色を濃くして煮詰めた様な表情を浮かべ、

 もし誰かの許可が1つもあれば、即刻、首を刎ねに来そうだ。)


(くくく……、ソレが、逆に小気味好い。)


 男は、魔王か、それとも、邪悪な呪術師か、“悪い魔法使い”か。

 そのどれでもあっても、どれでもないが、心当たりが無いワケでもない。


(どれ、ここで物語を閉じようか。)


 薄気味悪い表情を浮かべているのだと、自覚している。

 淀んだ黒い雲の下、渦巻く恨みと憎しみと邪悪を排斥することへの

一種の陶酔感に似た正義感か、彼らの裁きはすでに下ったのだ。


 『処刑』。


 そう。 コレが、黒豚野郎の処刑シーン。

 肌が白いってワケでもないので、男にはソレがお似合い。


 “断頭台”。


 一体、これまでどれだけの血を吸って来たのだろう?

 その鋭い斜線一直線を描いた刃の下、彼は目を閉じる。


(はて……、どうしてこうなったのであろうか……?)


 今更、命が惜しいとは思わぬ。 しかし、少しだけ……。

 そう、少しだけ、反芻する時間が惜しくて叶わぬ。

 銀の正義は解き放たれた。


 ザクっ!



<時間通り、刑は処されたのであった。>




<第02章に続く>




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。