デザインズダンジョン社 迷宮職人たちの日々 ローズ婦人の庭
ぼちぼち復活。前書いたの見直すと、え?こんなの書いたっけ状態。自分の才能が恐ろしい。忘れることなら誰にも負ける気がしない。なので最近?書いたものから出しましょう。
②ローズ婦人の笑み
「秘書がいいってば!」
「まぁ、すてき」
「執事がいいよー」
「あらあら」
「・・・師匠はどうだ」
「うふふ」
さて、無情な宣告通り、夏休みの課題を2日で終わらせ祖母の家に集まった。家にいるのは僕ら3人「律」「秋人」「夏陽」と祖母「華乃」。祖父母の幼馴染で親戚でお手伝いさんでもある「さと」さん、あとさとさんの孫「佑樹」。彼にも課題は終わらせておくよう言ってある。さっきまで死んだような顔つきだった。
それで何をもめているかといえば、ダンジョン作成前にアシスタントの外見を決めるところで1件目。そう、まだなにも始まってない。今後も同じことが起きる。すっぱり切ってしまうのが正しかろう。
「決めるのは華乃さんだろう」
すると3人とも黙った。よし
「そうねぇ、私は妖精さんがいいわぁ」
はい、決まり。
それにしてもダンジョンの話になったとたん3人のテンションがおかしい。
「だいじょうぶよぉ。一人しか作れないんじゃないから。みんなのも作りましょ」
ん?僕も?そうだなぁ・・・・
「う~わ~ひ~ろ~い~」
うちの走り屋である夏陽があっという間に走っていった。もう見えない。5キロ四方か。なにもない空間はどこも白くてわかりにくい。秋人と祐樹はしゃがんで地面をぺたぺたさわってる。祖母、いや華乃さんは妖精とおしゃべり中。
・・・だれも進行しようとしない。まぁ、いつものことか。オーナー用管理タブレットの確認をする。緑点が僕ら人で、マップ上の4つのうち一つが高速移動中。青点がアシスタント等。今はないけど外部の人が来れば白点になる。ちなみに戦闘系ダンジョンではまだある。敵対勢力の黄色と戦闘中の赤点。全部このタブレットで確認できる仕様だ。
「ところで華乃さん、ここで何がしたいですか?」
「とりあえずお茶にしましょ」
ふむ、じゃあベーシックセットにある『 庭 小 』と『ガーデンテーブルセット』と『ティーセット』かな。あと四季の花壇『春』もいいか。お茶菓子はいつものっと。
設置後もカスタマイズ可能なので祖母の庭に近づけていく。いい感じだ。これおもしろいかも。
「こーーーーーらーーーー」
ゴチッ。
背後からげんこつで殴るな。
振り返ると夏陽が怒りどころか般若面、指さす方を見れば華乃さんが薄藤色の小紋着物姿でぼんやり立っている。両手を口元で合わせて・・・目から雫・・・・
もう一度夏陽の顔を見るとこっちも泣きそう。そうか・・・
ゆっくりこちらを見る華乃さんに悲しみの表情はない。
「ちがうの、なっちゃん。うれしいのよ。ここでもあの時の庭が見られて」
今、目の前にあるのは僕らが子供のころ見ていた庭だ。少しづつ整えられてきた祖母の庭、祖父が健在だった頃の景色。愛し気な顔の彼女はいつでも祖父と共にいるんだな。
ずっと気になってた。泣いた様子がないから。泣かないのか泣けないのか・・・
あなたの笑顔をずっと見たい。
そのために僕らはここにいる。
「ねーねー、ダンジョンのはしっこってさー、当たったら『ぽよん』て感触だったー。これだけで部屋作れる?」
ほー、床も跳ねればトランポリンみたいだな。運動不足にならないようにあってもいいか・・・
しかし律は甘くみていた。この未設定の状態の壁は『ぽよん』というより『ぼよん』だった。夏陽に言われるまま作った通称『ぼよん部屋』。後に戦闘系ダンジョンでも標準化される。でも律は入らない。酔うそうだ。




