トッキー対ファッティ
「トッキー、ごめんね。あなたのことずっと誤解してたの」
スティナは、ペットのトカゲならぬ、カメレオンに謝罪していた。
トッキーはスティナが持参したカゴの中にいた。
トッキーは、家の中を動き回るファッティを警戒していた。
「トッキーはね、体の色が変わるの。魔法使いだから色が変わると思ってたの」
さっきまで白かったトッキーは、カゴと同じの色に変わっていた。
「もう少しレベルアップしたら、使い魔になると思ってたのに」
カゴの中にはペット用の餌も入っていた。
その時、ファッティは自ら充電器にセッティグし充電モードに入った。ファッティの目の部分が点滅している。
トッキーはそんなファッティを威嚇しはじめた。
「ほら、シーザーの使い魔が優秀だから、トッキーが怒ってる」
と、スティナ。
トッキーは、目玉を引ん剝き、口を大きく開けている。
その形相に、爬虫類が平気なシーザーでも少し恐怖した。
「これなら、きっと立派な使い魔になれるんじゃないの?」
とシーザーはわからないなりにフォローしてみた。
使い魔とか、その辺の事情はちんぷんかんぷんだ。
「そうかも」
とスティナは笑顔になった。
「帰ったら、また特訓しようね」
スティナはカゴを持ち上げ、帰り支度をしはじめた。
それをシーナが止めた。
「今日はもう遅いから泊まっていって」
「いえいえ、とんでもない! 暖も取らせてもらって、ペットも見つけてもらって、食事までご馳走になって、これ以上ご迷惑はかけられないわ」
「暗くなる前に帰りま……」
スティナは窓の外が暗くなってるのに気づいた。
「え? まだ四時なのに?」
スティナは壁時計を見て、驚いていた。
「春とは言え雪も降るし、まだ日が暮れるのが早いよ」
と、シーザー。
「ね! だから泊まっていきなよ」
シーザーは好きな女の子を家に泊めることができて、ご機嫌のようだ。
「でも……」
迷惑はかけられない。と思ってはいても昼でもあんなに寒かったのだ。夜はもっと寒くなるだろう。
そう考えれば答えは決まっていた。
「ではご厚意に甘えさせてもらいます」
スティナは申し訳なさげに、甘えることにした。