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眠くなる方法  作者: 紫陽 圭
11/18

目的地に到着

 **********



 ふわぁ~ぁ。


 気が付いたら、目的地の神殿に着いていた。 到着して馬車が止まった振動で目が覚めたらしい。


「起きていただくために声を掛けようかと思っていたところでした。」


 隣に座っている主席神官から、おはようの挨拶をされる。 どうやら彼は起きていたらしい。

中性的な美形に寝顔やら寝起きを見られた!! な~んてことについては気にしてはいけない……初っ端から今までにさんざん見られてるから開き直るしかない、とも言う。




 馬車から降りた目の前、第2神殿は、最初の召喚地である王都の主神殿をひとまわり小さくした感じ。

そして、建物の正面玄関前には神官服の数人の男女。 その中の真ん中の1人は衣装が凝ってるから責任者クラスの人っぽい。 で、その人を含め、男女ともにヨーロッパ風美貌……何故か主席神官と同じく中性的なタイプばかりだけど。


「ようこそ、救世主様。 お久しぶりです、主神殿の皆様。 まずは神殿の中へどうぞ。」


 責任者らしき男性が挨拶して神殿内へ促すので、主席神官たちとともに神殿内へ入ることになった。




 会議室っぽい部屋で、お互いに簡単な自己紹介と状況説明。


「それで、結局、今回の移動の結果次第で救世主様の行動予定を決めることになったんですね。」

「はい、結果、救世主様の神力の素晴らしさがはっきりしたんです。」


 真面目な表情で状況を確認する第2神殿長の言葉に、嬉しくてたまらないという表情で頷いてみせる主席神官……そりゃぁ、嬉しいだろうさ、自分たちに都合良く事を運ぶための要素が判明したんだから。




 つまり、移動中に眠った場合に私の力がどうなるか確認したいと泣きつかれて、衣食住と心身(貞操含む)の安全の確保を条件にまずは確認のための1回のみということで馬車移動を引き受けることになったというわけ。 で、衣服を借りて朝食後に主神殿を出発、途中でお弁当食べて、先程到着。

 主席神官が喜んだのは……私が馬車移動中でも眠ることができること、その場合も私の神力は発動して私の移動に伴って効果範囲も移動すること、などが判明したから。 余談だけど、私の力は魔力とは異なるから区別のために『神力』と呼ぶことにしたらしい。 正直、現代日本人の私の感覚としてはイタイ呼称……代替案を拒否られまくったから諦めるしかなかった……。

 今回の私の同行者はかなり多い。 移動中に私の力が発動した場合、同行者にも眠ってしまう者が出ることは予想するまでもなく……御者を交代させたり周辺を調査したりする人員の確保が必要なうえに、『眠るの大得意』と言い切る私が移動中何回眠るかなんて私自身を含めて誰にも判るはずがないから予備人員は多めに用意されたから。

 実際に私が眠ったのは昼過ぎから到着までの数時間。 天気の良い昼下がり、食事も済んで、馬車は絶妙の揺れをもたらし……って、眠くなるのは普通だよね?! 初夏ぐらいの気候で、薄味ながらも地球に似た食材と調理方法の食事、王族が使うことも有るという主神殿の最も上質な馬車は魔法で振動が抑えられてるんだから、『眠るの大得意』と言い切る私が眠くならないハズ無いでしょ!!

ただね、当然だけど、私が眠ってる間ずっと一か所にとどまっていては進めないから、一定間隔で調査員用の馬車を残しながら進むことになるわけで……今でも調査しながら第2神殿に向かってる途中のメンバーには心から『お疲れ様です』と言いたい。 あ、上の立場から下への言い方に相当する『ご苦労様です』なんて言おうとするほど私は厚顔でも傲慢でもないから。


 私も言うべきことはきっちり伝えたんだけど、私にとっての交渉の本番はこれから!! 今後の私の行動に直接関わるからね。 昼寝の後で頭がスッキリしてるうちに話し合わなくちゃ!!

次話、召喚先に関する主人公による閑話が入る予定です。


6/27 閑話は割愛し、次話(本編)を投稿しました。

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