前へ目次 次へ 76/82 七夕。 約三十分遅れ。 一日遅れの空を見上げ ビルの隙間から覗く星 一つ二つ点々と 主張の少ない星々よ あれはお前で あれはお前だ あれは俺か 短冊願い込め笹の葉に 大きいものから 小さいものまで 一人一人の願いの集成 俺は願う気になれず ぶらり人の世を離れ 廃駅線路の上歩き 砂利の音を踏み締める 独り夜の神社に出向き 誰もいない境内の中 雑踏の鼓動も聞こえぬ場所 邪魔もなく空を仰ぎ するりするりと時は過ぎ 陽は昇り星消えて 年に一度の再会も 朝日と共に散ってゆく