前へ目次 次へ 55/82 残照。 天高く歌う烏(からす)は 赤の空に黒を混じらせ 一つ二つと斑(まだら)を作る 太陽の残照 没落してゆく天体は 地球の裏側を照らし出し 僕たちにさようならをして 裏の人たちにこんにちはをする 月の光 登ってゆく衛星は 白の光を反射して 地球にそれを落とす お早う 夜なのにそんな声 お休みがよかったかな 嘯く声 どっちでもいいよ どっちにしろ こんばんはだよ やがて没落する月 月の残照は 太陽の光の反射である それなのに月は あんなに目立ち 美しく空に在る