第6章 新しい魔法の、引き金
『平等な世界』へ旅立った彼ら。残された者達。魔法がなくなってしまったとしても、そこには希望がある。それは、魔法とも呼べる希望……。
第6章 新しい魔法の、引き金
『3N』。
『MWM』。
『ELSE』。
『RRQ』。
『HRB』。
砂衣誠。
『A』。
『CPS』。
そして平等轆轤。
この戦いで、これだけの人間が、死んだ。世界から、消えた。
いや、『魔法行』のほとんどの人間が死に絶えたのだから、犠牲者は数えきれない。
概数を言うならば、10万人と言えば満足だろうか。
そこまで言ってしまったら、ただの数値だ。
そして歴史の変遷だ。
――そこに心は要らない。
魔法なんてないのだから。私達には彼ら彼女らがどんな気持ちで死んでいったのか、死と向かい合ったのか、理解することはできない。
感じることすらできない。
この世にあるのは物理なのだから。
私達は彼らの死を労わることしかできない。彼ら彼女らの心を想像し、それらを経験して、生きて行かなければならない。
人は一度しか、人生を送れない。
その上、どんな人生を送るかは分からない。
だからこそ……この世界は、不平等なのだ。
平等は、不平等へと均される。
真の平等とは?
不平等を認めることこそが、平等なのだろうか。
彼ら彼女らの死を。
数人の生き残りと釣り合わせて。
その不平等を認めて。
どこに平等を求められるか。
原理的に不平等な世界の中で、平等を求める彼ら彼女ら。きっと存在する平等を求めて。
『平等な世界』を求めて――
そして、死んでしまった。
……なんてのは、私達には分からない。やはり、この世に――魔法なんて、無いのだから。
あったとしても――使えないのだから。
彼ら彼女らの死が、どうか安らかなものでありますように……。
「気分はどうだい? 『MA』?」
『14C』が、鞠の座っていた瓦礫の隣に座った。
全身がボロボロなのは、あの衝撃で起きた瓦礫に埋れ、隠れやり過ごし……を繰り返していたからだろう。
「……生きてたんですね。本物の方の先生」
「おや、どうしてあの時の私が偽物だと?」
「簡単ですよ。あの時先生は私の名前を全く言わなかった。知らなかったから……そして、先生はそんなに、軽くはない」
要するに当てずっぽうですよ、と鞠は答えた。
「ふーん、で、その目的は?」
「別に、かっこいいからじゃないですか? 何も、語らないって。でもそれを貫くには派閥になんか入っちゃいけないんですよ。語るってのは口で言うだけじゃないんですから。というか自分を飛行させないなんて、空間把握できてるならやった方がいいですよね? 加速よりそっちの方が厄介ですから」
「へーぇ。そこまで考えたんだ」
「いや、分かりませんよ。先生は何も語らない。つまり意味というものを持ってないんです。先生にとっての証拠は、証拠とならない。だから先生を特定することはできません」
「うんうん、どう思ったの?」
「ゴキブリみたいですね」
……照明機能も既に壊れ、夜のようにあたりが暗い。二人の持っている少しの炎が、その場の光源だ。鞠は物質製造で生み出した炎。『14C』は懐中電灯だ。
そして、二人の声しかここにはない。
宇宙で、二人しかいないような。
「それで、きみはどうするの? わたしと会話してて、それでいいの?」
「……何が、出来るんですかね。私達は」
ぼんやりと、真っ暗な空を眺める鞠。
「先生……先生らしく、教えてくださいよ。私達は、何が出来るんですか?」
期待は、少ししていた。気まぐれでなにか言ってくれるかもしれない。
「逆に、何ができると思う?」
そう、聞き返される。自分の意見を言わないというのは、そういうことだ。
「……なんというか、思考が面倒になります。轆轤さんは、思考しろと言うでしょうけれど……」
もう、疲れた。いろいろなことがありすぎて、処理するのも面倒で。もう――考えたくない。何も。
「とにかく、今は休みたいです……あは。とりあえず宿探しですね。路地裏にでも野宿しよっかなぁ」
ごろん、と鞠は仰向けになっる。暗闇が、まるで夜のようだ。
星でも浮かべれば、ロマンチックになるだろうか。
「……今、この場所はとても危険だってこと、分かってる? いつ崩落してもおかしくないよ」
領主である『A』が姿を消した以上、『魔法行』はその姿を――その空間を維持できなくなる。いずれ、この空間全てが崩落し――そして全てが土に還るだろう。
「はい……かなえは、もう、上にいかせてます。地上に」
「なんでまだ、残ってるの? ここに」
『14C』は訊く。
「……さあ、哀愁とかですかね」
鞠は適当に答える。
「……この本をもし私が開ければ、また世界を一から作り直すことができますね」
鞠はそばに置いていたその本を見る。『A』がいなくなってから――開いていない。その本の領主はいない。
「開かないの?」
「……どうしましょうかね。これからどうするかにも寄るでしょうけれど。今のところ、それはやめておくことにします」
鞠は回答を保留する。迷っている――と言うわけではない。
なんというか――上の空だ。
「……実感、湧かないんですよね」
鞠は言う。
「何が?」
「濾過さんも轆轤さんも、『A』も全員、死んで――いなくなってしまった。でも、その悲しみが……なんというか、薄いんです」
ぼんやりと、空でもない空を見る。
「なんというか……最初からこんなものじゃなかったっけ、というような、虚無感が残ってるんです。……もちろん、私にとって家族同然な人が死んで、悲しくないわけじゃないんです。ただ今はよくわからないだけで、多分後になって狂ったように泣くんだと思います。……でも今は……」
空っぽなのだ。
突然の出来事すぎて。感じられない。
もともと人間は、そういう風にできているらしい。現実の劇的な変化、それに伴うストレス。それらを制御するために、感覚をわざと鈍くさせる。
感覚を――思考を。
思考を停止させる。
そうやって、精神の安定を保つ。
轆轤の考えは――その前提が無かったからこそ成り立ったのだ。
「だから、あんまり考えないようにしてるんです」
鞠は言う。思考を――放棄したことを。
「この本のことも、『魔法行』のことも、そして……これからの私のことも、みんなのことも。全部考えたくなくなってしまったんです。私が、なんとかしなきゃいけないんですけどね。……任されましたから。でも今は、何もしたくないです。……先生」
「何?」
「先生の本名って、何ですか?」
「……本名?」
「はい。重要なことじゃなくて、本当にどうでもいいことですけどね。今の状況からして見れば」
「どうしよっかなぁ……」
「……お得意の、何も語らないというやつですか。何なら、今ここで私が決めていいですか? …………」
言ってから鞠はしまったと思う。失言だった。
これまで、名前にまつわる様々なことがあったからだ。人生において、とても大事な、名前。
もしもそれが、先生の人格にとっての鍵だとしたら。何も語らない理由があるとすれば。アイデンティティの礎ならば。それに触れてしまうことは――とても失礼だったと、鞠は思ったのだ。
「いや、別に私の場合は……いいわ、やめましょう。こんなときに意見を言ったって仕方ないし。そうね、別にいらないわよ。先生でいいわよ。固有名詞なんてそもそも必要ないものだしね」
「……そうですね」
名無しの森を思い出した。あそこで私は、自分が鞠であることを忘れて、マリアであったことも忘れていた。ではしかし、『CPS』が、彼女がそこに入ったとき、どういうことが起こっていたのか? もしもはいる場所が一マス違ったら……いいや、どうだろうか。何も変わらなかっただろうか。
固有名詞は、究極的に必要ないのだ。旧曲的な物理にも、そして、魔法にも。人間の仕事は、そこに名前を付けて行くこと。数学だって、物理だって。本来元素に名前はないし、クォーク一つとったって、そこには名前がある……アップやトップと言った、その名前。その名前が無くなれば……そうであったとしても、現実の物理法則は成立するのだ。
固有名詞なんて無駄。
「確かに……無駄かもしれませんけど。でも、違うと思うんです。固有名詞って、本当はものすごく、大事なんじゃないかって。考えました」
思考しました。
鞠は上体を起き上がらせる。手を地面につき、体を支える。
「例えば……鞠っていうのは、平等家にいるときの名前なんです。そして、マリアはラーヴァー家……『MA』は書類上ですね。あんまり好きじゃないです。マリアの一部だったり魔法の一部だったりするんでしょうけど、正直言ってダサいんじゃないかって思います。つけられたときはムカつきましたね。しばらくしたら慣れましたけど。解答用紙に自分の名前を書くようなものです」
「……何が言いたいの?」
「ですから、先生――名前って、個々人の名称だけじゃなくて……単なる記号じゃなくって……うーん。なんと説明したら良いのか。確かに個と個を判断するためのものな訳ですけれど……それって一人の人間にも言えるんじゃないかって思います」
「……つまり、二重人格のそれぞれの人格にも、名前が必要だってこと? そういえばあなた、二重人格だって言ってなかったかしら?」
「ああ、あれは嘘ですよ」
白々しく言う鞠。ん、そういえばあのとき先生はマンションで拘束されてたんだっけ……? まあ、本物か偽物かなんてどうでもいいか。大事なのは過去ではない。
「二重人格……例えとしては一番わかりやすいですけど、性同一性障害を持ち出すまでもありません。例えば、家族とクラスメイトでは接し方が違うとかそんな話です。そんなとき、その人の精神って……人格って、違うんじゃないかなあって」
まるで自分を見失ったような。と鞠は言った。
親がいなく、様々な妄想を膨らませ――ありとあらゆる哲学を考えて、様々に考えた結果。
もちろん、十一歳という年齢では、そんなに多くのことは知らないのだけれど。
「魔法名って、本当にそうじゃないのかって、思いました。魔法名以外にも、その人本人の名前がある……それはつまり、名前によって精神を切り替えることができるってことじゃないですか? ……そのための、魔法名なんじゃないかって、考えたことがあります」
『DghT』が、『DGHT』が星宮かなえだったり、名前で、明らかに性格が違うように思える。些細だが――本名の方が、子供っぽかった気が、鞠には少しした。
「マリアって呼ばれるのにはまだ少しだけ抵抗はあるんですけど、最近はその名前に安らかさを感じるようになってきました。そして『MA』にはああ、自分は『魔法行』の人間なんだなぁって自覚を。鞠って名前には――なんというか、自然な感じがしますね。轆轤さんの、心象操作かもしれませんけどね」
鞠は続ける。
「だから――濾過さんは、どうだったのかなって、思ったんです」
平等濾過。
『CPS』。
「濾過さんは濾過さんです……最強で、ものすごい魔法使い。そして、趣味が大事で、轆轤さんが好きな、濾過さんです。『CPS』は、『魔法行』内でいろいろな成果を成し遂げてます。そして、脱走しました。刺客をみんな倒して。じゃあ――」
鞠は少し、困ったような顔をする。
「『魔法行』を倒したのって、『CPS』ってことになるんでしょうか」
「――そうなんじゃない? 『魔法行』が脱走したくなるほど嫌いで、新しい刺客が来て鬱陶しくなって、破壊したとかは?」
なるほど、もっともだ。
でも――
「それじゃあ、おかしいんです。もしそうなんだったら――この『魔法行』は、全滅になんかならないはずなんです。もしも嫌いなら本部だけを叩けばいい。そんな、『魔法行』の建物全てを倒壊させる必要はないんですよ」
そう。そこだ。『魔法行』全ての建物の崩壊、そして全員の死。そこまでする理由が、果たして『世界から出』たかった、で足りるだろうか? 『魔法行』が嫌い、で足りるだろうか?
一度鞠も疑問に思ったことだ。
「それに、もう一つです。濾過さん――『CPS』が、刺客として送られた『ELSE』を倒したのあと、一般人に魔法を使って――そして、生き延びさせている。これは、どう考えても結びつきませんよね。今回のように、全滅にしていない」
心をある種のシステムと見たときに。
彼女の行動には不自然なことが多い。
「だから、こう思うんです。濾過さんには――あと一つ、人格的なものがある。人格ってほど厳密じゃないけど、そういう……精神状態が」
「精神状態……確かに、魔法においてそれは重要だね」
「想像……というか、妄想レベルですけどね」
そして、生産性もない。
これからのことに、何もつながらない。
「これから……」
「ん?」
「これから私、何て名乗ろうかな……って」
「そうねぇ……好きに決めれば?」
「はい。でもそうしたときに……マリア・ラーヴァーとは名乗りたくないんです。この名前が嫌なわけじゃなくて――濾過さんや、轆轤さんのことを、何というか……ないがしろにしている感じがして」
「…………」
「でも、平等鞠とも名乗れません……私は平等家の一員ではない。だから――ここにいるんですから」
平等家、ラーヴァー家。
どちらをとっても……後悔しそうだ。
「合わせれば?」
『14C』は何でもないかのように言う。鞠はとっさに彼女の方を見る。
「どちらかの姓を、どちからの名を。それぞれからくっつけちゃえば?」
「名前を……混ぜる」
混ぜる。なるほど――その発想があったか。では、どういう風に――
「……改名について、とか。外の法律とか、知ってます? 先生」
「家庭裁判所へ届け出を出す必要があるね。姓にしても名にしても」
「へぇ……面倒なんですね」
「それほど面倒じゃあないだろうけど」
鞠は考える。
一体、どうすればいいだろうか?
これから、どうすればいいだろうか?
「あ……分かりました」
そのとき、鞠は思いつく。『A』が伝えたそれについての、本当の意味を。
「分かったって……何が?」
「新しい……いいえ、最初から、原初から存在する魔法ですよ」
鞠は立ちあがる。本を持って。
「そうです……考えてみれば、簡単なことだったんです。どうして、魔法なんて存在するのか」
「……?」
魔法の存在……魔法のシステムの存在理由、発生理由についての話だろうか?
「私はようやく――その思考にたどり着きました。やっぱり、考えることって大事ですね」
「えー……? 分かったって、何が?」
「ふふ。どんなに荒唐無稽なことでも、どんなに馬鹿らしいことでも――必ず叶えられる魔法です」
「は……はぁ? どう……するの? それ」
鞠は、本を脇に抱え、手を胸の前で組み、目を閉じる。その姿は、まるで――聖女のような。
「祈るんです」
「はぁ?」
「祈れば――願いは叶うんです。本当に、単純なこと――」
そして、宣言する。
「私の名前は、平等マリア。平等家を継ぎ、アリスから名を賜った者。ごめんね、轆轤さん、勝手に継いじゃうよ。この世界に平等はもういないんだから。というか現実問題、これしか名乗れなさそうだから」
少しはにかむ、鞠――否。
平等マリア。
「私は祈る。願う。だからこそ――その願いは叶う。この理論が存在するならば、だから――」
どうか、この世界が平和でありますよう……
ほとんど完全な暗闇。なくなってしまった『魔法行』で、彼女は一人、祈っていた。
こうして、本当の全てが終わった。
虚ろな世界の、彼ら彼女らの物語が――終了した。
魔法。そんなわけのわからないものを振り回し、振り回された、魔法使い、また仙道使い、また一般人……彼ら彼女らの話が、これで終わった。
しかし、そもそもの話。
魔法なんて――この世界には、現実の、私たちの世界には存在しない。
強大な力は使えない。何もないところから物は生み出せない。時空移動はできない。運命は変えられない。
そんな、物理学的には当たり前な制限が存在する。だから、世界から出ることなんて叶いっこない。
そして私たちの先人は、魔法という概念を生み出した。……いや、それは最初から存在していたのだ。わけのわからないものに対して、とりあえずでもいいから説明のつくものを定めておこうと。
わけのわからないもの、もしくは、こうであったらいいのになあと願うこと。
その中でも、叶わない願いを。
叶うはずのない願いを。
それでも人間は魔法を求めた。
錬金術は永遠の命を求めるため。万物の素を求めるため。物理だって、世界のシステムを最大限利用するために追求された。……そうであるはずだ。兵器なんてのはそれを如実に表している。
しかし……いつからなのだろうか? 理科はこの世界のことを記述するのに追われて――いつの間にか、理想を追い求めることを諦めてはいないか?
志のある者はそんなわけないと言うだろう。しかし、大衆的な認識では――そうではないのだろうか?
魔法と、物理。決して交わるはずのない二つ。
この虚魔法戦線では、それらを同列の二つとして扱った。
水と油ではなく。
男と女のように。
まるで違うもののようだが、そんなはずない。交わりもするものだと――そのように扱った。
実際はどうだろうか?
そこに溝は無いだろうか?
……よく、理系というものは心を無視するように描かれることがある。自らの知識をひけらかし、お前の気持ちなんか知ったことかとクールぶった、冷たい描き方。
そんなわけないだろう。
むしろ、物理を知れば知るほど――心はより大事になる。……理解できるだろうか。世界の深淵が、どこまで深いのか――そこに、心が存在しない道理はない。
好奇心なしに、理解は得られない。
そして、心によって作用する魔法。それを空想するのは自然な流れだ。
物理は心につながり、心は魔法につながる。そして、物理と魔法は、つながる。
この虚魔法戦線。
心は分からないだろう、というようなことは何度も書いた。
しかし、心を無視するとは書かれていない。
彼ら彼女らの心を、踏みにじってはならない。なぜならそれは、彼ら彼女らにとっての世界の見方なのだから。
世界の真理は、未だ不明である。
しかし。
世界の真理は、既に自明である。
この矛盾した二つが同時に成り立つ。それは真理をどこで定めるかによる。その――深さ。
深ければ分からない。たった一つのそれを探ろうと、潜るだろう。……溺れて、亡くなる人もいる。
浅ければ気楽だ。そこで如何様にも楽しくできる――逆もしかり。浅すぎて……そこに住む魚が全滅することもあるだろう。
どれが悪いというわけではない。
しかし分かって欲しい。そんな真理を。そんな心理を。
平等マリアの編み出した――いや、正確にはかなりの昔からわかっていたことだ――最後の、原初の魔法。
その理論が理解できた者は――それが、魔法なんかなくたって可能だということが分かるだろう。
……そう。その通り。聡明なあなた方なら理解できるだろう。私はそう信じている。
大事なことは信じること。疑ってはいけない……というわけではないが、信じていて欲しい。
だってそれが、理想を叶える方法なのだから。
もちろん、大変なことだ。
覚悟が要ることだ。
だからこそ、科学者は夢を持っている。心を持っている。
そしてそれは心を持つ者の、全てである。
叶えたい何かがある者よ。
願い……そして、それを叶えて欲しい。
そこに、未来があるのだから。
魔法は、存在するかもしれない。
第6章・終
第四話・終
あとがき
この作品の分類って何になるんだろうと考えたときに、大きく分けて二つのカテゴリーがあると思います。一つはファンタジー。もう一つはSF、サイエンスフィクションです。しかしこの二つのどちらにせよピッタリ合う気がしません。ファンタジーというほどメルヘンではなく、恐ろしい何かが現れるわけではない。SFというほど現実的や超現実的であるわけではない。魔法が存在したらSFはSFでいられるのでしょうか。それはともかく。さて、ではこの作品は……そうですね。ファンタジーサイエンスとでもしますか。略してFS。うーん。造語としてはどこにでもありそうな感じですね。まあそれはともかく、Fには大きく分けて二種類あると思うんです。0から1へするFと、1から2にするFです。前者はよくある、そこにただ存在する超存在を、主人公たちが解き明かしたり、解決したりといったものです。あるものを使う。その結果何かとてもすごいことが判明したりハッピーエンドになったりするわけです。それに対して後者は、足場から積み上げて行く、理論立てた説明が主です。まあよくくどいとか理屈っぽいとかそう言われる類で、もちろんいい作品もかなりあるのですが、インパクトに欠けると言われればその通りです。この作品は主に後者です。それを目指しました。0とか1とかの比喩は、まあ個人で想像を巡らせてみてください。私の文章力ではうまく説明できる気がしません。どちらが優れているかというのでもないですし、徹底すればきっと良作です。この作品? それ以前に小説もどきですよ。
この作品を書くことができたのは、フォロワー様(かなり増えました。ありがとうございます)、botを拡散してくださった方々、またリアルでの周囲の方々、あと『ハルミトン』先輩。そして弟よ。本当にありがとうございます。そして、この作品を公表する場所を提供してくださった『小説家になろう』様。本当にありがとうございました。乱文失礼しました。




