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…所詮夢は夢なのです …叶えようなど思いもしないですね

由里が歌い出した。ふーん、そこそこに上手いじゃん。

 でも予想外だね。もっと元気な感じで来ると思ったのに。それに、何気に上手なのがムカつく。そんなのに感心してないでよね。もう!次僕が歌ってやる。負けてたまるかっ!

『おー。』

 由里が歌い終わると、皆が一斉に拍手した。本人も得意げな顔してるし。86点で調子乗んなっての。

「次僕入れちゃったけど、いい?」

 永希様が驚いた表情をしている。まあ僕が大勢の前で歌うことなんて珍しいもんだからね。

『…!!』

僕の歌声に、皆声も出ないようだね。

「ありがとう、ずっと。」

 最後まで歌え終えた。おぉ~!終わった後に拍手があるって、結構嬉しいね!

「葵!凄いわね!!」

「本当に、さっすが私の葵です♡」

 ああっ!結構嬉しいわぁ。

「次は私が歌います!葵の次だと、ちょっと歌いずらいけど…頑張ります。」

瑠美も十分上手だと思うけどな。それに、凄い綺麗だし。見惚れちゃうよ。

「だーいースッキだよ~♡」

うん、可愛い。

「皆上手だから、オレ歌いずらいな。」

「じゃあ!その前に永希様歌ってよ。」

永希様の歌は、上手ではない。だけど、声が!凄いんだよ!!いや~、本当に美声で。半端ないんだよ!カッコいいのね。

「どうゆう意味だ!?俺の後なら歌いやすいって言うのかよ!」

ああ、そうゆうことじゃなかったのに。

「僕が個人的に聴きたい。」

これは、本当の気持ちだもん。ウットリしちゃうような声だから。

「そう言われると、さらに歌いずらくなるんだよ!」

 そう言いながらも、永希様は歌い出した。甘くてとろけちゃいそうな声だよね。音程は酷いけど…。

「何だよ、その眼はー!!」

 歌い終わると、永希様はいきなり叫んだ。

「歌出してみれば?若い女性に人気出るんじゃない?」

確かに。僕には下手に聞こえるけど、歌もそこまで悪いわけじゃないんだと思うし。何よりも、声が綺麗だし。

「アイドルとかやってみればいいんじゃない?永希様カッコいいし。」

 アイドルの歌は下手で構わないし。永希様、声だけじゃなく外見だってカッコいいし。

「オレ、さらに歌いずらくなった気がする。」

…永希様の次はキツイね。それは僕も認めよう。

「順番に歌うの?」

「それでいいんじゃない?」

 平等にね。永希様の歌以外だったら、ずっと聞いてるだけじゃ飽きちゃうし。

「歌ってないのは、璃々香と健人だけだね。」

「私、歌ムリなのよね。」

「オレも得意じゃねぇ。」

 2人で話し合って、璃々香が先に歌うことになったらしい。

「すっごい音痴だけど、笑わないでよ?」

 璃々香は歌い出した。…あ、あぁ。こ、これは酷い。確かに酷い。飲み物持って来ようかな。…部屋にあるな。…よし、トイレに行こう。

「あ~の~日っ、君が~。」

 笑えないよ、これは。逆に凄いレベルだよ。頭痛くなってきたよ。それに、本人ムッチャ!ニコニコしてるし。

「ずっと、信~じぃる~。」

 僕がトイレに行って、戻ると、ちょうど終わったところだった。こりゃキツイな。凄いよ…。

「最後はオレか…。」

 健人も歌い出した。普通に下手だね。璃々香みたいに『これわざとじゃね?』とも思わない。何か、頑張ってるって感じはあるけど、下手。正直、酔っぱらったおっさんみたい。

「描こう~~。」

 終わった。これで1周か。

 その後も、そのまま順番に歌っていった。

「由里、健人。お前ら2人も城に泊まれ。行くぞ。」

 夕方になって、皆がいなくなって行った。そして、瑠美と2人になった。

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