…私はきっと、貴方と一緒に、平和な世界を掴み取るのです
「えっ!?」
愛唯って誰よ。
「何の話ですか?てか、愛唯さんってどなたです。」
「らいちゃん!座りなさい。わたしがぁ、有田ぁ、愛唯ですぅ。でぇ、そこに居るのがぁ、森ぃ、頼華ですぅ。」
「ひなは桜井雛乃です。」
「私は山中由里よ。」
「わたしがぁ、ここのぉ、魔王ですけどぉ、何かぁ、あるんですかぁ?」
魔王?って美希じゃないの?ここの?どうゆうこと?
「やっぱり。ひなは、魔王として産まれてしまったかわいそうな人を、助けて回っているのです。」
美希と同じような人なの?
「愛唯は、愛唯は可哀想な人なんかじゃないですっ!!……雛乃さん、余計なことはしないで下さい。」
頼華の言葉で、愛唯の笑顔が歪んだ気がした。
「大丈夫ですよぉ。可哀想じゃないですぅ。みんなぁ、わたしとぉ、とっても仲良くしてくれますからぁ。」
「愛唯…。まあ、そっそうゆうことですので、ボクは君達とも、仲良くしていきたいです。だから、その、良かったら今日は、ここで、お休み下さい。……あうあうぅ。」
頼華は、ひきつった笑みで聞いてきた。どうすればいいのかしら。
「頼華様っ!!牢獄が襲われ、何人かが脱走してしまいました。」
「えっ!?すぐ行きます。」
おじさんが部屋に飛び込んで来て、頼華を連れて去って行った。
「ゆりりんって、あそこに落ちる前、あおいんと居ましたか?」
あおいんって葵のこと?雛乃と葵って知り合いなの?
「葵です、葵!秋山葵です。」
「えぇ。」
「じゃあ、あおいんかも知れません。行ってみましょう。」
葵かも知れないって何が?私はとりあえず、走り出した雛乃の後を追った。
しばらく走ると、人だかりがあった。そして、その人だかりの中心に、葵が居た。
「あっ、葵?」
「ああ、由里。ひっ雛乃!?」
葵の隣には希も座っていた。
「のんたん!?それに、さらっちまで。どうしたんですか?」
のんたんとさらっちって誰よ。
「知り合いですか?」
「はいっ!」
頼華に聞かれ、雛乃は元気よく答えた。その後、頼華は考えて、こんなことを言い出した。
「共犯かも知れませんね。こいつらまとめて牢屋に入れといて下さい。」
『えっ!?』
私も!?牢屋に?何でよ。私何も言ってないじゃない。
「迷惑掛けちゃってごめんね。でもさ、四天王も弱っちゃったもんだよ。ふふっ。」
「そうですね。でも、きっと元に戻ります。」
「それはそれで困るわよ。」
葵と希の他にも、もう1人少女が居たようね。気が付かなかったわ。
「えっと、雛乃と由里は知り合いなの?」
「はい。」
「沙羅と由里は?」
『?』
「んじゃ、有城沙羅だよ。で、由里。あれ?由里って名字何だっけ?」
「山中よ。」
『よろしくね。』
有城、沙羅ね。
「で、葵、健人とさやは?」
「知らない。僕も街に入った瞬間飛ばされたんだもん。」
「あの2人も?」
「多分ね。」
みんなバラバラになっちゃったのか。
「共犯って何が?何をしたの?」
「牢屋に掴まってる人を逃がしたんだよ。」
?何で?
「僕の恩人と、恋人をだよ。」
掴まってたの?葵の恋人?
「出来たよ。準備OK。」
「希、ありがとう。」
準備って何のよ。そいえば、希ずっと静かだったわね。
「大丈夫。今夜には脱出、出来るから。」
今夜って、すぐじゃん。
「でも、羨ましいですよね。あおいんみたいな美少女に、そんなに思ってもらえて。」
「誰が美少女だ!女じゃないもん。それに16歳はもう少じゃないもん。」
葵と同い年!嘘でしょ?
「葵って可愛いよね。」
「希までぇ。何でみんなして、僕をいじめるのさ。しくしく。」
可愛い。凄い可愛い。正直、家に置いときたい。
「これ喰え。」
おじさんが、変な袋を投げてきた。夕飯?
「食べちゃダメだよ。多分だけど、魔力を封印する成分が含まれてるんじゃないかな。味も良くないと思うし。」
そう言いながら、葵は袋を開けた。袋の中には、団子のようなものが入っていた。
「はい、あ~ん。」
「や、やめろ。」
葵は、おじさんの口にそれを入れた。
「一応見ておこう。どうゆう薬なのかな?」
それを飲んだおじさんは、足から石になっていた。
「頼華様~っ!!助けて下さいっ!!」
おじさんは、女の子のように高い声で叫んだ。
「聞こえることはないと思うけど、万が一の為に声もちょっと変えてみた。これなら僕達の誰かが叫んでるみたいでしょ♪」
さすが、葵ね。
「貴様ら、よくも。」
おじさんの首まで固まったところで、固まるのは止まった。
「顔が固まんないんじゃ、殺す気はないみたいだね。こりゃ愉快だ。」
葵?どう、したの?
「あおいん、時間です。」
「おじさん、じゃあねぇ。」
地面に穴が開き、そこに希が入って行った。沙羅と雛乃も入っていき、私も葵に落とされた。
私達が落ちたのは、公園だった。
「由里!」 『葵!』
同時に3人の声が聞こえた。声が聞こえた方を見ると、そこには健人がいた。
「健人!」 「永希様!」
私と葵も同時に叫び、飛びついた。
「健人ぉ。」
「何年も会えなかったわけじゃないだろ。泣くなよ。」
「だって、だって怖かったんだもん。」
私は、健人と一緒にベンチに座った。
「あおいんの彼氏さんですか?」
『違うっ!!』




