表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さなお嬢様はお金を稼ぎます!――飼い猫ともふもふしながら、生産魔法を活かして異世界最高の商人になりますわよ!  作者: てるゆーぬ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/3

第1章1話:転生と商売ともふもふ

(たちばな)陽華(ようか)の母は、小さな会社を経営していた。


日用品(にちようひん)や化粧品を販売する会社だった。


母はよく言っていた。


『商売とは、人を笑顔にする仕事よ』


その言葉が好きだった。


母の会社も好きだった。


しかし母は病に倒れた。


会社は破産した。


残された陽華(ようか)は、いつか母の意志を()いで自分も起業しようと、ビジネスやマーケティングの勉強に没頭した。


一方でゲームが好きだったので、息抜きにオープンワールドのRPGで遊んだ。


だがある日。


トラックに()かれた。


痛みを感じる間もなく死んだ。


そして―――


気が付けば異世界に転生していた。







3月。


春。


朝方(あさがた)


良家の屋敷。


メアリーヌの私室に、やわらかな朝日が射し込んでいた。


天蓋(てんがい)つきのベッドのうえでメアリーヌは目を覚ます。


メアリーヌ・フラムスティード。


身長132センチ。


赤髪。


緑色の瞳。


フラムスティード家に生まれた娘であり、今年で8歳になる。


ベッドのうえでもぞもぞと身を起こす。


するとベッドの(はし)で丸くなっていた一匹の猫がこちらを見上げた。


猫―――ではない。


(ねこ)(しゅ)の魔物である。


名前はフィルル。


全身がふわふわの茶色の毛で覆われている。


メアリーヌがテイムした最初の従魔(じゅうま)である。


「にゃあ」


とフィルルが鳴いた。


メアリーヌの目が輝く。


「フィルルーッ!! おはようございますわー!!」


ばふっ。


フィルルを抱き上げる。


そのまま顔をうずめた。


「はぁ~~~!! もふもふですわー!!」


ふわふわの毛並みに頬をすりすりする。


もふもふ。


もふもふもふ。


「にゃあ」


フィルルは嫌がるでもなく、されるがままになっている。


長年(ながねん)もふもふされ続けた結果、完全に慣れ切っているのだ。


朝一番(あさいちばん)のもふもふは格別ですわね……! 今日も一日がんばれますわ!」


メアリーヌは満面の笑みでフィルルを抱きしめる。


しかしのんびりしている場合ではなかった。


メアリーヌはベッドから飛び降りた。


鏡の前で赤髪を整えながら、頭の中ではもう計算が始まっていた。


(さて―――今日から本格的に動きますわよ)


メアリーヌは窓の外を見やった。


家の屋敷から見える景色。


緑の庭園と、その先に広がる領都の街並み。


―――オープンワールドのゲーム異世界。


前世の自分が起業を目指すかたわら、息抜きにプレイしていたオープンワールドRPG。


それをベースにした異世界である。


ただしゲームの時代から1400年が経過している。


1400年経っても、文明の水準は中世ヨーロッパ程度のままであるが……


国とか地名はかなり変わっている。


見たことも無いアイテムなども存在している。


「……」


陽華(ようか)がメアリーヌとして、この世界に転生して8年が経つ。


前世の記憶が戻ったのは半年前のことだ。


それからメアリーヌは準備を進めてきた。


生産(せいさん)魔法(まほう)の研鑽。


商売知識の確認。


この世界の市場の調査。


そして―――ついに動くときが来た。


(この異世界を生き抜くために必要なのは、お金ですわ)


実はメアリーヌの両親はもう死んでいる。


8歳のメアリーヌを残して他界してしまったのだ。


だから魔法の名家(めいか)だったこの家は、現在、没落の危機に(ひん)している。


家の財政を立て直すこと――――


そしてメアリーヌが生きていくこと―――


この両方を達成するためには、お金を稼ぐことが必要なのだ。


(だから、この世界で商売を始めますわ)


お金は自分を救うだけではない。


人を救うことだって可能にする。


商売とは、お客さんのことを笑顔にする仕事だと――――


前世の母が語った信条を、メアリーヌは今も忘れていない。


(わたくしの作る商品で、たくさんのお客さんを笑顔にしてさしあげますわ!)


メアリーヌは力強くうなずき、さっそく行動を開始した。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ