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30代後半独身女性の日常  作者: りょうこ
2/23

朝の支度

さて、と。

時間になったので、テレビ体操を始める。

起きてからだいたいテレビはつけっ放しだ。

契約しているケーブルテレビが最近東京局の放送を打ち切ってしまったため、地方局しか観れなくなった。

夕方は地方局が頑張ってしまうため、東京局放送がいっさいなく、涼子は不満だ。

地方の平和ボケした放送なんて観たくない。

しかし、朝は地方局は頑張らないので、東京局の放送がそのまま流される。

涼子の今のお気に入りはTBS系の「朝チャン」。

若い女性キャスターが頑張っていて、観ていて心地良い。

涼子は私フェミニストかも、と時々思う。

女性が頑張っていると応援したくなるし、同士という感じがして元気が出るのだ。

環境、場所が違っても、どこかで頑張っている女性がいる。

それを知るだけで、生きる活力になる。


テレビ体操を終え、チャンネルを「朝チャン」に戻し、朝食・弁当作りを始める。

始めたところで、携帯のアラームが鳴り、停める。

平日毎朝テレビ体操の終わる1分後の6時26分にアラームが鳴るようセットしてある。

最近は自然に目覚めることがほとんどだが、やはり社会人として遅刻は怖い。

寝坊防止である。


手際良く朝食、お弁当を作り上げ、「できたよー」と階段下から2階に向かって遠慮がちに叫ぶ。

近所に聞こえたら恥ずかしい。


母と一緒に朝食を済ませ、歯磨き・洗顔をし、髪をセットする。

涼子はセミロングで、髪は一つにまとめている。

いわゆるオバサンスタイルだ。

薬剤師という職業上、清潔に見えるよう考えてのヘアースタイルだ。

粉薬を混合して分包したり、軟膏を混合して容器に詰めたりすることもあるので、髪が落ちるなんて言語道断。

髪を下ろしている同業者もいるが、涼子には信じられない。

職業倫理を疑う。

その程度のプライドは持って仕事に臨んでいる。


今日は濡らさなくていいかな…。

鏡を見ながらチェックする。

髪を一つにまとめるので、あまりにひどくないときは髪全体を濡らすことはしない。

だいたい髪全体を濡らさないとダメな状態の寝癖がついているだが、今日は大丈夫らしい。

お風呂入った後ドライヤーで乾燥させているのに、何で寝癖がつくのだろう。。。

でも、今日は大丈夫っぽい。

このまま縛ろうっと。


鏡の中の自分にうなずいて、2階に上がる。

自分の部屋に行って、雨戸を開ける。

洗顔後に日焼け止めを塗ったので、窓を開けられる。

涼子は美肌を保つために日焼け止めを塗らない状態で日光を浴びないようにしている。

顔には365日日焼け止めを塗る。

ただ、ある程度の日光は浴びた方が良いと思っているので、首、腕、足はそこまで気を配っていない。

なので、首と顔の白さが違っていたりするが。。。


着替えを済ませて、化粧をする。

涼子はできるだけ化粧はしたくないが、37歳ともなるとそうも言ってられない。

今の自分の状態でスッピンで仕事に行くなど、患者さんに失礼だと涼子は考えている。

休みの日はスッピンで出かけることもあるが、もう職場にスッピンで行くことはない。

歳をとったということだ。仕方ない。


涼子の場合、化粧と言っても人目にさらして失礼にあたらないようにするだけなので、とても簡単である。

ファンデーション塗ってチークして口紅を塗る。

マスカラは使用せず、アイシャドウもしない。

化粧に時間を取られるのはもったいないし、ばっちりメイクしても医療現場ではあまり良くない気がするのだ。

よく言えばナチュラルメイク、悪く言えば手抜きである。

涼子の場合、メイクの仕方がわからないという理由もある。

37歳にもなって恥ずかしいことだがメイクについて全然知らない。

見よう見まねでやっているだけで、それが合っているのかわからない。


でもまぁ振り返るほど変でなければ良いわ。

女性としては失格なのかもしれない。

たまにそう思う。

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