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俺の彼女がまさかの魔法少女  作者: 愛板


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魔法少女38


「ーー美味しいな」


「ーーそうね」


き、気まずいわね...いつもの食事会ならば基本料理を食べている間はずっと無言で何にも話さずに過ごしているのだけれどなぜか今日はいつもと違う。


なぜか亘一君がもごもごしているのだ。何かを話始めようとして口に出す前に辞めて、少し考えて何か言おうとしてやめてを繰り返している。そんな彼を数分見ていたらようやく口に出た言葉が「美味しい」だった。


うそでしょう?そんな長時間悩んで出てくる言葉がそれなの???うそでしょう???


「…ふっ」


なんかやり切った顔してるわよ!?なんで!?ほんとにわからないわよ!?

私は内心でこれまでにないくらいパニックになっている。なに?何が目的なの?





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「...」


「…」


俺はいったい何をしているんだろうか?というかいったいここはどこなんだろうか...そんなことを考えているとバーカウンターの向こう側からバーテンダーさんが声をかけてきた。


「ご注文は?」


「サラトガ・クーラーを君は?」


待ってほしい。俺未成年なんだけど?バーで何頼むとか知らないんだけど?お酒の種類とかビールとワインと日本酒くらいしか知らないんだけど?とりあえず正直に言おう。じゃないとお店にも迷惑がかかるし


「えっと...俺未成年で...その...」


「あぁ、それは知っている。というか僕も未成年だ。」


「んえ?でも今普通におしゃれな飲み物頼んでませんでした?」


「ノンアルコールカクテルだよ。」


え?カクテルってノンアルの物とかあるの?


「ーー失礼、お客様。お好きなお飲み物はございますか?」


バーテンダーさんがそう言って俺に質問してきた。えーと?好きな飲み物?


「オレンジジュースです?」


とりあえず正直に答えた。


「なるほど、でしたらオレンジエードはいかがでしょうか?オレンジジュースに砂糖とミネラルウォーターを加えた甘く飲みやすいノンアルコールカクテルになります。」


...名前がかっこいいな。


「あ、はいそれでお願いします」


「かしこまりました」


はへーーー...とあまりにも知らない世界すぎて呆然としていると俺の注文が終わったのを確認したのか俺をこんなおしゃれバーに連れてきた張本人が急に話始めた。


「それで相談事なんだが...」


「いやあの、まずなんでこんな素敵なところに?」


とりあえず俺の疑問を解消させてくれ...


「?ここは会員制のバーだから会話がしやすいと思ってだが?」


かいいんせい?それはあの...えぇ...ホントに貧乏学生から程遠い単語なんですけど。なんだ会員制のバーって


「なるほど?」


「もしかしてだが別の場所の方が良かったか?」


「あ、いえ別に大丈夫です。」


うん、めちゃくちゃビビって入るけどものすごくかっこよくて入った瞬間から気に入ってたからねお店の雰囲気、マジで映画の中に入ったみたいなクラシック空間だもん。普通にピアノ置いてあるしきれいなお姉さんがピアノの前に座ってるし。なにか弾いてくれるのかな?と思いお姉さんの方を見るとにっこりと笑ってくれた。


「あぁ、そうだな...お願いしようか」


目の前の男性、確か亘一さん?が俺の視線に気が付いたのかすっと立ち上がりピアノの前に座っているお姉さんに声をかけるとお姉さんがニコリと笑った後演奏が始まった。その音を亘一さんはピアノの横で少し聞いた後ポケットから何かを出しピアノの楽譜?を置く場所にポンと置き、お姉さんに何かを話しかけ帰ってきた。


「ふむ、いい音だ。」


「あ、はい?ってあの何を置いたんですか?」


「あぁ、かなりの腕前だったので今度のパーティーで弾いてくれないかと思い連絡用に僕の名刺をね」


何それかっこいい、というか別世界すぎる


そんな感じで俺が完全に男として謎に敗北感を覚えていると


「お客様お待たせいたしました。サラトガ・クーラー、オレンジエードになります。ではごゆっくりとお過ごしくださいませ」


バーテンダーさんが飲み物を俺と亘一さんの目の前においてくれた。すげぇ...めちゃくちゃ動きが洗練されてる。俺のアルバイト接客とはレベルが違いすぎる...


「話す前にいただこうか?」


「あ、うっす」


こ、こういう時って乾杯するんだよな?そうだよな?俺知ってるぞ!確か奢ってもらった時はグラスを下にするんだったな!


俺がそう考えをまとめグラスを持ち上げると亘一さんがふっっとニヒルに嗤ってグラスを合わせてくれた。なんだこの人、行動一つ一つがかっこいいんだけど?


「相変わらずうまいな」


亘一さんが乾杯した後飲み物を飲んでそう言った。そっか乾杯した後ってすぐに飲まないといけないのか?まぁ少しのど乾いてるし俺も飲もう...


「うっま!?」


え?ナニコレ?一口飲んだだけで俺の人生で一番おいしかったオレンジジュース系の飲み物ランキングが更新されたんだけど!?


「あぁ、そうだろう?この店のレベルはすさまじいからな。気に入ってくれてよかった。」


「はい、めちゃくちゃ美味しいです...ただ、この味を俺はもう二度と飲めないんですね...」


ここ会員制のバーなんだよなぁ...しかもドレスコードがあるタイプの。今日はなぜか亘一さんの貸し切りということで私服でも入店できたけど


「ふむ?そうか、なら...マスター?構わないか?」


「えぇ、時任様のご紹介であれば問題ありません。」


亘一さんがバーテンダーさんにそう声をかけるとバーテンダーさんがニコリと笑いお店の奥に引っ込んだ。


「え?なに?どうしたんすか?」


「いやなにこの店を気に入ってくれたようなので僕からの紹介ということでマスターにお願いしたのだよ」


「??」


「会員費は僕が払っておくから気にしなくてもいい、今回の相談料とさせてくれ」


「あ、はい」


どういうことなの?頭の上にハテナを作っているとバーテンダーさんがお店の奥から戻ってきて俺にめちゃくちゃ高級そうなカードを渡してくれた。


「こちらをどうぞ、三月様。次回からはこのカードをご提示いただければいつでも入店が可能になります。」


「あ、はいアリガトウゴザイマス」


みつきゆうはかいいんせいばーのかいいんかーどをげっとした。



とりあえず、スーツ買って今度朱音を連れてこよう...







「さて、ようやく本題に入るわけだが」


「はい、色々といただいたので全力でお聞きします!」


まかせろ!パニックが一周回ってもう落ち着いたぞ!


「まず初めに僕には婚約者件彼女がいる」


「婚約者?」


まさかの婚約者ですか?俺と一緒ですね?なかーまです


「あぁ、それも...親が決めた婚約者だ」


「マジすか?」


「本当だ」


えぇ、現代日本でも両親が決めた婚約者とか実在するの?すげぇなおい


「となると相談はその婚約を辞めたいとかですか?」


「いや、逆だ。僕は絶対に彼女と結婚したいと考えている」


おっと、かっこいいな断言したよ。いいね正直な男は大好きだ。でもさ?亘一さんははっきり言って女性の理想みたいな人だよ?普通にしていたら婚約者の女性も亘一さんのことを好きになるでしょ?お金持ちでイケメンでスマート、これで好きにならない奴いないだろマジで普通に過ごしていたら問題ないでしょ?


「なら問題ないのでは?」


「いや、僕は彼女に嫌われているかもしれないんだ。」


「うっそでしょ?」


亘一さんレベルの好物件なのに!?どんだけ相手の人の理想が高いんだ!?


「本当だ。例えば...先日たまたまいつも使っているコンビニで彼女と出会ったのだが僕が声をかけると逃げてしまったんだ」


あぁ...それはまずいなだいぶ嫌われている


「それに...僕は彼女の人生をゆがめてしまった男だからな...」


そう言って亘一さんは悲しげな表情をしてぐいっと目の前にある飲み物を飲んだ。


「歪めた?」


「あぁ、そうだ。おそらくもう気が付いていると思うが僕の両親はものすごい金持ちだ」


「あ、はい」


さすがにわかる。今さっきなんとなくこっそりと亘一さんの名前調べたら普通に出てきたし。時任グループの跡取りって。超絶スーパーお金持ちだよこの人。


「だからこそ幼い僕の要望が通ってしまったんだ。幼少期に参加したパーティーで一目ぼれをした彼女への結婚したいという要望がね」


「おぉ...」


「なんとなくわかっただろう?彼女は僕のせいで婚約することになり拒否することもできずに今の今まで過ごしているんだ。そりゃ嫌われるに決まっている」


思ったより重い話だったぁああ!?


「その...でも...」


「ふっ...なんとなく言いたいことは分かる。彼女が本当に嫌なら何が何でも拒否していたはず。ということだろう?」


「はい、そうです」


「それは無理だ。彼女の実家の状況はかなりまずい。僕の婚約者として決まっているから何とか保っている状態だ。だからこそ彼女に婚約を拒否するという選択肢はない、生家のためにな」


「…」


「…」


亘一さんは一通り悩みを俺に話した後悔しそうにうつむいた。というか俺も何も言えなかった。さすがに重いよぉ...なんでこの人偶然ジュエリーショップで居合わせた高校生の俺にこんなの相談してるのぉ...?


「ーーすまない愚痴のようになってしまったな」


「いえ...その大丈夫です」


「と、まぁ僕の現状は理解してもらえたと思う」


「はい」


「なのでここからが本題なんだが...」


あぁ、本題は別にあるのね。びっくりしたよいろいろと


「彼女を目の前にすると緊張で何も話せなくなり、婚約してから一度も彼女の誕生日プレゼントすらいまだに渡せないんだがどうしたらいいと思う?その年齢であの店に行くんださぞプレゼントという行為に慣れているのだろう?だからこそ緊張せずにプレゼントを渡す方法を教えてほしいんだ」


ん?え?いまなんと?


「?????」


「どうした先生?」


ッスゥーーー


「ーーーもう一度お願いします」


「あ、あぁ、大丈夫だ。要するに彼女の前で緊張せずにプレゼントを渡す方法を知りたいんだ」


えーと?まずそうだなあれを聞こう


「ーー失礼ですが亘一さん年齢は?」


「19だが?」


「......」




ーーーー小学生か!?





嘘だろ!?マジで言ってんのかこの人!?なんでそのスペックの人間が悩んでいるところが好きな人の

前だと緊張するなんだよ!?いろいろとおかしいだろ!?

っと落ち着け三月優、お前はやればできる子だ。冷静になれ


「あのプレゼントをいままで一度も上げたことがないんですか?」


「あぁ、買ってはいるのだが渡せずというか家から持って外に出ることすらできていない」




小学生か!!!!!



ホワイトデーにバレンタインのお返しを渡すのを恥ずかしがる小学生か!!!


「な、なるほど...後何も話せなくなるって言ってましたけどそれは...その...どのレベルで?」


「文字通りなにもだ。口から声が出てこない。彼女が綺麗すぎて緊張してな」




「小学生か!!!!!!!!」




俺は全力でシャウトした。







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