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俺の彼女がまさかの魔法少女  作者: 愛板


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魔法少女25

「ゆ~く~ん!はやくきめて~?」


「ごめん!すぐ決める!」


やっほー。みんな優君だよ!僕は今新幹線に乗り込む前の駅弁屋さんの前で天ちゃんに服の裾をくいくいっと軽く引っ張られながらどの駅弁を買うか悩んでいます。


天ちゃんは速攻で決めていたが貧乏学生ガチな俺にとって駅弁とかいう高級品はめったに食べられたもんじゃないので死ぬ気で選んでる。どうせ新幹線が出るまで後10分あるのだ。あと二分は悩んでも許されると思う


「んー、まさか私が駅弁おごってあげると言った後こうなるとは…」


「許せ、天ちゃん全部うまそうなのが悪い」


天ちゃんが少しあきれたような表情でそう言ってくる。そう、事の発端は天ちゃんからの申し出があったからである。向こうの世界で頑張ってくれたしこれくらいおごるよ?と言ってくれたのだ。正直神である。うれしさのあまり勢いあまって天ちゃんに抱き着いてしまったがそれは許してほしい、あと絶対に朱音には言わないでほしい、ガチで


「まぁ…急いでるとはいえ新幹線が出るまで待機するしかないのは確かだし別にいいんだけどね?いやぁまさか魔法少女専用の転移通路が通行止めになっているとは…痛い出費だよ、新幹線代」


「あざす!!天ちゃん様!着替えの服一式と新幹線代と駅弁をおごっていただき感謝します!」


おっと、感謝のあまり大きな声になりすぎた。周りの人からヒモを見るような目で見られてる。ちがうんですよー、今だけ、今だけなんですー。さすがに異世界でずっと来ていた服は不衛生なので着替え用となったのだが俺の家に着替えとお金を取りに行っている暇がなかったので天ちゃんのお父さまの服をお借りしただけなんですー


「いいよ、全然むしろパパの服でごめんね?」


何やら天ちゃん様がそのようなことをおっしゃられているがこの服明かにブランドものである。普段し〇むらかワーク〇ンでしか服を買っていない俺が着てもいけてる雰囲気が出ているのでたぶん高い奴だ


「天ちゃん、何度も聞いてごめんだけどこれほんとにいいの?たぶん汚れるよ?」


向こうについたらおそらくどうせドンパチやることになるので絶対汚れる。


「ん?問題なしだよ?パパその服もう着ないって言ってたし」


「なら、いいのか?」


「うんうん、いいんだよ」


天ちゃんは目をつむり腕を組んでコクコクとうなづきながらそう言ってくれている。うーん今度天ちゃんのお父さんに挨拶だけしておくか…念のために


「というか、優君駅弁早く決めてよ」


「うっす」


さて、天ちゃんとしゃべりながらすでに決めていたのでそのお弁当を手に取り天ちゃんとレジへと向かった。


ただなぜか気になることがある。


「天ちゃんさんや?なぜ私たちは腕を組んでいるのでせうか?」


「…だめ?」


「いや、一応俺彼女いr「だめ?」 うっす、なんにもないです」


めっちゃ寒気がしたのでこれ以上はやめておきます。はい、怖いので


そうして俺が追及を辞めると腕からクロのあきれたような「がうぅ…」という声が聞こえてきたのでとりあえず聞かなかったことにした。しょうがねぇだろ怖いんだから


俺に残された道はなぜか時間がない中超特急でかわいくメイクして全力でおしゃれしてきてる天ちゃんの機嫌を取り続けることだけだ。お金出してもらってるし!その格好で戦えるの?とかは禁句だからな!どうせ魔法少女に変身したら強制的に着替えられるからね!


うおぉおおおお!!頑張れ俺!腕に当たる柔らかい丘の感触は無視しろ!あ、この感触朱音にはない奴だ!とか考えるな!死ぬぞ!あ、待って天ちゃん押し当てないで!?にへらぁ~と笑いながら上目づかいで当ててるんだけど?って感じで俺の顔を見ないで!?やめてぇ!?


そんな感じで俺と天ちゃんは新幹線に乗って東京にある魔法少女協会に向けて出発した。


持ってくれよ俺の自制心!!!あと俺は朱音一筋です!!あっ天ちゃんやめてわき腹をつんつんしないで!?「ほれほれぇ~」じゃないよ!?



あーーーーーーーー











人生で最も長い乗車時間であったとだけ言っておく…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ど、どういうことだ涼風先輩?」


少し離れた位置にいた氷の魔法少女、青野 瑠華は冷や汗を流しながら眼前の境界の悪魔を見ている呪いの魔法少女涼風 涼にそう声をかける。


「正直詳しいことはわからない...けど一つだけ言えるのはすぐにでもこの状況を作り出した敵を捕まえないといけないってことは理解できるわ...」


涼は瑠華の質問にそう答え自身の周囲に一番殲滅力と破壊力がある『呪ノ榴弾』を作り出す。それを見て弓の魔法少女弦音 白羽も同じく弓に矢をつがえる。両者ともに魔力を練り上げていく。


「おい、なんだよこの魔力量!ふざけんな!あんなの防げるわけが!?」


その光景を見ていた境界の悪魔...いや境界の悪魔に堕ちた者たちは慌て始める。それもそのはず彼ら自身、脆弱な魔力しか持たない人間だったころの体を捨て境界の悪魔という莫大な魔力を持つ肉体を保持しているがそのあまりの魔力量をコントロールしきれていない、そのため現時点ではいまだ魔法少女たちの実力に遠く及んでいない


「「発射」」


そんな境界の悪魔になりたての人間たちを冷めた目で見据えながら二人の魔法少女の強力な攻撃が発射された。


轟音と断末魔


もともと人間であった。という並みの人間ならば殺しへの躊躇を持ってしまう場面でも彼女たちは一切感情の波を揺らさず己の全力の魔法を放つ。殺すつもりで放たなければ境界の悪魔の強靭な体には傷がつかないことを理解しているから殺すつもりで魔法を使う。


理解しているからだ。ここで奴らを取り逃せば取り返しがつかなくなるということを、彼女たちは魔法少女、人類を人知れず侵略者から守護する。



ーー人類の守護者なのだから




「…」


その光景をいまだ経験が浅い瑠華はじっと見つめていた。自身ならあのように躊躇なく全力で魔法が使えたのかどうかを考える。


「無理だな」


そうして考えたが無理であると結論付けた。理由は一つ、今もうすでに動くことができていないからだ。魔法を発射することも、二人の魔法少女を止めることもせずただ突っ立ているだけの自分にはそんなことはまだできない。


「...私はまだまだということか」


そう自嘲気味に呟いた。


「うち漏らしは?」


「...ない」


断続的に鳴り響いていた轟音がやんだ。涼と白羽はしっかりと警戒をしながら声を掛け合う。彼女らの目の前にはおびただしい数の死体の山があった。が半数ほどは息がある。強靭な境界の悪魔の体、そして死体の山が防波堤になっていたようである。


「...いまから捕縛に移行する」


白羽はそうつぶやき魔法を行使する


「ホワイトロープアロー」


そうして白羽が魔法名を口にすると矢の羽付近にものすごく長い白い縄のようなものが付いた矢が出現した。


「...今は縛る縄がないからこれで代用して」


「えぇ、ありがと白羽ちゃん、一応このロープに私の呪いもかけておくわね」


そうして生き残った境界の悪魔たちに縄がまかれていく。弓の魔法少女の魔力がしっかりと込められた縄に呪いの魔法少女の魔力操作に対するデバフがかかる呪いがかかった代物だ。まずほどいて逃げることなどできない。


縄で捕縛する際に少し抵抗されることがある可能性も考えてはいたが、すでに戦意を失い、全身をズタボロにされた者たちは自分たちの部隊を一瞬で全滅させた彼女らにおびえた目を向けおとなしく捕縛されていった。


そうしてひと段落がついたころ炎の魔法少女柊 朱音と刀の魔法少女御剣 剣理が合流した。


「おい、これはいったい...」


剣理が眼前の光景を見て絶句しているのを横目に涼は朱音に声をかける。


「朱音ちゃん無事だったのね、よかったわ...けど風ちゃんはまだ来ていないのね?」


「あ、うん全然無事だよ。風ちゃんはわかんないけどってそれよりなにこの状況...」


朱音もこの意味の分からない光景を見て困惑している。


「...正直私たちも何が何だかよくわかっていないのだけれど、わかる範囲で説明するわね、あっ長官もできれば聞いてほしいです。」


「ーーあぁ、聞かせてもらおう」


「うん、お願い」


朱音と剣理の真剣なまなざしを一身に受けながら涼は説明を開始した。


そうしてかなり手短に説明すること3分ほど。すぐに険しい顔をした剣理が自身の谷間から小型のマイクのようなものを取り出し魔法少女協会全体に指示を出し始めた。


「ーーすぐに守衛部隊をたたき起こせ!!回復魔法を使えるものは全力で回復させろ!そして起き上がった守衛部隊は即懲罰部隊の宿舎に移動し捕縛されている境界の悪魔を魔力檻に収監せよ!」


ものすごい大音量で流れた音声を聞き協会内の職員たちが動き始める。


「さらに!大地!星!空の魔法少女はすぐに戦闘をやめ、こちらも同じく懲罰部隊の宿舎にこい!」


「え、まだあの三人戦ってたの?戦闘音は聞こえてないけど...」


朱音がそう言って首をかしげていると空から三人の魔法少女が現れた。


「すまねぇ長官...」


「負けたぁ...」


「勝った!!」


そう元気よくピースをしながら現れたのは空の魔法少女音羽 風、そしてその風に首根っこを掴まれぐでーんとしている大地の魔法少女 地浦ちうら れき、星の魔法少女 星宮 ナナ(ほしみや なな)


「...大地と星は魔力切れか?ならばこの場所でこいつらを見張っていてほしい、よろしく頼んだぞ」


剣理がそういうと二人の魔法少女は目の前に存在するたくさんの境界の悪魔に目をむきながら「「了解」」と返事をした。


「ってナニコレ...」


「ごめん天ちゃん、後で説明するわね、それで長官私たちはどう動きましょうか?」


「...そうだな、とりあえず建物の中を調べるぞ」


剣理は少し悔しそうにそう言って先頭を歩き始めた。彼女自身魔法少女協会のかなり上の地位にいるがこのようなことが起こっているということに気づくどころか違和感すら感じなかった。あまりの不甲斐なさに唇をかみしめ彼女の体から魔力が吹き荒れる。


そんな見たこともないくらい怒気をにじませた剣理の後に続いてほかの魔法少女たちも建物の中に入っていった。


「...待っててね優君、天ちゃん必ず助けるから」


また朱音も血がにじむほど強く拳を握り締め、長官たる剣理と戦った時以上に集中し歩を進めていった。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ついたー!東京!ひっさびさに来たよ!」


「お、俺初めてだ!」


「お、そうなの?じゃあ皆と合流したら観光でもいくかい?」


天ちゃんはにやりと笑いながら俺に向かってそうささやいてくる。いやあの天ちゃん距離が近いっす...息がかかってるっす...


けどまぁ...朱音と東京デート...ありだな!速攻でこのごたごたを終わらせてデート、こほんこほん観光に行くとしよう!!って痛い!?


「...あの、天ちゃん痛いっす」


「ふーーんだ」


あ、やめて蹴らないで、なぜか朱音のことを考えると機嫌が悪くなる天ちゃんを連れて、俺は魔法少女協会の入り口がある地下空間への扉の場所に向かって歩き始めた。


「あ、のど乾いたからあそこで飲み物買わない?奢るぜ?優君」


「女神!?いやでもここは俺に出させて...さすがにこれ以上奢ってもらうのは...」


俺はそう言ってこっそりスマホを開き電子マネーの残金を確認する。よし多分足りる!


「ーーほんと?ありがと!!」


にぱー!!と毎回の笑みを浮かべる天ちゃんと一緒に俺はなぜかカップルばかりがいるおっしゃれなお店に入店した。


ほへ~ここめっちゃ雰囲気いいじゃん!こんど朱音誘ってみよっと


「うーん...敵は強大なりってね」


「え?なんか言った?天ちゃん?」


「いや、なーんにも」


天ちゃんはおどけるようにそう言った。






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