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薬爵の薬  作者: 三原すず
番外編
20/20

拍手お礼小話

以前web拍手にてお礼として掲載していたものです

拍手お礼・ホワイトデー小話

《薬の効能》



ほろりと口に入ったものはとても甘くてすぐに溶けてしまいそうだ。


「チョコレート…?」

「あぁ。美味いか?」

「甘くて美味しい」

「それはよかった」


破顔するアインがとても綺麗でエリスはなんだか照れてしまった。

何か別のことを……と思い、一番早く沸いたことを言い出した。


「…そういえば、チョコレートは薬になるらしい」

「へぇ」

「カカオ豆と合わせたスパイスがとても苦いが不老長寿の薬となっている」

「……甘いよな」

「うん。薬の方はものすごく高価らしい」


菓子としたチョコレートも充分高価だが薬の方はさらにだ。一粒で他の薬がいくら買えるだろう。

思い出すとゾッとする。アインも微妙に頬を引き攣らせていた。


「で、効能はなんだ?」

「えっと……、あ」

「なんだ」


(私は馬鹿か……っ!)


どうして薬の話なんてしてしまったのだ。

チョコレートなんだからもっと別にあったのに。


「エリス、気になるだろう」

「――…、催淫効果がある」

「……はぁっ!?」

「色欲が高まって、…うん。これ以上言わせないで」


どこで選択肢を間違えたんだろう。


(…でもまぁ、いい仕事をした。私)


キスのひとつもくれない恋人に、ちょっとした挑発だ。


「……むらむらしてきた」

「は、はぁっ?」

「…チョコレートを食べさせたのは貴方なんだ…なんとかしろ」


戸惑いに揺れる蒼の瞳が崩れるのはこの直後。

キスだけで終わったのか、知るのは二人のみだった。



fin.



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