厄災との開戦
激しい攻撃の嵐があたりに散る。
「こいつら、前より強くなってるぞ!?」
チジャラは辺りを駆け巡りながら、次々と厄災の勢力にエネルギーを込めた徒手空拳を行う
ーー攻撃音。
「っとぉ!?」
飛んできた黒い弾丸を寸で回避するチジャラ
「また避けられたか......」
ブラックアウトはそう呟く
「意識をもっていかれすぎじゃないか?」
チジャラの方を向いているブラックアウトの背後から、キジャラが斬撃を繰り出す
「それはお前にも当てはまるな」
コモンがキジャラとブラックアウトの間に歪みを作り、二人を分断する
「やはり、一筋縄ではいかなそうだね」
少し遠くで見ていたウライ
呟くと、コインを取り出し、質量を巨大化、コモンへ打ち出す
「お主がリーダーと言ったところか」
間にマオが割り込み、打ち出されたコインに手をかざす
「......悪くない」
そのままコインの勢いを殺し、ニヤリと笑みを浮かべる
「やり手だね」
返すウライーー
(正直なところ、思っていたよりかなり出来る。目的は分からないが、油断していると崩されるな......)
「はあぁぁぁっっ!!」
片手でコインを止めてる中、マオへ攻撃を仕掛けるユル
「片手は空いている」
マオはもう片手からエネルギー波を飛ばし、ユルを吹っ飛ばす
「ぐっ......!」
なんとか態勢を立て直すユル
「では、両手を使わせようか」
ウライはもう一つ、コインを巨大化させ、マオへぶつける
「やるのぉ......!」
コインが当たり、ダメージを受けながらふっ飛ばされるマオ
それが見えたコモンも、一瞬チジャラへの対応が遅れ、拳があたる
「っ......!」
攻防を繰り返しながら、空間に大きな歪みが生まれていく。
そして、裏で動いている存在があったーー
「だが......そろそろ貯まるはずだ」
視線の少し先でコモンが呟く
「!これは......!?」
ウライが咄嗟に気づく
一瞬の静寂。世界が止まる
ーー次の瞬間、莫大なエネルギーが、この戦場に響いていた。
「な、何が......!?」
戸惑うユル。
「......これが目的か......!」
ウライの言葉と共に、危険を察知したキジャラとチジャラはウライの元へ戻る
「ユル!早くしろ!」
チジャラが大きな声で叫ぶと、ユルも咄嗟にウライの元に戻る
「あれは......!?」
ユルが疑問を投げ掛ける
エネルギーは徐々にコモンの元へ収束され、空気は沈静化していく
そして、コモンが答える
「......これは、「リンゴ」だ。擬似的なものだがな」
コモンの言葉。おぞましい雰囲気が辺りを包む。
空間が大きく歪み、全員の動きが重く引きずられている
「さて、想定外って表情だな?ウライ」
今度はウライに言葉を掛けるコモン
「......今回ばかりは否定出来ないね」
動揺しているウライだが、ふとこう続ける
「まぁ、一つだけ言うとするなら......」
「君たちが完璧にそれを行えるとは思えない」
こぼすウライ。すると、厄災陣営が言葉を投げ掛ける
「余計なお世話だ。まぁ、今はこれ以上必要ない」
「目的は達成した。撤退させてもらう」
「......楽しみにしているぞ?」
そう告げ、大厄災の三人は歪みへと入っていく
「......さて、これは考えないといけないね」
ウライはそう呟き、ユル達四人も拠点に戻る
「大丈夫でしたか......!?」
帰ってくるや否や、ノウが駆けつけ、確認する
「なんとかね。だが、状況は最悪に近いだろう」
ウライがそうこぼすと、キジャラも続ける
「あぁ。対抗手段は早く見つけた方がいい」
「だな。だけども、どうすればいいか......」
考えるメンバー
ーーすると、ユルが口を開く
「ごめん。全然分かんないんだけど......」
その言葉に、一同はハッとする
「確かに、ユルはそうだったね」
軽く言うウライ。
しかし、次の瞬間真面目な表情で
「一言で言えば......」
「奴らの勢力、存在が一気に塗り変わる」
「......それが、今起こることだ」




