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隠れた末に、恋が冬眠
その人の周りには
その時期その時期で
色とりどりの女子がたくさんいた
私は
そういう男性の隠れ彼女になるということに
全く慣れていなかったから
その人との深い思い出ができる度に
待ち構えていた反動に
無惨にも打ちのめされていた
でも
あぁ、そうか
今、本当に初めて分かった
隠れさせられてるから辛かったんだ
そういえば
ずっと前のまた別の想い人が
どんなに目の前で
私以外の女子との会話を楽しんでいても
その時私は彼の隣に鎮座していたから
逆に誇らしい気持ちに
なったりしたものだったな
隠れて見守るのは辛いよな
色とりどりの女子たちは
誰に遠慮することもなく
その人に対して好き放題できるんだから
でも私という人間は何事に対しても
きっと悟りを開けるんだと
猪突猛進の恋のイノシシが
心の中で冬眠を始めたのを感じた




