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緑<16>
久し振りに会うのに氷は、避けていた理由を何も聞いてこなかった。
やはり私の事なんて、何も思っていないから聞いてこないのか?
それとも、避けていた事を私から話してくれるのを待っているのか?
考え込む私に構わず氷は、私の手をとって歩き出した。
氷から手を繋いでくれたのは、始めてだ。
今日は、何だか始めての事ばかりな気がする。
外の出店で色々買って、私と始めて会った場所にやって来た。
先に買った物を食べてから、話始めた。
「緑、今日誕生日だったよね?夏休み中バイトして貯めたお金で買ったんだけど…、はい…これあげるね。」
そう言って、手渡されたのは黒猫のぬいぐるみだった。
「覚えてくれてたんだ…」
氷が私のためだけにわざわざ、バイトまでして買ってくれた誕生日プレゼント。
それは、何時だったか忘れてしまったけど、欲しかったと話していた店のぬいぐるみだった。
期待してもいいのだろうか?
氷は、私の事を好きになってくれたと…。
(そう思ってもいい?)
私は氷のくれたぬいぐるみを抱きしめながら、期待と不安に揺れていた。




