緑<11>
やっと、初デートする日になった。
今日は、午後から雨が降るらしいがそれまで自然公園でデートするのだ。
今は、手を繋いでゆっくりと歩きながら、お互いの趣味などを話している。
まるでお見合いのようだと思った。
ゆったりした二人だけの時間は、元カノ達とのデートではなかったものだ。
12時近くになったので二人でベンチに座り、少しはやいが手作りのお弁当を食べる事にした。
「緑が作ったの?」
うなずいて、さっそく恋人らしく食べさせあいっこをする事にした。
「あーん…」
少し迷っていたが、食べてくれた。
「…美味しい」
そう言って、満面の笑顔になった氷。
(…………!!?)
始めて見た満面の笑みに少し、見とれてしまった。
「私にも食べさせて…」
気を取り直し、そう言った私に今度は躊躇わず食べさせてくれた。
かなり美味しかったのか、ニコニコしながら食べている。
「これからは私がお弁当、作ってあげる」
「いいの!?」
凄い勢いで、釣れた。
氷には食べ物が有効なのか…。
「ふふ…♪だって恋人だから」
「そっか、そうだよね♪」
やっと、恋人だと認めてくれた。
理由が複雑だけど…。
しかし、この際手段は選んでいられないので、先に胃袋を掴む作戦に切り換える事にした。
もう、私なしでは生きていられないと言わせるのだ!
…少し、違う気もするがこれでいいはずだ。
(やはり餌付けは、効果抜群だった)
そう思いつつ、内心ニヤリと笑った私であった。




