第9話
明日が初デート。
正直に言うと、実感がわいてこない。
…それは、緑の恋人になった事もだけどね。
それより、デートが楽しみなのは、何も緑だけじゃないよ。
(さてと…、帰ろうかな…)
そう思って、教室の時計を見るともうすぐ5時になる所だった。
今日は、何となく教室に残っていたのだ。
たまには、そういう日もあるでしょう?
帰宅部だし、普段はさっさと帰っているけど…。
そう言えば、緑は図書委員長だったっけ?
姉が確かそう言っていたような…。
考え事をしながら、窓の外を何となく見た。
すると、緑とキスしている人がいた。
…あれは、どういう事かな?
やはり、二又をかけていたの?
いやいや、いくら遊び人の緑でもそれは、しない人なのは知っている。
えっと、こういう場合緑に浮気したと怒ればいいのかな?
一応、恋人だし…。
ビックリしただけで、全くショック受けてないんだけど…。
それはそれで、恋人としては問題だよね?
恋人なら、すぐにでもあの二人の所に行って怒ったりするだろうし…。
もしくは、話してくれるのを待つか、後日問い質したりするはずだ…。
それが恋人としての行動だ。
普通ならね…。
(長いキスだな~…)
そう思いつつ、二人の様子を堂々と見続ける私。
幸いな事に周りには人が居ないし、あの二人に気付かれる位置でもないので堂々と見続けられるのだ。
(…緑とキスしている子って、確か隣りのSクラスの副委員長してる子だったような?緑の元カノでもあるらしいけど…)
私は、我がクラスの副委員長が、会議がある度に愚痴っていた内容を思い出した。
確かSクラスの副委員長は、親に甘やかされて育ったのか我が儘で自分の事以外、どうでもいいと思っている…だったかな?
しかも緑が私と、恋人になる前に付き合っていた子らしい。
入学して、一週間足らずで別れたみたいだけど…。
自分で告白しといて、すぐに振ったのに何故今頃になって、緑にキスしているの?




