〜2章〜【繋がる道】
エルシュオン学園の庭に向かうと、そこには学長が数名の先生達と被害状況を確認していた。
ガリオン「被害の状況はどうだい?」
先生「今のところは建物に最小限の被害があるくらいです」
ガリオン「そうか、ならば結界の再構築を頼んだよ」
先生「はい!」
あの学長が裏切り者だというのは考えにくいが、エルシェの話を信じよう。学長は俺たちに気づいたようで近づいてきた。
ガリオン「君たち、大丈夫だったかい?来てそうそうすまなかったね」
クロ「いえ、おかげで大変勉強になりました」
学長はエルシェの方をみると、顔つきが少し変わった。
ガリオン「そこのお嬢さんは、、ふむ、そういう事かね」
そう言うとエルシェに向かって、光の輪のような物を投げつけてきた。エルシェはそれをかわし、学長に向かって棘のような物を放つ。学長は軽々とその棘を手でつかみ笑みを浮かべている。
ガリオン「これはこれはエルシェお嬢様。久しいですね」
エルシェ「そういうあなたこそ変わらないんじゃなくて?」
エルシェは学長と面識があるみたいだ。それにしても、いきなり戦いだすとはせっかちだな。周りの先生方は驚いている様子だ。
ガリオン「エルシェお嬢様が何故ここにいるのかは不思議ですが、この学園を狙うのであれば容赦はしませんよ?」
エルシェ「ふん!何が学園よ!自分の実験の場にしているくせに!あなたのやっていた悪事の証拠はもう抑えてあるわよ!」
そういうとエルシェは空間を歪ませ、何かを出してきた。動物のような何かだ。
エルシェ「これはあなたが密かに研究させていた、キメラの実験体よ!」
キメラ「グァーー!!」
ガリオン「君が盗んでいたのか、よく見つけた物だ」
学長はあっさり認めたようだった。エルシェの読みは正しかったらしい。
エルシェ「観念しなさい!」
ガリオン「そうだね。ここらが潮時だとは思っていたよ。準備は整った、あの方にもいい報告ができるだろう」
学長が指を鳴らすと、先生達が苦しみだした。
「が、学長!?うぎゃっ!」
倒れた先生は黒い何かに包み込まれ、無数の黒い球体が現れた。球体はモゾモゾと動き、異形の化け物が生まれた。
ガリオン「魔力を持った人間を使ってこんな物か、改良の余地がありそうだな」
エルシェ「なんて事を、あなたはそうやって魔物を作り出していたのね!」
ガリオン「まぁ隠すことも無いだろう。キメラというのは優秀でね、取り込んだ物のスキルや魔法が使えるんだよ。エルシュオンの先生クラスであればと思ったが、そうでもなかったな」
クロ「最近、魔物が増えていたのはあなたが仕組んでいたのですね?」
ガリオン「全部が全部ではないが、より良い物を作るには実戦も必要だからね。君の村を襲っていたらすまなかったね」
フィンネル周辺に巣食っていた魔物も、恐らくここの影響を受けていたのであろう。ここで倒せば魔物の数も減るかもしれないな。
クロ「ブラックボックス!」
ガリオン「おっと!これは危ないな」
なに!?ブラックボックスが避けられた?いや、気づかれたのか。何とか銅像みたいに固定されていれば収納できるのに。
エルシェ「クロ!あいつは支配のスキルを持っているから、惑わされないように気をつけて!あなたのスキルの範囲は分かったから、私があいつを縛りつけてやるわ!」
ガリオン「君は見逃してやってもいいぞ?まぁそこの娘は実験に付き合ってもらうようになるけどな」
俺は何とかブラックボックスをガリオンに当てられるように集中した。エルシェが援護してくれてるおかげで、動きはゆっくりになってなる。集中してるとどこからか声が聞こえてきた。
「今だ、、、命を奪え、、、」
俺に言ってるのであろうか?導かれるように俺は叫んだ、
クロ「ブラックボックス!!!」
すると、ガリオンの身体が黒い物で侵食され始めた。
ガリオン「なっ!?認識阻害をしているのに当てられただと!!馬鹿なありえない!何なんだこの黒いやつは!
離れろ!くそっ、私はここで終わるわけにはいかな、、」
ガリオンは黒い箱に収納されてしまった。あたりは静まりかえっている。エルシェが声をかけてきた。
エルシェ「クロやったわね!学長から話を聞けたら良かったんだけど、抵抗するのがやっとだったし仕方ないわね。学長室に何か手がかりがあるかもしれないから探しに行きましょ」
あまりにもあっけなく学長は収納されてしまった。途中聞こえてきた声はなんだったのだろう?学長の本当の思惑を聞けずに収納してしまった。何か手がかりがあるといいのだが。
エルシェ、モフと共に学長室へ向かうのであった。




