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第84話 戦争再び

 ◇◇◇現在◇◇◇



 ――ガキーン!!



「やけに外が騒がしいなぁ?」


 私は、外で鳴り響く金属音で目を覚ました。約半日だろうか? 目覚めは悪かったが、久しぶりにゆっくり休めた気がした。


 外に出ると、まず見えたのは人の群れ。争いだろうか? それにしても人が多すぎる。


 普通に剣では対処しきれない。対して、Z+級の魔法を同時展開したら、私自身がどうなるかわからない。


 まあ、問題ないだろうが……。って、そういうことじゃなくて、いろいろ状況が変わってきているから、どうするかを……。


「同時展開……。初めてだけど2つでやってみるか…………」


 私は、テントを片付けて人々の群れに紛れ込む。飛行魔法で全体を見渡せる位置まで移動し、展開の準備。深く呼吸を整えたあと、



 ――ジャッジメント・レイ・ラビリンス

 ――……フロル・ラビリンス 同時展開!!



 負荷が、重い岩石で殴られているように、激しく脳に刺激を与える。

 私は、それでも魔法の威力を維持するため、全思考を一点に集中。

 だが、争いはなかなか収まらず 、逆に勢いが増していた。脳は、刺激の強さを堪えようと必死になって、その分思考も不安定になり始める。


「…………こんなことになるのは、気に入った。…………もう少し威力を上げるか」


 すぐに馴れ始める脳は、ある意味で異常だ。普通なら死んでいるはずなのに、戦っていられる。


 そして、威力を上げると負荷も倍増する。倍増すると脳に強烈な刺激。刺激を受けると脳が悲鳴をあげ、すぐに馴れ始める。


 これを繰り返すこと、3時間。やっと争いが終わった。脳も身体も疲れきった私は、飛行能力を失いその場に落下。ドスンという音とともに、たくさんの柔らかい砂が舞い、私の身体を包み込む。


 というか…………。完全に埋まった。身体全体砂だらけ。目や鼻や口や耳に砂が入っても、ゲームなので気にしない。


「マジでヤバかったな。藍のおかげで助かったぜ。…………うぅん。ふわぁ〜う……。急に眠くなってきた。このまま寝るか」


 私は、埋もれたまま目を閉じた。



 ◇◇◇◇◇◇



「……っていうことなのよ」


「楓さんが、俺の妹の命を狙っているなんて…………。もしかして、あのノートにイタズラしたから……。消せないのをわかっていて、書かれた内容を、帳消しになるよう書き加え。燃やした俺のせいだ」


 俺は、楓から明かしてもらった出来事に、後悔していた。全てが元に戻っていると思っていたが、考えが甘かったのだ。


 妹は失いたくない。でも、信じていられる不思議な安心感。妹は、ゲームのことを俺以上に知っている。


 ここは願うしかない。希望の光はあるのか無いのか。それでも、信じる。実は、もう1つ思い出ししたこと。ガデルが鍵を握っていることに……。


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