第83話 ルグア流ゲーム内での野宿の基本
「ダンジョン攻略している間に、どうすりゃこうなるんだよ!!」
砂漠の仮拠点に帰ってきた私は、その光景に唖然としていた。
部屋の中が大量のモンスターで、ごった返していたのだ。
自由にさせていた私が悪かった。こいつらは、”野宿”の『の』すら知らねぇんだった……。
――B級魔法 ソフトプラズマ!!
家財道具に被害が出ないよう、安全な電流でモンスターを一掃する。
「たっだいまぁ〜。りんりんも帰っていたんだねぇ〜。おつおつ〜♡」
藍だ。藍が愛称〈グリちゃん〉の〈アナグリム・ノワール〉を抱えて帰ってきた。
「おかえり、藍。見張り番いなかったせいで、すげぇモンスターの数になっていたぜ? まあ、私が一人で解決したが……」
「それって、マジマジのマジ?」
「……おん」
藍の話し方が独特すぎて、余計に疲れた気がした。そんなやり取りを知らない他メンバーは、完全スルーで中に入る。
(これは指導が必要だな)
「ルグア先輩、すみません。俺の人選ミスです。俺が藍さんに頼んだから……」
ルクスが突然謝ってきた。陸兄はしっかり理解していたようだ。
(ま、良いとするか…………)
私は、持ち帰ってきたアイテムを、人数分に分ける。個数的にちょうどよかったようで、余りはなかった。
次は、指導に入る。みんなを一箇所に集めての授業。年下や同年齢のレクト、楓、藍、セレス、ガロン、ラウスの7人は、気にならないが、残るメンバーに指導するのは、正直恥ずかしい。
でも、教えてやることに意味がある。クリムは例外なので、外で見張り番をしてもらうとして……。
「じゃ、念の為に授業を始めるぞ!!」
魔法で作った即席教室の教卓に立ち、教師みたく注目を集めると、
「なにの授業をするのか、教えてほしいです!!」
ガロンが質問をしてきた。
「た、たしかに、わからなきゃだめだよな。ゲーム内での野宿に関しての話、と言えば問題ないか」
「はいは〜い♡ 野宿って、な〜に〜?」
「そこからかよ!!」(藍以外全員大ゴケ)
「テヘッ♡」
「『テヘ』じゃないだろ!! めんどくせぇなぁ〜」
私は、一から説明することになってしまった…………。
◇◇◇45分後◇◇◇
「藍。これでわかったよな?」
”野宿”という言葉の意味を説明しきった私は、すでにヘトヘトだった。ものすごく簡単で、誰でもわかるはずなのに、一つの単語に45分は長すぎる。
これだけで、学校の授業時間1時限目分削っているのだから。他メンバーもやれやれ顔で、ラウスとレクトは机に顔を伏せて、今にも寝そうな雰囲気だった。
「しょうがない。ついさっき魔法で作った資料が完成したから。詳しい説明は、また後だ。解散!!」
この中で1番疲れたのは、きっと私だ。休み無しで動いたのだから。今日は、今日こそはゆっくり休もう。
私は、2km離れた場所に個人用の小さなテントを作って、中に入った。




