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日曜日

日曜日

 空は、すきとおるように晴れわたっていた。空の青さにまけないぐらい海は、しずかに青いしおをたたえていた。はまべには、すなと白いあわがざわめき、遠くには船のかげが、ほのかにゆらめいている。

 いなかの子どもたちが、海あそびをしようと、楽しそうにさわぎながら、海べまでかけてきた。赤や黄の、うきわが風にふかれて、とんでいく。おいかけていった子どもが、すなはまに目をやると、そこにぽつりと、うごかなくなったセミのなきがらを見つけた。

「どうして、こんなところに、おちているんだろう。へんだなあ」

 子どもたちは、しばらくの間あつまっていたが、またにぎやかに、海のほうへ走っていった。

 きみも見つけたことがあるだろう。海の近くにおちているセミのなきがらを。そのはねは、はばたくことをわすれ、そのあしは、歩くことをわすれ、ちゅうをつかんでいる。

 しかし、その目はどこまでも黒ぐろとすんで、まるで見たこともない、ふかい海の色のようではないか。

 そのころ、山のはずれの森では、妹ゼミがタマゴをうみおえて、しっかりとしたあしどりで木のてっぺんにむかって歩きだしていた。青い空は、海のようにどこまでもすみわたっていた。


 おしまい

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