76/274
三十六、ある少年の陳情
36.
外黃不下。數日,已降,項王怒,悉令男子年十五已上詣城東,欲阬之。外黃令舍人兒年十三,往說項王曰:「彭越彊劫外黃,外黃恐,故且降,待大王。大王至,又皆阬之,百姓豈有歸心?從此以東,梁地十餘城皆恐,莫肯下矣。」項王然其言,乃赦外黃當阬者。東至睢陽,聞之皆爭下項王。
(訳)
外黄はなかなか降らず、
数日してからようやく降ってきた。
項王は怒り、命令を下して
十五歳以上の男子をすべて
城の東で穴埋めにしようとした。
外黄の令の舎人は
十三歳の少年であったが、
彼は項王のもとまで往き
このように説いた。
「彭越が強兵にて外黄を脅かし、
外黄の民は恐れたために
いったん降伏して
大王(の到来)を待っておったのです。
大王はこうして到着され
皆を穴埋めにしようとなさっておりますが
(このようなやり方で)
百姓がどうして心を寄せましょう?
これより東の梁の地、十余の城も
皆恐れて、下ろうとせぬでしょう」
項王は彼の言うことも尤もだと考え、
そこで、外黄の者たちを
穴埋めにする事は取り止めた。
東の睢陽へ至ると、
この話を聞いた人々は皆
我先にと項王に投降してきた。
(註釈)
十三歳の少年の勇気ある陳情により
何万人もの命が救われました。
咸陽までの途上で
この事に気付いていればなぁ。




