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淡々史記  作者: ンバ
第八十六 刺客列伝
20/274

荊軻 三、蓋聶と剣を論じる

19.

荊軻嘗游過榆次,與蓋聶論劍,蓋聶怒而目之。荊軻出,人或言復召荊卿。蓋聶曰:「曩者吾與論劍有不稱者,吾目之;試往,是宜去,不敢留。」使使往之主人,荊卿則已駕而去榆次矣。使者還報,蓋聶曰:「固去也,吾曩者目攝之!」


(訳)

荊軻がかつて遊歴して

榆次ゆじを通り過ぎた際、蓋聶がいじょうとともに

剣について論じた事があった。


(その議論のさなか)

蓋聶が怒って荊軻を睨みつけると

荊軻は退出してしまった。


或る人が


「もう一度荊卿を呼び寄せてはどうか」


と言えば、蓋聶は


曩日のうじつ(先日)、彼の者と吾は

ともに剣を論じたのであるが、

称賛のできぬ点があり

(意見が食い違ってしまい)

吾は彼を睨みつけた。


試しに往ってみるといい、

恐らくは既に立ち去っており

敢えて留まろうとはしておるまい」


と述べた。


使いを遣って

(宿場の?)主人のもとまで往かせたところ

荊卿は則ち、已に駕(車)によって

榆次から立ち去った後であった。


使者が帰ってこの事を報告すると

蓋聶は言った。


「去るしかないであろう。

吾が先日、鋭い眼光で

やつを脅しつけてやったのだからな!」



(註釈)

荊軻はビビって逃げたのか?


そうではありません。


韓信と同じで、不毛な諍いで

怪我したり死んだりするのは

くだらないと考えているのです。


死ぬのが難しいのではなく

死に方が難しいのだ。


という言葉が三国志姜維伝の註にありました。

大丈夫たる者、命の使い時を誤るべからず。

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